建物の価値が失われる急増する空き寺
近年、日本全国で空き寺が急増しており、地域社会にとって深刻な問題となっています。
背景には人口減少や高齢化に加え、仏教離れや後継者不足といった宗教界全体の課題が絡んでいます。
とくに地方では、檀家の減少とともに寺院の収入も減り、住職を維持できずに廃寺となるケースが増えています。
日本にある寺院は約7万数千カ寺といわれますが、このうち約1万7千カ寺が住職がない”無住寺院”となっているという推計があります。
参照元:卒塔婆屋さん
このように、急増する空き寺は日本の宗教や地域社会が抱える構造的な課題を浮き彫りにしていますが、一方で活用のアイデア次第では、新たな価値を生み出す可能性も秘めています。
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空き寺が増える原因とは?
日本各地で空き寺の増加が深刻化していますが、その背景には複数の要因が複雑に絡み合っています。
ここでは、上記の2つの要因に着目することで、空き寺が増える原因について詳しく解説します。
後継者が不足しているから
空き寺が増加している最大の原因のひとつは、住職の後継者不足です。
寺院の住職は、昔から親から子へと引き継がれるのが普通でしたが、最近では子どもたちが都会で働いたり、違う生き方を選んだりすることが増え、実家のお寺に帰って住職になる人が少なくなっています。
特に地方の寺院では、若い僧侶が継ぐことをためらい、結果として無住職のまま放置されるケースが増えています。
これは都市への人口流出(地方の過疎化)という社会の変化と深く関係しています。
若年層の地方離れや都市部への定着により、実家の寺に戻る動機が弱くなっていることも一因です。
こうした現状を打破するには、伝統的な世襲制度にとらわれず、社会や教育機関、地域と連携して僧侶育成や寺院運営の仕組みを再構築することが重要です。
参照元:OTERABANK
仏教に関心を持つ若者への教育支援や後継者マッチング制度を活用するなど、多様な人材確保が模索されています。
檀家が減り、収入が不足しているから
空き寺が増えるもう一つの大きな要因は、檀家の減少による収入不足です。
寺院は檀家からの寄付や法要料で成り立っていますが、少子高齢化や都市部への人口集中により、地方ではその数が急激に減っています。
収入が減れば維持も難しくなり、自然と廃寺への道をたどることになります。
株式会社ディライトが実施した檀家制度に関する調査によると、回答者の約9割が檀家をやめる”離檀”を考えたことがあると答えています。
また、同調査では全体の3分の2が檀家引継ぎに消極的とも回答しています。
参照元:newsvast
檀家の減少は、地方の寺院経営を直撃しており、地域文化や精神的支柱の崩壊にもつながる深刻な課題として顕在化しているのです。
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空き寺を放置する4つのリスク
空き寺の増加は日本社会における新たな課題の一つですが、放置することで生じるリスクは多岐にわたります。
寺院が本来持つ宗教的・文化的価値を損なうだけでなく、地域社会との関係にも深刻な悪影響を及ぼしかねません。
ここでは、空き寺を放置することで発生する4つの具体的なリスクをとりあげます。
リスクの詳細を解説します。
建物の価値が失われる
空き寺を長期間放置しておくと、風雨や劣化により建物そのものの価値が大きく損なわれます。
特に仏像や歴史的建造物を有する寺院では、修復に莫大な費用がかかる可能性があり、文化的損失も計り知れません。
これは日本全体の文化財保護にも関わる問題です。
島根県金皇寺(こんこうじ)の場合、住職不在が続いた後、宗教法人が解散されました。
その結果、土地は国有化され、寺院は荒れ放題となっているのです。
参照元:読売テレビチャンネル
こうした事態を防ぐには、早期に活用の道を検討することが重要です。
犯罪の温床になる
空き寺を放置するもう一つの大きなリスクは、防犯上の問題です。
無人となった寺院は、不法侵入や放火、盗難などの犯罪に巻き込まれやすく、地域の安全に悪影響を及ぼします。
これは住民にとっても深刻な不安要素です。
