土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)とは、土砂災害が発生した場合に、建物に損壊が生じ住民の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがある区域のことです。
参照元:土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律|第九条(土砂災害特別警戒区域)
市街地でも、古い住宅地の裏山などの急な傾斜地が指定されることが多く、一般的な区域と比べて以下のような規制があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建築規制 | 土石流の衝撃に耐えうる構造(RC造など)が要求される。都道府県知事の許可が必要な場合がある |
| 開発規制 | 造成工事・開発行為には都道府県知事の許可が必要 |
| 告知義務 | 売買・賃貸の際に買主・借主への重要事項説明が義務付けられている(宅建業法35条) |
| 融資制限 | フラット35Sの対象外。一般の住宅ローン審査も厳しくなるケースが多い |
また、売主には買主・借主への告知義務があります。
レッドゾーンであることを隠して売却すると、宅建業法違反として罰則の対象となるため注意が必要です。
一般的な区域にある不動産と比べて売却が困難なため、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)にある不動産は価格が低下しやすいのが現状です。
また、よく似た名前の「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」という区域もあるので、混同しないよう注意が必要です。

2つの区域の違いは以下のとおりです。
| 区分 | 土砂災害警戒区域(イエローゾーン) | 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン) |
|---|---|---|
| 危険度 | 土砂災害が発生した場合、住民に危害が生じるおそれがある | 土砂災害が発生した場合、建物に損壊が生じ住民の生命・身体に著しい危害が生じるおそれがある |
| 規制内容 | 警戒・避難体制の整備(規制は少ない) | 建築物の構造規制・開発許可・宅地建物取引の際の告知義務 |
| 融資への影響 | 原則影響なし | フラット35Sの対象外(2021年10月〜)など融資審査が厳しくなる |
| 売却への影響 | 比較的売却しやすい | 買い手が限定されるため売却が難しい |
参照元:国土交通省|土砂災害防止法の概要
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を不動産会社が「売れない」と断る本当の理由
不動産会社が土砂災害特別警戒区域の不動産を「売れない」と断るには理由があります。
不動産会社から見ると、レッドゾーンの物件を取り扱うにはデメリットが多いのです。
具体的には以下のようなデメリットがあります。
- 仲介手数料が少額で割に合わない(価格が低いため手数料収入が少ない)
- 売却期間が長く広告コストが高い
- そもそもレッドゾーン物件の取り扱い経験・ノウハウがない
つまり、不動産業者からすると「売れない」のではなく「扱いたくない」可能性が高いのです。
本当にレッドゾーンの物件を売却するなら、難易度の高い物件の扱いに慣れた不動産業者に相談することが重要です。
レッドゾーンの物件が売れにくい3つの理由
レッドゾーンにある不動産物件は、売却が難航するケースが少なくありません。
不動産会社側の事情とは別に、物件そのものの特性として売却を難しくしている理由が3つあります。
それぞれ詳しく解説します。
建築・開発に対する厳しい法的規制
レッドゾーンの物件が売れにくい理由の1つ目は、建築に対する厳しい法的規制があるからです。
レッドゾーンは住民の生命に著しい危害が生じるおそれがある区域なので、以下のような厳しい建築基準が定められています。
- 土石流の衝撃に耐えうる構造にする
- 建築・開発の際には都道府県知事の許可が必要
実際に、レッドゾーンの物件は木造では土石流の衝撃力に耐えられないケースが多いため、RC造(鉄筋コンクリート造)が要求されることが多くあります。
RC造(鉄筋コンクリート造)は、一般的な木造住宅に比べて建築費や維持費が高く、例えば外壁のクラック補修や防水工事はRC造特有の大きな出費となり、大規模修繕になると数百万円規模になることもあります。
レッドゾーンの物件は建築要件が厳しく、一般的なエリアの不動産に比べて費用負担が高いため売れにくいのです。
買い手が現金資産の多い人に限定される
レッドゾーンの物件が売れにくい理由の2つ目は、住宅ローンの審査が極めて厳しく、買い手が現金購入者にほぼ限定されるからです。
レッドゾーンの物件は土砂災害で物理的に滅失するリスクがあるため、金融機関からすると担保としての価値が低く、買い手はローンを借りにくい状況です。
