空き家を売却した理由は「管理に手間がかかる」

空き家の売却経験がある118人に「賃貸化や解体ではなく、売却を選んだ理由」を聞いたところ、1位は「管理に手間がかかる(29.7%)」でした。
2位「トラブルを防ぎたい(21.2%)」、3位「解体費用がない(19.5%)」と答えた人も2割前後います。
以下、4位「維持費がかかる(14.4%)」、5位「現金が欲しい(6.8%)」の結果でした。
- 管理の負担を完全になくしたかったから。遠方に住んでいるため定期的に通うのが難しく、解体費用や賃貸に出すリフォーム代の工面も厳しかった。手放して固定資産税や維持管理の手間から解放されたかった(60代以上 男性)
- 建物や土地を所有し続けることで発生し続ける、固定資産税や草むしりなどの維持管理の負担を完全になくしたかったこと。また現金化して相続人全員で均等にわけることで、親族間でのトラブルを防ぎたかった(30代 女性)
- 解体費用が想像を超えた金額だったからです(30代 女性)
- 管理し続ける負担をなくし、維持費や固定資産税の負担も早めに解消したかったためです。解体費用をかけず、そのまま購入してくれる人が見つかれば現金化でき、親族間の手続きも進めやすいと考えました(50代 男性)
- 現金が欲しかったから(20代 男性)
「空き家を維持し続けることで発生する手間や費用から解放されたい」という意向が読み取れる結果となりました。
空き家を維持するには、メンテナンスの手間や、固定資産税などの維持費がかかります。
また解体するにも、リフォームして賃貸に出すにも、手間や費用がかかります。
売却してしまえば、上記のような手間や費用に悩む必要はなくなりますね。
また空き家を所有し続けることで、家族・親族とのトラブルになることが懸念される場合には、売却してトラブルを防ぎたいと考える人もいます。
売却して現金化すれば資産をわけやすくなるからです。
空き家の売却がスムーズに進んだ人は59.4%

空き家の売却について「とてもスムーズだった(7.6%)」「まあスムーズだった(51.8%)」と回答した人は合わせて59.4%で、約6割を占めました。
一方で約4割の人は売却に苦戦しています。
空き家のある地域の状況や物件の状態によって、売却のスムーズさに差が生じることがわかります。
空き家の売却で困ったこと1位は「なかなか売れないこと」

「空き家の売却で困ったこと」を聞いたところ、圧倒的1位は「なかなか売れないこと(48.3%)」でした。
2位以下はかなり差が開いて、「手続きの難しさ(12.7%)」、3位「売却に関する相談先選び(10.2%)」が続きます。
まずは、売りたいのに売れないことが大きな悩みになっていることがわかります。
「値下げ交渉への対応」という声もあり、希望の値段で売れないこともストレスになります。
また売れる見込みがある場合でも、相談先選びや手続きに悩んだり、引き渡しまでの片付けが大変だったりすることがわかりました。
売却する工程全体を通して、さまざまな困難があると見て取れます。
1位 なかなか売れないこと
- 高齢化が進み、地域に空き家も多かったため、築年数や金額以外でポイントとなることがなく、問い合わせ止まりで終わってしまうことが多かった(30代 女性)
- 何年も売れずに、固定資産税や細かな修繕費がかかり続けていた(50代 女性)
- 築年数が古かったため、購入希望者がなかなか現れなかったことです。内覧は何度かありましたが、建物の傷みを理由に話が進まず、想定していたより売却まで時間がかかりました(60代以上 男性)
1位は「なかなか売れないこと」でした。
売れにくい要因としては、主に古さと立地の悪さが挙げられています。
「内覧希望すらない」「内覧があっても、話が進まない」といった状況が続いて、焦ってしまった人もいました。
売れないと維持費や管理の手間がかかり続けるので負担になりますし、「本当に売れるのだろうか」と不安になるとストレスもかかります。
2位 手続きの難しさ
- 名義変更の手続き方法がわからなかった(20代 女性)
- 面倒な手続き。知らないことが多かった(40代 女性)
- 諸々の手続きに、想像以上に時間がかかってしまったこと(50代 男性)
2位は「手続きの難しさ」です。