たとえば、全国では空き寺を狙った窃盗事件が増加しており、仏像や宗教用品が高値で取引されるケースもあるため、寺院も標的となりやすいのです。
仏教的価値に加えて、文化財としての価値も失われる恐れがあります。
2025年6月には、石川県加賀市の閉鎖された寺院に侵入した外国籍の男3人が逮捕される事案が発生しました。
参照元:テレビ金沢NEWS
地域のフォロー体制を整え、犯罪の抑止と安全な環境づくりが急務です。
近隣住民からのクレームがくる
空き寺が地域に与える負の影響として、近隣住民からの苦情が増えることも見逃せません。
荒れた敷地が景観を損ねたり、雑草や害虫の発生源になったりすることで、地元住民との関係悪化を招きかねません。
たとえば、大阪市阿倍野区にある正圓寺は創建から1000年以上経過した由緒ある寺院ですが、住職が逮捕されたことをきっかけに空き寺となっていました。
そのため、肝試し目的の侵入が多発したり、ゴミが至る所に散乱するといった状況になってしまいました。
参照元:MBSNEWS
こうした事態が発生しないよう、空き寺になる前に手を打つ必要があるのです。
空き家を放置することで発生する近隣からのクレームについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

管理コストがかかる
空き寺をそのままにしておくと、実は管理のためのコストが継続的に発生します。
草刈り、防犯、保険、修繕のための最低限の維持管理費は、大きな経済的負担となります。
織田信長や豊臣秀吉に仕えた生駒氏の氏寺である久昌寺(愛知県)の場合、檀家である生駒家が今後の管理が困難であるとして、本堂の解体を決めています。
耐震補強のための費用を負担できなかったためです。
参照元:読売テレビチャンネル
今後、経済的負担が困難となり、廃寺となるケースが増加すると予想されています。
実績が豊富な買取専門業者であれば、傷みがひどい状態が悪い物件であっても買い取ってもらえる可能性があります。
なかでも弊社アルバリンクは、グーグルの口コミ評価で平均口コミ4.4/157件中を獲得(2025年9月時点)し、多くのお客様から感謝のお言葉をいただいています。
参照元:アルバリンク/お客様の声
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空き寺リスクを減らす3つの予防策
空き寺が抱えるリスクを回避するには、早期の予防策が不可欠です。
日本全国で空き家問題が広がる中、寺院も例外ではありません。
仏教文化や地域社会にとって重要な存在である寺院を守るためには、地域との関係を深め、継続的に活用する取り組みが求められています。
ここでは、空き寺リスクを減らすための有効な3つの方法を紹介します。
地域のコミュニティースペースとして活用する
空き寺の予防策として最も効果的なのが、寺院を地域のコミュニティースペースとして活用することです。
地域住民との関わりを強めることで、寺が「人の集まる場所」となり、放置されにくくなります。
仏教の教えをベースにしながら、宗教施設としての役割を超えた使い方が期待されています。
長野県の善光寺では隣接する大勧進で「お寺カフェ」を開き、寺の境内や蓮池を眺めながらゆったりとした時間を過ごせる場所を提供しています。
参照元:善光寺
空き寺になるまえに、お寺が「地域のコミュニティースペース」として機能すれば、全国的な問題である宗教離れや後継者不足の改善にも一石を投じることができるでしょう。
イベントを企画する
寺院を定期的に活用するためには、イベントの開催が有効な手段です。
仏教に親しみを持ってもらう場を提供しつつ、地域との接点を生むことで、空き寺化を防げます。
宗教的な枠を超えて、多様なテーマのイベントを行うことで、若年層や外国人にも寺の存在をアピールできます。
宮城県松島町にある瑞巌寺では、大書院を解放して写経の体験会を実施しています。
参照元:瑞巌寺
このような取り組みは、日本の仏教文化を世界に発信する好機にもなり得ます。
イベントを通じた関係づくりが、空き寺を防ぐカギとなります。
定期的に修繕・点検する
どれだけ活用されていても、建物の劣化が進めば空き寺化のリスクは避けられません。
