空き家売却を経験した人の85.3%が「不安があった」と回答

空き家売却の経験者のうち、空き家売却にあたって不安があった人は、「とても(38.5%)」「やや(46.8%)」を合わせると、85.3%にのぼりました。
多くの人が、何らかの心配を抱えながら売却の検討や売却活動を進めていたことがわかります。
家を売るのは、多くの人にとってめったにない経験です。
そのためわからないことも多く、不安になりやすいと考えられます。
空き家売却で最も不安だったことは「売却にかかる費用」

「空き家売却で最も不安だったこと」の1位は「売却にかかる費用(23.1%)」でした。
僅差で2位「売却金額の妥当性(21.0%)」、3位「売却できない可能性(20.3%)」が続きます。
費用や売却価格など、お金に関する不安が多くなっています。
費用と売却価格のバランスで、「得ることで損が出てしまうのではないか」と心配している人もいました。
また、そもそも買い手が見つかるのかという先行きの見えにくさも、不安につながっています。
1位 売却にかかる費用
- 売却手数料などを引かれて、手元にいくらくらい残るのかがわからなかった(30代 女性)
- 解体や片付けの費用、税金もどれくらい引かれるのかわからず、モヤモヤしていました(40代 男性)
- 解体費用、譲渡費用、税金(50代 女性)
1位は「売却にかかる費用」でした。
売却にかかる費用としては、「不動産会社に支払う手数料」「解体費用」「片付け費用」「税金」などが挙げられています。
支払う費用が多いと、家を売却できても利益が少なくなるので、不安になるのですね。
また、解体や片付けにいくらかかるかは家の状態により、費用感の見通しが立てにくいのも、不安の理由となっています。
2位 売却金額の妥当性
- 築年数が古かったため、希望する価格で売れるのか不安でした(30代 女性)
- 価格がいくらなのか本当にわからなくて不安だった。価格が低いと売りたくない気持ちもあった(30代 男性)
- 安く買い叩かれないか不安だった(50代 男性)
2位は「売却金額の妥当性」でした。
「いくらで売れるのか」「希望金額で売れるのか」「不当に買い叩かれないか」を心配した人も多くなっています。
ニーズのない家の価値は下がってしまうので、希望している価格で売れないこともあるからですね。
また不動産業界にいない人が相場や適正な価格を客観的に判断するのは難しいです。
買い手や不動産業者に提示された価格は、妥当なのかを判断できないので、不安も大きくなりやすいと考えられます。
査定額を見ても「もっと高く売れるのではないか」という疑問が生まれやすくなるのですね。
3位 売却できない可能性
- 古いので売れるかどうか(30代 男性)
- 古い地方の物件ゆえに「そもそも買い手が見つかるのか」という需要への不安(30代 女性)
- 家の傷みが激しく、売却できるかという不安(50代 男性)
「売却できない可能性」が3位となりました。
空き家の状態や立地が悪い場合には、売りたいが本当に売れるのかという不安も生まれます。
具体的には「築年数が古い」「建物が傷んでいる」「田舎」「坂の途中に建っている」などが挙げられました。
「物件の競争力が弱い」「魅力が少ない」と感じていると、売れるか不安になりやすいのですね。
売りたいのに売れない期間が長引くと、固定資産税や維持管理の負担がかかり続けてしまい、精神的にもストレスとなります。
4位 家の片付け
- 遠方にある実家だったため、「室内に残された大量の家財道具や遺品の片付け・処分をどう進めるべきか」という点です(30代 女性)
- 実家が田舎にあって、古いうえに荷物も大量に残っていたので、片付けにどれだけの時間と費用がかかるか不安でした(40代 男性)
- 長年使っていなかったため荷物が多く、片付けにどれだけ時間と費用がかかるのか見通しが立たず、不安でした(60代以上 女性)
「家の片付け」が4位でした。
空き家に家財が残っているケースでは、売却の準備段階となる片付けも不安要素となります。
空き家には「扱いが大変な大きな家具家電」「処分しにくい家族の思い出の品」「大量の食器や服」などが残されていることも珍しくありません。
荷物が多いと、どのくらいの時間や費用が必要になるのか見通しが立ちにくくなります。
また遠方に住んでいる場合は、片付けの時間をなかなかとれないことも。
最近では家財が残ったまま買取をしてくれる不動産買取業者もあります。
ただし、家財を残したまま売ると買取価格が下がりやすくなる点には注意が必要です。
5位 不動産会社の選び方
- まっとうな不動産会社を選び出すこと(40代 男性)
- 不動産屋の知り合いがいなかったので、選ぶのが大変でした(40代 男性)
- 「不動産会社によって査定額や対応が大きく違う」と聞いていたので、どこに依頼すべきか迷いがありました(60代以上 女性)
「不動産会社の選び方」が5位です。
不動産会社によって、「査定額」「得意分野」「対応力」には当然差があります。
対応の悪い不動産会社を選んでしまうと、やり取りでストレスを感じてしまうこともあります。
しかし不動産業界で働いていない人にとっては、不動産売却は頻繁に経験するものではありません。
不動産会社と頻繁に取引がある人も少ないので、どの不動産会社が信頼できるのかを判断するのは大変です。
そのため不動産会社の選び方で不安を感じた人も多くなりました。
空き家売却で不安な時に頼りになる相談先は「不動産会社」

