空き家の売却後に先に知っておけばよかったと思ったこと1位は「税制の知識」

空き家の売却経験がある93人に「空き家の売却後に『先に知っておけばよかった』と思ったこと」を聞いたところ、1位は「税制の知識(30.1%)」でした。
僅差の2位は「複数社査定の重要性(29.0%)」です。
税制や複数社査定など、売却金額や売却前後に発生する費用に影響する項目が上位にランクインしました。
また「複数社査定」や「仲介と買取の違い」は、売却方法や売却先など、選択肢の数に関わる項目でもあります。
じっくり判断するための情報が足りなかったと感じた人が多いとわかりました。
ランクインした情報はいずれも売却前に確認できるものであることから、売却前に十分情報収集することが、後悔の少ない売却活動につながると言えます。
1位 税制の知識
- 譲渡所得税の特例(3,000万円の特別控除)が使えるかどうか、確認しておけばよかった(20代 男性)
- 特別控除について、事前に調べておけばよかったと思いました(30代 女性)
- 空き家売却時の、3,000万円特別控除の適用条件。特例を受けるための期限や要件を把握していなかった(60代以上 男性)
1位は「税制の知識」でした。
確定申告や相続税について挙げた人もいましたが、とくに多く寄せられたのは「3,000万円の特別控除について知っておけばよかった」という声でした。
不動産を売却して利益が出た場合には課税されますが、相続した空き家を売る場合には、税制上の優遇措置があるからですね。
具体的には「条件を満たせば、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除できる」というものです。
条件としては「建築された年など、建物の条件」「相続してから売るまでの使い方」「売った日や売却金額」などがあります。
条件を満たしていないと適用されないので、事前に知っていればよかったと後悔した人も多くいました。
売却を決めた時点で、使える優遇措置はないかを調べる姿勢が大切です。
2位 複数社査定の重要性
- 不動産会社によって査定額も売り方もかなり違うことです。私は最初に相談した1社だけで話を進めそうになりましたが、あとから別の会社の話を聞いて「もっと早く比べればよかった」と思いました(40代 男性)
- 空き家周辺の売却相場について、もっと時間をかけて、不動産数社を比較して、きちんと把握すればよかった。1社だけに任せるのは危険だと痛感した(60代以上 女性)
2位は「複数社査定の重要性」です。
売却活動をするときに気になるのは、「空き家がいくらで売れるのか」を把握するための査定額です。
「空き家を売りたいとき、不動産会社に相談すれば査定してもらえる」という認識をもつ人は多いと考えられます。
しかし、複数社で査定し、内容を比較する必要性までは知らなかった人も少なくありません。
実は不動産会社によって、査定額はかなり変わってきます。
そのため1社だけに査定をお願いした場合、素人には査定額が妥当なのかを判断するのは難しいと言えます。
複数の会社に見積もりをお願いするのは、決してルール違反ではありません。
複数の会社に一括で査定を依頼できる「一括査定サイト」などもあります。
3位 仲介と買取の違い
- 売却といっても種類があり、それぞれメリットとデメリットがあること(30代 女性)
- 仲介と買取の違いについて、事前に詳しく知っておけばよかったと感じました(50代 男性)
「仲介と買取の違い」が3位となりました。
仲介とは、不動産会社を介して一般の買い手を探す方法です。
比較的高値で売れやすいですが、売却までに時間がかかる可能性もあります。
一方の買取は、「不動産の買取業者」とも呼ばれる不動産会社に、直接不動産を売る方法です。
スピーディーに成約しやすい一方で、売却価格は安くなりやすいのがデメリットとなっています。
一般的に不動産の売買では「仲介」がイメージされます。
そのため買取という方法があることや、仲介メインの会社と買取メインの会社の違いを認識していない人も少なくありません。