2021年10月からは、レッドゾーン内の新築住宅は金利優遇のある「フラット35S」の対象からも除外されています。
参照元:フラット35|2021年10月適用の【フラット35】S利用要件のご案内
住宅購入者の約8割が住宅ローンを利用していることを考えると、一般的な不動産に比べて買い手はかなり限定されるため、売れにくくなります。
災害報道などによる心理的ハードルが高い
レッドゾーンの物件が売れにくい理由の3つ目は、災害報道などによる心理的ハードルが高いことです。
特に過去に大規模な土砂災害の報道があった地域では、命の危険がある土地に住みたいと考える人は少なく、買い手の心理的抵抗が非常に高くなります。
以下は2021年7月に、静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流被害の映像です。
家屋10棟以上が流され、人的被害も発生しております。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の物件を売却する3つの方法
「レッドゾーンだから売れない」とあきらめる必要はありません。物件の状況や優先したい条件によって、有効な売却手段は異なります。ここでは実際に活用できる以下3つの方法を解説します。
レッドゾーンなどの難易度の高い物件を取り扱う不動産買取業者に売却する
そもそも、不動産の売却は大きく分けて2つの方法があります。
-
- 仲介:不動産業者が買い手を探してくれる方法。買い手が見つかるまで売却できない。
- 買取:不動産業者が物件を直接買い取る方法。金額に納得すればすぐに売却することが可能。
レッドゾーンなどの難易度が高い物件は、不動産仲介業者ではなく買取業者へ直接売却するのがおすすめです。
レッドゾーンのような建築制限や命に関わるリスクがある物件は、住宅ローンが通りにくく買い手を見つけることが難しいからです。
例えば、仲介会社で「売却は不可能」と断られたレッドゾーンの物件でも、難易度の高い物件を取り扱う不動産買取業者であれば、契約不適合責任を免責したうえで、現状のままスピーディーに現金化できるケースが多くあります。
売主が買主に対して、物件の品質・状態について責任を負う制度。買取業者に売却する場合は、この責任を免責(免除)する契約が可能なケースが多く、売主にとって大きなメリットとなる。
「売れない」と諦めずに、まずはレッドゾーンなどの難易度の高い物件の扱いに慣れた不動産買取業者に査定を依頼し、早期売却を目指しましょう。
アルバリンクは、日本全国の空き家などの売却しづらい物件を積極的に買い取っている不動産買取業者です。
これまでに、土砂災害特別警戒区域の物件や劣化が進んでいる空き家など、需要がない物件でも積極的に買い取ってきた実績があります。
相談・査定は無料で、上場企業として無理な営業は一切行っていないので、ぜひ一度アルバリンクへお問い合わせください。
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災害対策の整備状況をアピールして仲介業者で売却する
自治体などによって今後、砂防ダムや崩壊防止工事などの災害対策整備を予定している物件は、その計画をアピールすることで仲介売却できる可能性があります。
例えば、自治体の防災事業計画に対象エリアが明記されている、急傾斜地対策工事の予算が議会で承認済みといったケースが該当します。
これらの情報は市区町村の担当窓口や公開資料で確認できますし、実際に自治体によるレッドゾーンの解除件数は年々増加しているのが実情です。
参照元:国土交通省|開発許可等におけるレッド解除の技術的課題について
ただし、以下の2点には注意が必要です。
- レッドゾーン物件である事実は告知義務があるため、どれだけ整備計画をアピールしても価格は相場より低くなりやすい
- 整備完了まで数年単位の時間がかかるケースも多く、その間は引き続き災害リスクを抱えることになる
このような状況を踏まえると、仲介売却にこだわらずレッドゾーンの買取実績のある業者への売却がおすすめです。
レッドゾーンを解除して仲介業者で売却する
レッドゾーンの指定は永続的なものではありません。
擁壁工事や斜面対策工事を実施し、指定解除の要件を満たせば、通常区域と同じ物件として扱われます。
国土交通省の基本指針では、擁壁工事や斜面対策工事によってレッドゾーン指定を解除できることが明記されており、個人による工事実施も解除申請の根拠として認められています。
実際の解除手法として、以下のようなユニットネット工法や擁壁の新設・補強工事が活用されています。
引用元:国土交通省|宅地擁壁について
工事完了後に都道府県へ解除申請を行い、基準を満たすと認定されればレッドゾーンから除外されます。
ただし、レッドゾーンを解除する場合は注意が必要です。
解除のための工事費用が数百万〜数千万円に達するケースも珍しくなく、そのままの状態で買取業者に売却した方がお得な可能性があります。
擁壁工事費用は環境や条件によって変わるため、適正価格はありませんが、1㎡あたり10万円前後かかるケースもあります。