そのため、定期的な修繕と点検は空き寺予防に欠かせない基本施策です。
小さな破損のうちに対応することで、将来的な大規模修繕のコストも抑えることができます。
兵庫県の温泉寺では老朽化した鐘楼を修繕するためのクラウドファンディングで資金を集め、鐘楼修復を目指しています。
参照元:for Good
予防的な視点での修繕や計画的な点検が、寺院を次世代へとつなぐ重要な一歩です。
修繕コストが想定以上にかかる場合は、売却も選択肢の一つです。
弊社アルバリンクは、全国規模で訳あり物件を購入してきた実績を有し、メディアでも紹介されています。
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アルバリンクついて詳しく知りたい方は、アルバリンクの評判で口コミや評判・買取実績などについて詳しく説明していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
すでに空き寺になっている場合の4つの対処法
すでに空き寺となってしまった場合でも、適切な対処を講じることで、地域や仏教文化に与える悪影響を最小限に抑えることができます。
日本全国で空き家や空き寺が増加するなか、宗教法人としての責任ある判断が求められています。
ここでは、空き寺への実践的な4つの対処法をご紹介します。
対処法を詳しく見てみましょう。
宗教法人としての会計や手続き、トラブル対応を整理する
まず重要なのは、宗教法人としての財務や法的な手続きを整えることです。
空き寺となった場合でも、寺院は宗教法人としての責任を持ち続けるため、会計の透明化や名義変更、信者・檀家への対応などを整理する必要があります。
法的な対応を怠った場合、檀家とのトラブルに発展する恐れがあります。
参照元:長瀬総合法律事務所
このような混乱を避けるためにも、宗派や協会のサポートを受けつつ、専門家のフォローを受けることが不可欠です。
他の寺院との合併や共同運営を検討する
後継者不足が原因で空き寺となった場合には、他の寺院との合併や共同運営を検討するのも有効な方法です。
同じ宗派内での連携が可能であれば、住職や僧侶の配置、収入の共有といった柔軟な運営が実現し、寺院の存続が可能になります。
寺院の合併は宗教法人法に基づいて進められます。
基本的に、それぞれの寺院内での規則にもとづき合併や共同運営が進められますが、ルールがない場合は責任役員会の過半数の同意が必要です。
参照元:長瀬総合堀津事務所
合併や共同運営により地域の信仰心を維持しつつ、事業としての効率性も確保できるメリットがあります。
地域団体などに貸したり管理を委託する
空き寺を地域の資源として活かすには、地域団体やNPO、民間事業者などに貸し出す、または管理を委託する方法が考えられます。
仏教施設としての機能を完全に残さずとも、地域の活性化に貢献する形で寺院を維持することが可能です。
「地域のための空間」として活用できれば、収入の確保や空き寺リスクの回避につながります。
こうした取り組みは、地元との良好な関係づくりや宗教離れへの間接的な対策としても意義があります。
宗教施設以外の用途に転用する
空き寺の最終的な対処として、宗教施設以外への転用も選択肢の一つです。
歴史ある建築物を活かしながら、カフェや宿泊施設、コワーキングスペース、外国人向け体験施設などへと事業転換するケースが全国で増加しています。
龍泉寺リボーンプロジェクトは、東京都八王子市にある龍泉寺が中心となって、外部の専門家や地域住民の知見を活かしながら寺院の有効活用と地域活性化を目指す取り組みです。
このプロジェクトでは、空き寺・無住寺の課題を解決するために、寺院施設の活用多角化、文化イベントの開催、地域連携の強化などを推進しています。
参照元:PR-FREE
こうした活用は、空き家・空き寺問題の現実的な解決策として注目されており、日本の仏教文化の発信にもつながります。
宗派や地元との合意形成が必要ですが、時代に合わせた転用は今後ますます重要になるでしょう。
空き寺の活用を模索したものの、なかなかうまく活用法が見つからないときは、買取業者への売却も選択肢の一つです。
アルバリンクは、東京証券取引所の上場企業であり、多数の訳あり物件を取り扱ってきた実績を有しています。
