相続放棄した家の解体費用は誰が払う?想定される3つのケース
相続放棄した家の解体費用でも、状況によっては費用負担や対応義務が発生するケースがあります。
以下の代表的な3つのケースに分けて詳しく解説します。
特に老朽化した空き家の場合、倒壊や衛生問題などのリスクが高まりますのでぜひ確認ください。
ケース1:相続人がいる場合
他に相続人がいる場合、その人が家の解体費用を負担します。
相続放棄をした時点で、相続人とみなされないので、費用負担する義務を負う必要はありません。
ただし、被相続人の財産を処分した場合、相続放棄ができなくなるので注意が必要です。
相続放棄を検討する場合、上記の行為をしないようにしましょう。
ケース2:相続人全員が放棄した場合
相続人全員が放棄した場合、相続放棄したあなた含めて相続人全員解体費用を支払う義務はありません。
家庭裁判所が選任した相続財産清算人が家の解体費用の支払いをはじめとした財産の清算をします。
相続財産清算人の選任には家庭裁判所への申し立てが必要となり、検察官および以下の利害関係者のみ申し立てが可能です。
- 相続放棄した元相続人
- 相続人以外の親族
- 被相続人の債権者(金融機関)
- 被相続人の入居施設
ただし、前述した「みなし単純承認」に該当する行為をした場合、相続放棄ができず、家の解体費用を負担せざるを得ない状況に陥ります。
原則、相続放棄後は解体費用の負担からは免れます。
参照元:相続財産清算人の選任 | 裁判所
ケース3:相続財産清算人が未選任の場合
相続人全員が相続放棄をした後、誰一人相続財産清算人の選任を申し立てていない場合も、あなたが解体費用の負担をする必要はありません。
元相続人が清算人選任の申し立てをしていないとしても、債権者をはじめとした利害関係者が申し立てを進める流れになるでしょう。
相続放棄した家の解体費用を請求されるケース
原則、相続放棄をすることで相続人としての責務から免れることが可能です。
そのため、解体費用を支払いに応じる必要もありません。
ただし、以下のケースでは「単純承認した」とみなされるため、解体費用を請求される恐れがあります。
期限内に相続放棄の手続きをしていない
相続の開始から3か月以内に相続放棄の手続きをしないと、相続放棄ができず、解体費用を請求される可能性があります。
相続するとみなされる行為の一つとして、期限内に相続放棄の手続きをしないことが挙げられます。
被相続人が亡くなったことを知った日から、3か月以内に手続きをしないと、家の管理から逃れられません。
相続放棄を検討する場合は、3か月経過する前に手続きをしましょう。
被相続人の財産の売却・処分をする
被相続人の財産のすべて、もしくは一部を売却・処分した場合、相続放棄できず、解体費用を請求される可能性が生じます。
相続財産を売却・処分する行為は、相続人に相続の意思がある単純承認とみなされてしまうからです。
具体的には以下の行為は「みなし単純承認」となります。
- 家を解体・売却する
- 被相続人の預貯金を引き出して使う
- 被相続人の財産を隠す
- 被相続人の価値ある物品(毛皮、骨とう品など)を持ち帰る
- 相続財産を借金の返済に充てる
誤って被相続人の財産を処分してしまうと、家の解体費用の請求から免れることはできなくなります。
家の解体費用の相場と内訳
家の解体費用の相場は大きさによって以下のようになります。
| 建物の規模 | 木造 | 鉄骨造 | RC造 |
|---|---|---|---|
| 30坪 | 90万~120万円 | 120万~180万円 | 150万~240万円 |
| 35坪 | 105万~140万円 | 140万~210万円 | 175万~280万円 |
| 40坪 | 120万~160万円 | 160万~240万円 | 200万~320万円 |
| 45坪 | 135万~180万円 | 180万~270万円 | 225万~360万円 |
| 50坪 | 150万~200万円 | 200万~300万円 | 250万~400万円 |
また、建物以外の付帯設備の取り壊し費用の相場は以下のとおりです。
| 工事項目 | 費用相場 |
|---|---|
| 建物内の残置物撤去 | 1万円/㎥ |
| 門扉・フェンスの撤去 | 3万円程度(一式) |
| ブロック塀の解体・撤去 | 5千円前後/㎡ |
| カーポートの解体・撤去 | 3万~5万円/台 |
| 庭木の撤去 | 1万5千円~2万円/本 ※抜根も合わせると5万円程度 |
| 庭石の撤去 | 1万円/トン |
| 倉庫・物置の撤去 | 2万~3万円/坪 |
ただし、上記費用はあくまで目安で、作業環境や依頼する業者によってはさらに高額になる恐れがあります。
家の解体費用を請求される場合、100万円以上かかると想定しておきましょう。
家の解体費用の目安以外に負担を抑える方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

解体費用の負担を避けるための3つの対策
前述の内容が原因で相続放棄ができなかった場合、家を放置すると行政代執行が行われ、解体費用を請求されてしまいます。
また、自分で解体するにしても、解体費用の支払いからは免れられません。
そこで、家の解体費用の負担軽減につながる方法を3つ紹介します。
不動産買取業者に売却依頼する
現状のままでも買い取ってくれる不動産買取業者を利用すれば、解体費用をかけずに手放せる可能性があります。
不動産買取業者はリフォーム後の再販を前提に家を買い取っています。
そのため、仲介では断られる老朽化が進行した物件でも、買取が可能です。
ただし、再販による利益を確保するために売却価格は、仲介で売却した場合と比較して6~8割程度安くなる傾向にあります。
解体しか選択肢がないと思っていた家でも、値段が付く可能性があるので、一度査定依頼をしてみましょう。
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空き家バンクを活用して第三者へ譲渡する
空き家バンクを活用して第三者へ譲渡する選択肢もあります。
空き家バンクとは、空き家を売りたい人と買いたい人を結びつける自治体運営のマッチングサービスです。
通常の不動産サイトには掲載されないような低価格の古い物件を探し求める人がおり、仲介では売れなかった物件でも買い手が見つかるかもしれません。
ただし、空き家バンクの認知度は低く、思っている以上に買い手がすぐ見つからない可能性があります。
国土交通省のアンケートによると、空き家バンクを「知っている」と答えた割合は23.7%と低いのが現状です。
参照元:国土交通省
売れる可能性は仲介よりは高いといえるものの、すぐに成約させるのは難しいでしょう。
空き家バンクを活用するメリット・デメリットについては、以下の記事を参考にしてみてください。

補助金を活用して解体する
自治体によっては、空き家の解体に対して補助金・助成金制度を設けているところがあります。
たとえば、「特定空家」や「防災上危険な家屋」と認定されると、30万〜100万円規模の補助を受けられる自治体もあります。
名古屋市の「名古屋市老朽危険空家等除却費補助金」の場合、著しく保安上の危険がある家屋の解体に最大80万円の補助金が支給されます。
参照元:名古屋市
補助金制度は事前申請が原則です。解体前に自治体の建築指導課や住宅政策課に確認しましょう。
手続きや報告義務はあるものの、対象条件に合致すれば自己負担を大幅に減らすことができます。
空き家解体補助金について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

まとめ
相続放棄を選択した場合、原則は家の解体費用を支払う必要はありません。
ただし、被相続人の財産を処分したり、期限内に相続放棄の手続きをしなかったりすることで家の解体費用を負担する義務が生じる可能性があります。
家を相続してしまい解体費用を負担せざるを得ない場合は、解体を考える前に不動産買取業者に相談してみましょう。
老朽化が進んだ空き家など他社から断られがちな物件でも買い取ってくれる可能性は十分にあります。
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