空き家を放置する3つのリスク
空き家を長期間放置すると、所有者にとって大きなリスクが発生します。
ここでは、空き家を放置すると発生する3つのリスクについて解説します。
以下で詳しく説明します。
空き家を放置するリスクや適切な対処法については、こちらで詳しく解説しています。
関連記事:空き家を放置するのは絶対NG!知らないと損する5つの理由
近隣への損害・人身事故につながる
空き家を放置すると、倒壊や屋根・外壁の破損によって周辺に損害が及ぶリスクがあります。

特に台風や地震などの自然災害時には、老朽化した家屋が崩壊し、隣家や通行人に被害が発生する可能性が高まります。
また、瓦の落下によって車が損傷したり、外壁の崩落でケガ人が出てしまう場合もあるのです。
こうした事故は突発的に起こるため、被害の範囲が広がる点も危険です。
空き家を放置することは、近隣住民や周辺環境に直接的なリスクをもたらす行為といえます。
「特定空き家等」に指定され行政代執行が行われる
空き家が倒壊の危険性や衛生上の問題を抱えていると、市区町村から「特定空き家等」に指定される可能性があります。
「特定空き家等」とは、倒壊や衛生・景観などの面で著しく問題があると市区町村に判断された空き家のことです。

指定されると、改善命令や解体命令の対象となり、最終的には行政代執行によって強制的に除却されるケースもあります。
行政代執行とは、特定空き家の所有者が危険な状態の改善命令に従わない場合に、行政が代わりに撤去や修繕を行う手続きのことです。
さらに「特定空き家」となると、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が大幅に上がるリスクもあります。
参照元:国土交通省
住宅用地の特例とは、住宅やアパートなどの敷地として使われている土地に対して、固定資産税や都市計画税を軽減する制度です。

空き家を放置すれば「行政処分」という形で強制的に対応を迫られる危険性があるのです。
犯罪や火災などの温床になる可能性がある
人が出入りしない空き家は、不審者の侵入や放火といった犯罪に利用されやすいというリスクがあります。

また、電気設備や木材の劣化が進むことで火災が発生する危険性も高まります。
さらに、雑草や樹木が繁茂すれば害虫や害獣が発生し、地域の衛生や景観にも悪影響を及ぼすのです。

実際に、近所に空き家が放置されていると感じる不安について調査したランキングでは、「治安が悪化する」が1位となっています。
空き家は周辺環境全体に危険を広げる存在となり得るのです。
空き家で起きる可能性がある具体的な犯罪や、その対策について詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

空き家が倒壊した場合の損害と責任は誰が負うのか?
空き家が倒壊して周辺に被害を及ぼした場合、その責任は原則として所有者が負うことになります。
民法717条では、土地の工作物(建物など)の設置または保存に瑕疵(欠陥)があり、それによって他人に損害を与えた場合、その工作物の占有者、そして占有者が責任を免れるときは所有者が損害賠償責任を負うと定められています。
参照元:e-GOV法令検索|民法717条 (土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
この所有者の責任は「無過失責任」とされています、
たとえ所有者に過失(落ち度)がなかったとしても、建物の設置や保存に欠陥があり、それが原因で他人に損害を与えたのであれば、原則として賠償責任を免れることはできません。
「気づかなかった」「わざとではなかった」という言い分は、基本的に通用しないということです。
日本住宅総合センターによると、空き家の倒壊による隣接家屋の全壊・死亡事故が起きた場合、2億円を越える損害額になると試算されています。
ただし、地震や台風など、通常想定される範囲を超える不可抗力によって倒壊した場合は、設置・保存の瑕疵とは無関係な原因による損害として、所有者の責任が免除されるケースもあります。
つまり、適切に管理を行っていたにもかかわらず、防ぎようのない自然災害によって倒壊した場合には、免責される余地があるということです。
しかし、建物が老朽化して危険であると知りながら放置していた場合は、過失が認められやすいため注意が必要です。
自治体から改善命令を受けていたにもかかわらず対応を怠れば、責任がさらに重くなる可能性があります。
なお、相続した空き家についても注意が必要です。
登記上の名義がまだ亡くなった被相続人のままになっていたとしても、実際に相続した人(相続人)が管理責任を引き継いでいるとみなされ、賠償責任を問われる可能性があります。
「名義変更(相続登記)をしていないから自分は関係ない」という理屈は通らない、という点を押さえておきましょう。
空き家が倒壊した際の損害責任は状況によって異なるものの、管理を怠った所有者が大きなリスクを背負うことは避けられません。
空き家が倒壊する3つの原因
空き家は放置することで老朽化が急速に進み、最悪の場合は倒壊するリスクがあります。
建物の価値を守るためにも、その原因を正しく理解して管理や対策を行うことが必要です。
ここでは、空き家が倒壊に至る主な3つの原因を解説します。
湿度・通気の管理不足で腐食が進むから
空き家が倒壊する大きな理由のひとつは、湿度や通気が確保されずに建材が腐食することです。