多くの人にとって、空き家の相続や売却に関する手続きは、頻繁に行うものではありません。
あまり知識がない状態で進めようとすると、手続き方法を調べたり、書類を準備したりすることに困難を感じます。
間違えないように慎重に進めようとすると、時間もかかりますね。
3位 売却に関する相談先選び
- まずどの業者に相談すべきか、調べても決められなかった(30代 女性)
- 売却を考えたときに、まずどこに行けばいいのかわからなかった(40代 女性)
- 最も困ったことは、どこに相談すれば良いのかわからなかったことです。複数の不動産会社に問い合わせても説明が少しずつ違い、何を基準に判断すればいいのか迷う時間が続きました(60代以上 女性)
「売却に関する相談先選び」が3位となりました。
空き家の売却について自分ひとりで進めるのは難しいので、不動産会社などに相談する人も少なくありません。
ただ相談先となる不動産会社を選ぶことが難しかったという人も多くいました。
不動産会社の数が多く、それぞれに得意分野が違うからです。
実際に複数の不動産会社へ相談しに行ったものの、それぞれに説明が違って混乱してしまった人もいました。
4位 室内の片付け
- 遺品整理と大量の家財道具の処分に、予想以上の時間と費用がかかったことです(40代 女性)
- 一番困ったのは、家の中に残った荷物の片付けでした。押し入れや物置を開けると昔の家具やアルバムがたくさん出てきて、なかなか作業が進みませんでした。買い手が内覧に来る前までに何とか形にしようと、休日のたびに通って片付けました(40代 男性)
- 実家が住んでいる場所から離れていたので、売却前の家財の持ち出しが大変だった(50代 女性)
4位は「室内の片付け」でした。
とくに仲介で売却する場合には、空き家に残っている家財は売却前に整理しておくのが一般的です。
「内覧時に荷物がないほうが、きれいに見えるのでは」という意図もあります。
しかし長年誰かが住んでいた古い家だと、荷物がかなりの量になることも。
そのため分別や処分に困ってしまった人も多くなりました。
5位 値下げ交渉への対応
- 買い手側が値段交渉をしてきたことです。100~300万円の値切りを打診してきました。不動産会社も高値で売ろうとせず、購入者側に肩入れしているようで困りました(30代 女性)
- 古民家のため買主側からの買い叩きや価格交渉があり、希望売却価格との折り合いをつけるのに苦労しました(40代 女性)
- 売価について買い手となかなか折り合いがつかずに苦労しました。(60代以上 男性)
「値下げ交渉への対応」が5位です。
不動産を売ろうとする場合には、買い手から値段交渉が入ることもあります。
とくに古い空き家の場合には、修繕費がかかることを見込んで、大幅な値下げ交渉があることも。
売り手としてはできるだけ高く売りたいのに、買い手としてはできるだけ安く買いたいので、折り合いがつかず困った人も多くいました。
「高く売りたいが、この買い手を逃したら購入希望者がなかなか現れないかも」など、難しい判断を迫られます。
空き家の売却で困ったときの対処法は「条件を妥協する」

「空き家の売却で困ったときの対処法」のダントツは「条件を妥協する(37.3%)」でした。
2位「不動産会社に相談する(17.8%)」、3位「仲介から買取に切り替える(9.3%)」、4位「知人に相談する(8.5%)」、5位「複数の会社を利用する(5.9%)」の結果でした。
売却がなかなか進まない場合には、「条件を妥協する」「仲介から買取に切り替える」など、売り方を変える人が多くなっています。
また不動産会社や知人に相談する人も多く、難しい問題を自分だけで抱え込まないようする努力も見られました。
困難だからといって売却を諦めるのではなく、周りの助けを借りながら柔軟に対応することがポイントだとわかります。
1位 条件を妥協する
- 条件を緩くしたり、値段を再設定したりした(20代 女性)
- 仲介業者を変更し、条件も妥協した(30代 女性)
- 早めに処分しないと固定費が負担になるので、妥協した(60代以上 男性)
1位は「条件を妥協する」でした。
「なかなか空き家が売れない」という困りごとに対処するための方法です。