参照元:一般社団法人日本擁壁保証協会
例えば、高さ5m、横20mの面積100㎡の擁壁を作る場合には、工事費用のみで1,000万円前後かかるということです。
都心などの立地が良い物件でなければ、レッドゾーンを解除しても工事費用を回収することが難しいため、そのままの状態で買取業者に売却するのがおすすめです。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の物件を売却する際の2つの注意点
レッドゾーンの物件を売却する際の注意点は、以下の2つです。
知らずに進めると損害賠償リスクや思わぬ損失につながる可能性があるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
告知義務を怠ると損害賠償リスクがある
レッドゾーンの物件は、告知義務を怠ると損害賠償リスクがあります。
宅建業法第35条・第47条では、重要事項の不告知・不実告知が禁止されており、違反した場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金が定められています。
過去の裁判例では、仲介業者が軟弱地盤を買主に説明しなかった事案で、裁判所が損害賠償を認めた例があります。
これは法定項目以外の事実ですら認められた事例です。
法律で明確に説明対象とされているレッドゾーンの告知を怠れば、責任はさらに重くなります。
参照元:不動産適正取引推進機構|売主業者の説明に関する判例について
引き渡し前に災害が起こった場合は売主負担になる
レッドゾーンの物件を売却する場合、引き渡し前の災害リスクは売主が負う必要があります。
2020年4月の民法改正によって、引き渡し前に起こったトラブルは売主負担となりました。
例えば、レッドゾーン内の空き家を3,000万円で売却する契約を結び、引き渡しを2ヶ月後に設定していたところ、その間に豪雨で土砂が流入し建物が倒壊した場合、改正後の民法では買主は民法536条に基づき代金の支払いを拒否できます。
この場合、売主は代金を受け取れないばかりか、損壊した建物の撤去費用まで負担する必要があるため注意が必要です。
レッドゾーンの売却では、災害リスクが高いため、スピーディーに引き渡しまで完了する不動産買取業者に依頼しましょう。
アルバリンクは査定から引き渡しまでの平均期間が3ヶ月と短いため、災害リスクのあるレッドゾーンをお持ちの方に特におすすめです。
実際にレッドゾーンの物件を買い取った事例があり、以下のような声が届いています。
父の死後、誰も住まなくなった築43年の家や土地を相続したものの
外壁が剥がれて近づくのも危険な納屋、残置物がそのままの倉庫、広大な田畑や山林には草木が生い茂り、さらに居宅は土砂災害特別警戒区域、、、病気の母の介助をしながら空き家と土地の管理をしなければならないことに頭を悩ませていました。お金の心配もあり、姉と私二人自力で片付け始めましたが、大量の家財に苦戦し気が滅入っていました。そんな中ネットで口コミ評価の高かったアルバリンクさんを知り、メールしたところ直ぐにご連絡くださいました(どの会社さんよりも早かったです!)家の状態をお伝えすると、残置物がある状態でも良く、さらに買取できる農地か調べて下さり、農地の処分方法についても教えて下さいました。引用元:Google マップ
レッドゾーンに該当する物件をお持ちで悩んでいる方は、アルバリンクまでお気軽にご相談ください。
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土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の物件を売れないまま放置するリスク
「とりあえず今は動かなくていいか」と放置を続けると、時間が経つほど状況は悪化します。
固定資産税や管理費の負担にとどまらず、最悪の場合は億単位の損害賠償リスクまで発生する可能性があります。
具体的なリスクを3つ紹介するので参考にしてみてください。
固定資産税と管理費用がかかり続ける
レッドゾーンの物件を放置する場合の短期的なデメリットは、固定資産税と管理費用がかかり続けることです。
空き家買取隊が空き家の所有者100人以上に行った調査によると、空き家の固定資産税は平均で10万円前後かかります。

固定資産税以外にも、物件が遠方にある場合の交通費や空き家の管理サービスなどを利用すると、空き家の管理には全部で年間30万円以上かかる可能性があります。
レッドゾーンの物件が売れないと高額な維持費用を払い続けることになるため、訳あり物件専門の不動産買取業者に依頼するのがおすすめです。
特定空き家に指定される可能性がある
レッドゾーンの物件が売れないからといって放置を続けると、「特定空き家」に指定されるリスクがあります。
特定空き家とは、倒壊の危険性や著しく景観を損なっているなどの状態にある空き家のことで、空家等対策特別措置法に基づいて市区町村が指定します。
特定空き家に指定されると、固定資産税の特例(住宅用地の軽減措置)が適用されなくなり、税負担が最大6倍になる可能性があります。