換気や通風を行わないまま放置されると床下や壁内部に湿気がこもり、木材が劣化して耐久性が急速に低下します。
例えば、数年間換気を行わなかった空き家では、柱がシロアリに食われて強度を失い、床が抜け落ちることもあります。

湿度や通気の管理不足は、見えない部分から建物全体をむしばみ、最終的には倒壊につながる深刻な要因となるのです。
建物の点検・修繕をせずに損傷が進むから
倒壊のもう一つの理由は、建物に生じた破損を放置し、損傷が進行してしまうことです。
屋根や外壁の小さなひび割れも修繕されないまま放置されれば、雨水が侵入し内部の木材や鉄骨が腐食・錆びて構造が脆弱化します。

外壁が崩落したり屋根瓦が落下するなど、放置が原因で事故につながる場合もあります。
点検や修繕を怠ることは建物の劣化を加速させ、倒壊を引き起こす直接的な原因になるのです。
自然災害により建物の状態が悪くなるから
地震や台風といった自然災害も空き家倒壊の大きな要因です。
老朽化した建物は耐震性や耐風性が低下しており、強い揺れや暴風雨にさらされると損壊や崩落が発生しやすくなります。

例えば、台風で老朽化した屋根が飛散して周辺住宅に被害を与えてしまうことや、地震で外壁が崩れて通行人にケガを負わせたケースもあります。
空き家の倒壊を防ぐための3つの対策
前述の通り、空き家を放置すると老朽化が進み、最悪の場合は倒壊して周辺に損害を与える危険性があります。
そのため、倒壊を防ぐための対策が不可欠です。
ここでは、空き家の倒壊を防ぐための具体的な3つの方法を解説します。
定期的に点検・換気・通水を行う
最も基本的な対策は、定期的に点検・換気・通水を行い、劣化のスピードを抑えることです。
例えば、数ヶ月に一度でも窓を開けて換気し、水道を通すことで配管の破損や悪臭を防げます。
また、屋根や外壁のひび割れを早期に発見できれば、倒壊リスクを軽減できるのです。
小まめな点検を習慣化することが、所有者にとっても近隣にとっても安心につながります。
草木の管理と外壁補修を行う
空き家倒壊を防ぐもうひとつの方法は、草木の管理と外壁補修を行い、敷地や外観の管理を怠らないことです。
庭木や雑草が伸び放題になると湿気や害虫の温床となり、建物の老朽化を加速させます。

また、外壁のひび割れや破損を放置すると雨水が侵入し、家屋内部の腐食が進み倒壊につながります。
草木の管理や外壁補修は費用がかかるものの、景観の悪化防止にもつながり、地域全体の不動産価値を守る効果もあるため、メンテナンスを怠らないことが大切です。
空き家管理代行サービスを活用する
遠方に住んでいたり、相続後に対応が難しい場合には、空き家管理代行サービスを利用するのも有効な方法です。
専門業者が換気・清掃・草刈り・外壁点検などを代行してくれるため、所有者の負担を大幅に軽減できます。