「空き家売却で不安な時に頼りになる相談先」として圧倒的支持を得たのは「不動産会社(51.7%)」で、半数以上の人が挙げました。
2位「経験者の知人(21.0%)」となっています。
以下、3位「家族(9.1%)」、4位「士業(7.7%)」、5位「自治体(4.9%)」の結果でした。
不動産会社や士業など、専門知識や実務経験をもつプロを頼りにしている人が多くなっています。
空き家売却は「価格査定」「ルールに則った契約手続き」など、専門的な知識が必要になる場面も多いため、専門家に相談するほうが安心だと思うのは当然です。
一方で「経験者の知人」「家族」も多く挙げられており、親身になってくれる身近な人の体験談やアドバイスを重視する人もいました。
主には「信頼できる専門家」と「身近な人の実体験に基づく意見」が重視されているとわかります。
1位 不動産会社
- 大手の不動産会社。情報が多いし悪徳ではない(30代 女性)
- 地元密着型の業者は相場観が正確であるので、売却だけでなく管理方法も含めた的確なアドバイスをもらえるからです。不動産関係に勤める友人から聞きました(40代 男性)
- 地元の不動産会社は地域の相場や売れやすい時期をよく理解しており、具体的なアドバイスをもらえると感じたためです。実際に現地を見てもらいながら状況に合った提案をしてくれたので、不安が軽くなりました。さらに地元ならではの情報を持っているため、安心して相談できました(60代以上 女性)
1位は「不動産会社」でした。
不動産会社は、空き家売却に関する専門知識と実務経験を有しています。
多くの取引事例をもとに、具体的な解決策を提示してくれる存在として、頼りにされていることがわかりました。
アンケートではとくに、地元の不動産会社を挙げた人が多くなっています。
理由としては「地域の相場や需要をよくわかっている」「アドバイスが具体的」「行動力がある」などがありました。
2位 経験者の知人
- 売ったことのある友人。身近なほうが本当の話を聞けると思うし、信憑性があるから(30代 女性)
- 実家を売却した経験のある会社の先輩です。片付け業者の選び方や税金対策などのアドバイスをもらえました(40代 男性)
- やっぱり経験者で信頼性のある友人に相談するのが一番わかりやすかった。利害関係がないので信頼性もあって、相談しやすかったです(50代 女性)
2位は「経験者の知人」でした。
実際に同じ立場を経験した人のリアルな情報や体験談を重視する人も多くなっています。
空き家売却の手続きなどについては不動産会社などでも教えてもらえます。
ただ「おすすめの業者」や「税金に気を付けて」など、売主目線でのより細かい情報をくれるのは、実際に経験した人ならではです。
友人や知人であれば利害関係がないため、本音で相談しやすいことも大きな魅力となります。
ただし、空き家の条件や地域によって事情は異なり、一人の経験談がそのまま当てはまるとは限りません。
3位 家族
- 家族。一番話しやすい(30代 女性)
- 兄弟。今後の進め方を決められたし、何からしたほうがいいのかも決められたから(20代 男性)
- 地元の親戚。片付けから購入希望者の内覧まで、さまざまな面で助けてくれた(50代 女性)
「家族」が3位となりました。
家族や親戚が頼りになると感じている人も多くなっています。
「気軽に話せる安心感」「お互いに当事者」「実際に売却活動をサポートしてもらえること」などが理由として挙げられました。
空き家を売却するにあたり関係者が複数いる場合には、まず身内で相談して意思決定する必要があります。
また「片付けをどう進めるか」「分担するか」なども、相談することでクリアになると考えられます。
4位 士業
- 司法書士。相続登記や名義変更が必要な場合の手続きについて相談できるからです。売却前に所有者情報を確認してもらい、手続き上のトラブルを未然に防げましたし、相続人間の手続きについて助言を受けられました(30代 男性)
- 税理士。自分がよくわかっていない面をサポートしてもらえるので、安心して売却を進められる精神的な安心感がある。多少費用はかかっても、手違いなどから起こるリスクや不安を考えたら安いもの(40代 女性)
- 知り合いから紹介された弁護士。信頼できたことと、時間はかかったけれど土地の登記についても処理してくれた(50代 女性)
「士業」が4位でした。
弁護士、司法書士、税理士などの士業も、空き家売却を検討する際に相談相手として頼りにされています。
空き家売却には、法律や税務、登記などの専門的な知識が必要となるからです。
普段関わることのない分野なので、理解が難しい場合には専門家が頼りになります。
実際に「トラブルを防げた」「安心できた」という声が寄せられました。
ただし相談や依頼には費用がかかります。
5位 自治体
- 非営利なので中立だった(20代 男性)
- 丁寧に最初から教えてくれた(30代 女性)
- 他の空き家のケースを教えてもらえた(30代 女性)
「自治体」が5位です。
空き家は全国的な問題になっており、空き家についての相談窓口を設けている自治体も少なくありません。
自治体が相談先として頼りになる理由としては、中立的な立場であることなどが挙げられました。
自治体は、特定の業者や積極的な売却を勧める立場ではないため、客観的な情報を得られると感じる人が多いのだと考えられます。
無料で相談できますし、何から始めればよいかわからない段階で相談できるのも安心です。
まとめ
今回の調査では、空き家を売却した人の85.3%が何らかの不安を感じていました。
「売却にかかる費用や売却価格のバランス」「そもそも買い手が見つかるか」などで不安を感じた人が多くなっています。
家の片付けや不動産会社選びなど、準備段階での不安もあります。
不安を軽減するためには相談相手が重要で、信頼できる相談相手としては、不動産会社や士業などの専門家が挙げられました。
空き家売却には不安がつきもの。
そのため納得感のある売却のためには、信頼できる相談相手を見つけることが重要です。