以下は新潟県柏崎市における特定空き家に関するニュースですので、併せてご覧ください。
高額な損害賠償を請求される
レッドゾーンの物件を放置して問題が発生した場合は、高額な損害賠償を請求される可能性があります。
特にレッドゾーンは土砂災害の危険性が高い区域として公に指定されているため、「危険を認識できたはず」という判断がされやすく、管理責任がより厳しく問われます。
2020年、神奈川県逗子市でマンション敷地の斜面が崩落し、通学中の高校生が死亡。遺族がマンション区分所有者らに損害賠償を求め、住人側が賠償金1億円を支払う内容で和解。この事案では敷地の管理責任が問われた形となった。
参照元:逗子斜面崩落 遺族とマンション住人側が和解 1億円賠償
レッドゾーンはイエローゾーンよりさらに危険性が高い区域のため、放置して人的被害が出れば、億単位の賠償責任を負う可能性があります。
コンパクトシティ政策で資産価値がさらに下落する
コンパクトシティ政策により、レッドゾーンの物件は今後さらに資産価値が下がる可能性があります。
コンパクトシティ政策とは、人口減少・高齢化社会に対応するため、都市機能を中心部に集約し郊外の低密度化を進める都市計画政策です。
日本の人口は年々減少しており、人口減少社会に対応するため全国の自治体で導入が進められています。

参照元:統計局
レッドゾーンの物件は「待てば値上がりする」可能性が極めて低く、時間が経つほど売却条件は悪化する可能性が高いです。
放置せずに、資産価値がこれ以上下がる前に行動することが重要です。
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の物件を売却以外で手放す2つの方法
どうしても売却が難しい場合や売却以外の方法も検討したいという方のために、レッドゾーンの物件を手放す別の選択肢を2つ紹介します。
ただし、いずれも注意すべきデメリットがあるため、安易に選ばないようにしましょう。
相続土地国庫帰属制度を利用する
相続で取得したレッドゾーンの物件であれば、「相続土地国庫帰属制度」を利用して国に引き取ってもらえる可能性があります。
相続土地国庫帰属制度とは、2023年4月に施行された制度で、相続等で取得した土地を一定の要件のもとで国庫に帰属(返還)させることができる制度です。
ただし、建物がある土地は相続土地国庫帰属制度の申請ができません。
制度を利用するには事前に建物を解体・撤去する必要があります。
そのため、レッドゾーンの物件がある状態から相続土地国庫帰属制度を利用するには、解体費用+10年分の管理費相当額にあたる負担金(原則20万円)を払う必要があります。
費用を合計すると、物件が木造の場合でも150万円ほどかかり、レッドゾーンに対応済みのRC構造の場合は解体費用がさらに高額になります。
訳あり物件専門の買取業者に売却する方がトータルコストを抑えられる可能性が高いため、あまりおすすめはしません。
少なくとも解体する前に、そのままの状態だといくらになるかを確認することをおすすめします。
空き家の解体費用に関しては、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

相続放棄する
レッドゾーンの物件を相続前、もしくは相続後から3ヶ月以内であれば相続放棄できます。
しかし、相続放棄には見落としがちなデメリットがあるため、慎重な判断が必要です。
相続放棄はすべての相続財産を放棄する制度なので、マイナスの財産だけを手放すことはできません。
レッドゾーンの物件だけ放棄して、預貯金など他の資産を受け取ることはできないのです。
少しでもプラスの資産があるなら相続放棄しない方が良いでしょう。
空き家の相続放棄については、以下の記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。

まとめ
土砂災害特別警戒区域にある物件は、法的な制限や金融機関の融資制限、地価の下落といった要因から売却が難航するケースが多いの実情です。
しかし、ハザードマップの状況説明や価格調整、専門業者の活用といった方法を取ることで、売却の可能性を高めることは十分に可能です。
とはいえ、こうした対策には手間や時間、費用がかかる場合もあり、すべてのケースでスムーズに進むとは限りません。
そのような場合には、「買取業者へ物件を売却」が有効な方法です。
買取であれば、仲介を通さないため短期間で現金化が可能です。
また、契約不適合責任の免責が認められる場合もあり、精神的・経済的負担を軽減できます。
特に土砂災害特別警戒区域のような特殊な事情を抱える物件であれば、知見のある専門買取業者への依頼が安心・確実な選択です。
アルバリンクはこうした「訳あり物件」に特化した買取を行なっており、多くの所有者の悩みを解決してきました。買取実績も多数あります。
土砂災害特別警戒区域の物件でお悩みの方は、まずはアルバリンクへの相談を検討してみてはいかがでしょうか。
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