空き家管理代行サービスを活用すれば、所有者が現地に頻繁に行けない場合でも、建物の劣化や倒壊リスクを抑えられます。
「管理できないから放置する」のではなく、専門家やサービスをうまく利用することが、リスク回避の最善策です。
空き家管理サービスに関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

空き家の倒壊リスクが高まった時の2つの対処法
前述の通り、老朽化が進んだ空き家を放置すると、倒壊して周辺に損害を与える可能性が高まります。
所有者は管理責任を負うため、事故が起きる前に適切な対応を取ることが必要です。
ここでは、倒壊リスクが高まった空き家に有効な2つの対処法を解説します。
解体して更地にして売却する
まず一つ目の方法は、建物を解体して更地にして売却することです。
老朽化が進んだ建物は維持費がかかるうえ、台風や地震で倒壊すれば損害賠償責任を負うリスクがあります。
そこで、危険性が高まる前に解体して土地として売却すれば、安全性を確保しながら資産を有効に活用できます。

たとえば、市区町村によっては解体費用の一部を補助する制度があり、補助金を利用すれば負担を抑えられます。
解体費用は数百万円かかる場合もありますが、倒壊による損害額やトラブル対応を考えれば、早めの除却は有効な対策です。
倒壊しそうな空き家を解体して売却する方法は、「安全性を優先したい方」「相続した空き家を遠方から処分したい方」「土地としての売却を重視したい方」におすすめです。
倒壊前に専門業者に売却する
もう一つの方法は、倒壊前に空き家を専門業者に売却することです。
専門の買取業者は、老朽化した物件でもリフォームや再建築を前提に買い取ってくれるため、所有者は早期にリスクから解放されます。

さらに、契約不適合責任が免除されるケースが多く、売却後のトラブルを回避できる点も大きなメリットです。
契約不適合責任とは、売買契約で合意した内容と引き渡された物件の状態が異なる場合に、売主が買主に負う責任のことです。
参照元:法務省

買取は、免責で安心感が得られる一方で、売却価格が安くなりやすいのがデメリットです。
ただし、「空き家に強い専門の買取業者」に売却するなら、比較的高値で売りやすくなります。
専門業者は、老朽化した空き家の再生・活用に精通した独自の業者ネットワークを持っているため、リフォームや解体をコストパフォーマンスよく行い、再販や活用につなげることができます。
その分の利益を、買取価格に上乗せする形で還元してもらいやすくなるのです。
「早急に売却して現金化したい方」「解体費用や修繕費を負担せずに空き家を手放したい方」「近隣トラブルや倒壊リスクから一刻も早く解放されたい方」におすすめです。
「安心して任せられる相手に、できるだけ高く売りたい」という両方の希望を叶えたい方は、空き家に強い専門の買取業者に依頼することが大切です。
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| 物件住所 | 相談内容 | 築年数(年) |
|---|---|---|
| 千葉県八千代市 | 空き家 | 50.4 |
| 栃木県佐野市 | 再建築不可 | 55.6 |
| 群馬県桐生市 | 再建築不可 | 43.6 |
参照元:AlbaLink|成約事例一覧
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一例として、不動産会社8社に断られた物件を、弊社で買取させていただいた実績もあります。
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まとめ
空き家を放置すると、倒壊による人身事故や近隣への損害、「特定空き家等」に指定されて行政代執行を受けるリスク、さらには犯罪や火災の温床になるなど、多くの問題が発生します。
特に倒壊によって他人に損害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を負う可能性があり、経済的にも大きな負担となりかねません。
倒壊の原因は、湿気や通気不足による腐食、修繕の怠り、台風や地震などの自然災害による損傷の悪化が主なものです。
倒壊のリスクを防ぐためには、定期的な点検や通水・換気、草木の管理や外壁補修、さらには空き家管理サービスを利用することが有効です。
しかし、維持には継続的な費用と労力がかかり、根本的な解決にはなりません。
そのため、倒壊する前に空き家を売却してしまうことが、最も安心できる選択肢といえます。
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