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空き寺を売却することもできる
空き寺の維持が困難な場合、売却という選択肢も現実的な対応策の一つです。
日本全国で空き家と同様に空き寺も増え続けており、収入減少や後継者不足が重なることで、住職や宗派単独での存続が難しくなるケースが多発しています。
そうした中、寺院の資産を有効に活用する手段として、売却は合理的な選択となりつつあります。
ここでは以下の2点を取り上げます。
2つの選択肢について解説します。
維持が難しいなら売却も選択肢の一つ
寺院の運営が困難になった場合、手続きの煩雑さから放置してしまう例が少なくありませんが、早めに売却を検討することは非常に有効です。
仏教的な観点からも、無為に荒廃させるより、別の形で人々の役に立つよう活用することは「縁」を大切にする考え方に通じます。
空き寺の売却には宗教的な抵抗感もあるかもしれませんが、現実的な問題解決の一環として柔軟に考える必要があります。
空き寺売却と一般の不動産売却との違い
空き寺を売却する際は、一般の不動産売却とは異なる注意点がいくつか存在します。
最大の違いは、宗教法人であるという特殊な法的立場と、宗教施設としての利用履歴にあります。
売却にあたっては、宗派本部や協会への届け出や承認が必要な場合があり、手続きが煩雑になることもあります。
また、仏像や位牌など宗教的遺物の扱いや、檀家との関係整理も必要となります。
これらは感情面も含めたデリケートな問題であるため、専門家のフォローを受けながら慎重に進める必要があります。
一方で、空き寺は広い敷地や歴史的価値を持つ建築物が多く、海外投資家や地域活性化を狙う事業者からのニーズも高まっています。
ガイアックスが和歌山県の「楞厳寺(りょうごんじ)」を宿泊施設として運用する際、1株3万円で売り出したところ、1カ月で1000株が完売しました。
購入者の8割が海外投資家であることからも、関心の高さがうかがえます。
参照元:Forbes JAPAN
とくに世界的に日本の仏教文化への関心が高まっている今、適切に活用されれば新たな価値を生む可能性も秘めています。
このように、空き寺の売却は通常の不動産とは異なるプロセスと配慮が必要ですが、それを乗り越えることで、地域と仏教文化の再生につながる選択肢となり得ます。
ただし、空き寺のように一般的な物件と異なる訳あり物件については、取り扱っていない不動産会社も少なくありません。
アルバリンクは全国規模で活動している買取業者であるため、空き寺のような特殊な物件であっても買取できる可能性があります。
空き寺の対処についてお困りの方は遠慮なくご相談ください。
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まとめ
空き寺の増加は、後継者不足や収入減少といった深刻な課題によるもので、放置すれば建物の老朽化や犯罪リスク、近隣からのクレーム、管理コストの増大といった問題を引き起こします。
これらを予防するには、地域活用やイベント開催、定期的なメンテナンスが効果的ですが、それでも維持が難しいケースも少なくありません。
そうした場合の有効な解決策の一つが「売却」です。
ただし、空き寺は宗教法人の財産であるため、一般的な不動産と異なり、会計や法的な手続きが煩雑になりやすいというリスクがあります。
また、宗教施設としての特殊性から、買い手が限られる点にも注意が必要です。
こうしたリスクを避ける方法として、専門の買取業者への依頼が挙げられます。
買取業者であれば、宗教施設特有の事情に精通しており、手続きの代行や用途変更に関するサポートも受けられるため、スムーズかつ安心して売却を進めることができます。
中でもアルバリンクは、空き寺の買取実績が豊富な専門業者です。
これまで多くの空き寺を適切に査定・買取し、新たな活用先を提案してきた実績があります。
空き寺の将来に悩まれている方は、まずはアルバリンクに相談してみてはいかがでしょうか。
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