事前に、それぞれの特徴について、知っておけばよかったと感じた人もいました。
4位 名義変更の手続き方法
- 名義変更の手続き方法(30代 男性)
- 名義変更の手続き方法について、もっと詳しく知っておけばよかった(60代以上 男性)
4位は「名義変更の手続き方法」でした。
相続した空き家を売る場合には、まず家の名義を被相続人から相続人に変更する必要があります。
名義変更ができていないと、所有者が亡くなった被相続人のままになってしまい、空き家を売却できないからです。
名義変更をする場合にはまず「誰の名義にするのか」などを相続人同士で話し合い、書類を用意して、法務局に提出します。
上記のような名義変更の手続きに手間取っているうちに、売り時を逃してしまうことも考えられます。
そのため、あらかじめ知っておけばよかったと感じた人もいました。
5位 売却にかかる費用
- 仲介料の算出方法(30代 女性)
- 売却にかかる諸費用や税金について、もっと詳しく知っておけばよかったです。予想以上に費用がかかり、手元に残る金額が思ったより少なかったです(50代 女性)
「売却にかかる費用」が5位です。
空き家を売るにあたっては、費用が発生することもあります。
例えば仲介なら「仲介手数料」がかかりますし、買取でも印紙代などは必要になることが多いです。
相続した空き家の名義変更手続きを司法書士などに頼むなら、司法書士に支払う報酬も必要に。
建物を解体して更地にして売るなら解体費用、リフォームしてから売るならリフォーム費用もかかりますね。
思っていた以上に費用が発生すると、空き家が売れても、手元に残るお金が少なくなります。
そのため、どのくらいの費用がかかるのか知っておきたかったという人もいました。
空き家の売却前に知らなかったことで生じた不都合は「売却価格が低くなった」

「空き家の売却前に情報不足だったことで生じた不都合」のダントツは「売却価格が低くなった(44.1%)」で、4割以上の人から回答を集めました。
2位「費用が発生した(26.9%)」、3位「時間がかかった(19.4%)」が続きます。
以下5位までは、4位「納税額が多くなった(12.9%)」、5位「手間がかかった(9.7%)」の結果でした。
売却価格、費用、納税額など、お金に関する項目が上位に入っています。
情報不足だったことで、経済面での損失があったと感じる人が多いのですね。
また時間や手間など、労力の面で不都合を感じた人もいました。
1位 売却価格が低くなった
- 競合がなかったため相場より安く買い叩かれてしまい、手元に残る金額で大きな損をしました。後から近隣の売却相場を知り、最初から複数社に査定を依頼して比較・交渉すればよかったと感じました(20代 男性)
- 最初の会社だけで話を進めたので、あとから「相場より安く売ってしまったかもしれない」と感じました。少し後悔しています(40代 女性)
- 田舎なので地元の不動産会社に任せたけど、あとから他の不動産会社に「もっと高値で売れたはず」と言われた(50代 女性)
1位は「売却価格が低くなった」でした。
「複数の不動産会社から話を聞かなかった」「相場を調べなかった」などの情報不足により、売却価格が不当に低かったのではないかと感じている人が多数います。
とくに査定をしてもらったのが1社だけだと、提示された価格が相場通りなのかはわかりません。
のちのち別の会社から話を聞いて、「もっと高く売れたかも」と後悔したケースも多くありました。
売却価格が低くなると手元に残るお金は当然少なくなり、取り戻すことも難しいため後悔につながります。
2位 費用が発生した
- 知らないうちに費用がかかった(20代 女性)
- 余計な費用がかかった(30代 男性)
- 「更地にすれば売れやすい」という話を聞いて急いで取り壊しをしたら、高額な解体費がかかっただけでなく、固定資産税の優遇が外れて税金が跳ね上がる結果となった(40代 男性)
2位は「費用が発生した」です。
売却にともなって発生する費用や税金について知らなかったため、予想外に費用が発生してしまい、後悔した人もいます。