「できれば希望価格で売りたいけれども、売れるまでに時間がかかってしまうならば、条件を下げてでも早く売りたい」という考えです。
価格とスピードを天秤にかけたときに、スピードを優先する人も多いのですね。
条件を下げてでも売りたい理由としては、「売却までに時間がかかると維持費がかさむ」などがあります。
条件を下げるにあたって、不動産会社に相談するなどして相場を調べた人もいました。
2位 不動産会社に相談する
- 不動産会社とこまめに連絡を取った(30代 女性)
- まずは不動産会社に相談し、売却までの流れや必要書類を一つずつ確認していきました(50代 男性)
- 信頼できる不動産会社ひとつに絞り、担当者に丁寧に相談しながら進めました。迷っていた部分を一つずつ整理してもらうことで気持ちが軽くなり、手続きの流れが明確になりました(60代以上 女性)
2位は「不動産会社に相談する」です。
主に「手続きが難しい」「なかなか売れなくて悩んでいる」という場合の対処法と言えます。
空き家の売却に慣れている不動産会社に相談することで、手続きの進め方を教えてもらえたり、サポートしてもらえたりするからです。
疑問点について相談する相手ができたことで、不安が軽くなったという体験談もありました。
3位 仲介から買取に切り替える
- 仲介での売却を諦め、不動産会社による直接買取に切り替えました。売却価格は当初の希望より下がってしまいましたが、即座に現金化でき、残置物撤去や契約不適合責任免責などの柔軟な対応をしてもらえたことで、迅速に解決できました(30代 女性)
- 仲介での売却を諦め、不動産会社の直接買取に切り替えた。希望価格よりは安くなったが、現状のままスピーディーに引き取ってもらえたため、維持費の支払いを最小限に抑えて無事に処分できた(60代以上 男性)
「仲介から買取に切り替える」が3位となりました。
「仲介」とは、不動産会社を介して一般の買い手を探す方法です。
一方「買取」とは、不動産会社に直接空き家を売却する方法となっています。
そのため仲介から買取に切り替えることで、買い手を探す必要がなくなり、比較的スピーディーに売却手続きが完了します。
なかなか売れなくて悩んでいる、できるだけ早く空き家を手放したい、といった場合の対処法ですね。
現状のまま買い取ってくれる不動産会社であれば、片付けについての悩みもなくなります。
4位 知人に相談する
- 知人を伝って、経験のある人に話を聞いた(30代 女性)
- 知人に相談(50代 男性)
4位は「知人に相談する」でした。
知人に相談するのは、いきなり不動産会社へ相談に行くよりもハードルが低くなります。
体験談を聞いたり、実践した対処法を聞いたりすることで、どのように売却を進めればいいか見えてくることも。
また知人に信頼できる不動産会社を紹介してもらった人もいました。
どこに相談したらいいかわからない状態のとき、知人のお墨付きがあれば安心して相談できますね。
5位 複数の会社を利用する
- 複数の会社で見積もり(30代 男性)
- 売却業者さんを増やした(50代 女性)
- いくつかの仲介業者さんに間に入ってもらい、お互いに競わせていい値で売却できました(50代 女性)
「複数の会社を利用する」が5位です。
具体的には「相見積もりをした」「依頼先を増やした」などがあります。
複数の会社を利用して、買い手探しの範囲などが広がることによって、より良い条件で売却できる可能性が出てくるからです。
会社や担当者によって得意分野や対応品質も変わってくるので、より自分の状況にあった会社を見つけやすくなるメリットもあります。
また見積もりや査定をいくつかもらえると、相場も見えやすくなります。
まとめ
空き家の売却では「なかなか売れない」という点で困った人が多くいました。
売れにくい空き家を売るために、売却価格などの条件を下げた人もいます。
上記を踏まえると、売却活動を始めるときに「条件を下げることになっても守りたい、最低ライン」を決めておくと、スムーズに対応できると考えられます。
また不動産の知識があまりない人が売却活動を行う場合には、相談相手となる不動産会社の存在が重要です。
「複数の会社に話を聞いてみる」「仲介だけではなく買取も検討してみる」といった方法で、困りごとを解決できる可能性があります。