例えば体験談にあるように固定資産税の制度について知らないと、解体後に固定資産税の額が増えて焦ることも。
想定外の費用が発生することで手元に残るお金が減ってしまいます。
アンケートでは「費用の見積もりが甘かったため、売却後の資金計画が崩れた」という声も寄せられました。
どうやって高く売るかだけではなく、コストを減らして利益を守る方法も考えておく必要があります。
3位 時間がかかった
- 実際に売却が完了するまで、かなり時間がかかった(30代 女性)
- 税金に関する知識不足で、手続きに時間がかかりました(30代 女性)
「時間がかかった」が3位となりました。
税金や具体的な手続き方法に関してあまり調べていなかったために、実際に手続きするときに手間を感じた人もいます。
知識不足のまま手続きを進めると、間違いや差し戻しがあったりして、時間がかかってしまうからです。
また「何をいつまでにやっておけばいいか」「手続きにどれくらいの時間がかかるのか」を知らないと、動き出しが遅くなりかねません。
するといざ売却できる状態になっても、名義変更の手続きなどが終わっていなくて、具体的な契約手続きを進められない可能性があります。
知識不足から「売却活動や手続きの長期化」が起こり、後悔した人もいるとわかります。
4位 納税額が多くなった
- 税金の特例適用に必要な要件や期限を事前に把握していなかったため、節税の手続きがスムーズにいかず、余計な税金の負担が増えてしまいました(30代 女性)
- 一番の不都合は、払わなくて済んだはずの譲渡所得税や住民税を払ったこと(50代 女性)
- 特例の適用条件を満たせず、税金面での優遇を逃した(60代以上 男性)
4位は「納税額が多くなった」でした。
税制上の優遇措置など税金についての知識が少ないことで、「節税できたはずなのに、できなかった」と感じている人もいました。
本当は払わなくてもよかったのにと思うと、後悔が大きくなると推測されます。
売値が同じでも、税金の知識があるかどうかで、手元に残るお金は変わってきます。
手取りを多くするためには、税金の知識が必要です。
5位 手間がかかった
- 査定に手間をかけてしまったこと(20代 男性)
- 全部自分で手続きをしなければならないと思い込み、仕事を休んで関係各所を回るなどして大変だった(50代 男性)
- 不動産業者に聞いて名義変更の手続きをしたため、後で不備に気づいたときに、自分で不備の内容を理解するのに手間がかかった(60代以上 男性)
「手間がかかった」が5位です。
手間がかかるパターンは大きくふたつにわかれています。
ひとつは知識が足りないせいで、手続きや査定依頼などに手間取ってしまったパターン。
もうひとつは、手続きが代行可能であることを知らずに、自力でやろうとして手間がかかったパターンです。
事前に「自分にしかできない手続きの把握と準備」や「代行してもらえる手続きの把握と依頼先の検討」をしておくことで、手間を減らせると考えられます。
空き家売却前の情報収集が「足りなかった」と感じた人は88.2%

「空き家売却前の情報収集が足りなかった」と回答した人は、「やや足りなかった(51.6%)」「全く足りなかった(36.6%)」を合わせて88.2%でした。
「十分だった(11.8%)」は1割強にとどまり、多くの人が情報収集不足だったことを実感していました。
多くの人にとって、空き家の相続や売却は、日常的に接することではありません。
そのため、自力で十分な情報を集めるのが難しいと考えられます。
また情報収集をしても、集めた情報だけで十分かどうかの判断が難しいこともあると推測できます。
まとめ
空き家の売却後に「先に知っておけばよかった」と感じたこととしては、税金や費用などお金に関することが多くなっています。
また、複数の不動産会社に査定してもらうことの重要性も、売却価格に大きく影響します。
「情報不足だったことで生じた不都合」でも、お金に関する項目が多く挙げられました。
また、情報不足によって手間や時間が余計にかかった人もいます。
売却活動をスムーズにし、手元に残るお金をできるだけ増やすためには、情報収集が重要だとわかります。






