親に生前整理してほしい人は94.0%

全国の男女500人に「親に生前整理してほしいと思うか」と聞いたところ、「強く思う(53.8%)」「まあ思う(40.2%)」と答えた人が、合わせて94.0%にのぼりました。
生前整理の必要性や重要性が子ども世代に浸透していることがわかります。
子ども世代にとって、生前整理はもはや特別なことではなくなっているのですね。
「周りで困ったという経験談を聞いたことがある」という人もいました。
高齢化の進行やデジタル化などで、ものや情報をどう引き継ぐかが現実的な問題になっていることが背景にあると考えられます。
親に生前整理してほしいもの1位は「銀行口座」

「親に生前整理してほしいもの」の1位は「銀行口座(32.8%)」で、3割以上の人から票を集めました。
2位「家具(26.6%)」、3位「不動産(26.0%)」と答えた人もそれぞれ2割を超えています。
有形無形問わず、さまざまな回答が挙がっています。
無形のものについては「手続きや確認に手間がかかるもの」、有形のものについては「量が多かったり大きかったりして、処分に手間がかかるもの」が多く上がりました。
生前にすべて実際に処分するのではなく、「情報をまとめておいてほしい」「残したいものと処分したいものを、わかるようにしておいてほしい」という声も。
無理のない範囲でいいので、遺族が楽になるように配慮してほしいという意向が感じられました。
1位 銀行口座
- 銀行口座は本人以外手続きが取りにくいものもあり、相続になると書類を揃えるのが大変なため(30代 女性)
- 銀行口座の番号とか書類関係はやっておいてほしい。亡くなったら暗証番号がわからないとかで、手続きが大変だったと聞いたことがあるから(40代 女性)
- 証券や保険や銀行口座は、いろいろ問い合わせるのが面倒(50代 男性)
1位は「銀行口座」です。
具体的には「保有している銀行口座の口座番号や暗証番号をまとめておいてほしい」「使っていない口座は解約してほしい」などが挙がっています。
口座番号は通帳などで確認できますが、暗証番号は本人しか把握していない場合もあります。
また口座数が多いと各銀行で手続きが必要になって大変ですし、遺族が口座の存在すら把握していないと放置されてしまい、凍結される可能性も。
そのため生前整理しておいてほしいと考えている人が多くなりました。
お金という大切な資産を預けている場所なだけに、重要度も高い生前整理のひとつです。
2位 家具
- ベッドなどの大型家具。誰も使わないので処分に困る(30代 女性)
- 処分するときにお金がかかったり、荷物を捨てる作業に時間がかかったりするからです。「使っていないもの」「明らかに不要なもの」から少しずつ進めてほしいと思う(40代 男性)
- 大きな家具など。処分するのに費用が高くなりそうだから(60代以上 女性)
2位は「家具」でした。
タンスやベッドなどの家具は、大きくて重く、処分に手間も費用もかかりがちです。
大きな家具がたくさん残っていて処分に手間取ると、家の片付け全体が遅れてしまい、売却や明け渡しにも影響すると考えられます。
そのため、家具は早めに処分しておいてほしいという人も多くなりました。
もちろん家具は亡くなる直前まで使うものですから、「使っていない家具があるなら」という条件を付けた人も多くなっています。
また不要な家具を処分すると災害時のリスクが減りますし、居住スペースが広くなって快適性も増すメリットがあります。
3位 不動産
- 土地を残されても売るに売れないし、管理も大変だから(20代 女性)
- 死後に兄弟間で揉める原因になりかねないうえに、手間がかかるから(30代 男性)
- 築45年で家屋の老朽化が進んでいる。高齢の母が一人で暮らしているが、亡くなった後の処分を考えると、今処分して同居するか中古マンションを購入して転居してもらったほうが楽(50代 女性)
「不動産」が3位でした。
不動産を生前整理してほしい理由としては「相続の手続きが面倒」「揉め事を招く」「残されても管理できない」などが挙がりました。
土地や家については、相続人同士で意見が分かれやすく、売却や維持の判断で揉める原因になりかねません。
また空き家や土地の管理には手間も費用もかかるため、負担に感じる遺族も多くいます。
そのため「元気なうちに売却して住み替える」「更地にする」「権利関係を整理し、死後の処分方法を決めておく」といった生前整理を求める子ども世代も多いとわかりました。
4位 衣類
- 使用していない小物や洋服類。祖母のときにたくさんあって大変だったから(30代 女性)
- 使用していない衣服。処分をするのに心が痛むから(40代 女性)
- 着物などの着ない服。確実にいらないものとわかっているので、今のうちに処分しておいてほしい(40代 男性)
「衣類」が4位に入りました。
衣類は家具などに比べると小さくて軽いものです。
しかし量が多くなりやすく、整理の負担は想像以上に大きくなります。
また、親が着ていた思い出の服を捨てる場合、子ども世代には精神的な負担がかかるという面も。
実際に祖父母などの遺品整理で衣類の処分に困った経験があり、「親にも生前整理をしておいてほしい」と感じている人もいました。
5位 サブスク
- 親が個人的に契約して楽しんでいるサブスクについては、契約先や金額などがわからないから、自分で処理しておいてほしい(30代 女性)
- サブスクは知るまでの手間と、解約の手間が大変だからです(40代 男性)
- 使わないのに継続されて、後から多額の請求があると嫌だから(50代 男性)
5位は「サブスク」でした。
定期購入や月額制サービスなどのサブスクについても、生前整理を求めている人が多くなりました。
理由としては「ネットで登録が完結していることも多く、把握しきれない」「解約手続きが大変」などがあります。
また商品などが届かず本人しか利用状況を知らないサブスクだと、亡くなった後も遺族が契約に気づかず、料金が発生し続ける恐れも。
「契約中のサービスを一覧にして、IDやパスワードをまとめておく」「使っていないものは解約する」といった対応をしておくと、子ども世代も安心できます。
6位 使わないもの全般
- いらないものすべて。価値がわからないから(30代 女性)
- 家の中にある不要なものすべて、少しずつでもいいから捨ててほしい。とにかくものが多いのに、必要なものを細々購入する親だから、家の中がもので溢れている。災害も怖いし、亡くなったとき後始末をするのは遺族になるから(40代 女性)
- 不要品はできるだけ生前整理してほしいです。処分に時間と費用がかかるから(60代以上 女性)
「使わないもの全般」が6位でした。
服や食器など特定の品目がどうこうというより、家にあるものの多さそのものが負担になっているケースです。
不要品が多い家は片付けに時間がかかりますし、「残すべきなのか、捨てていいのか」をいちいち判断するのも精神的な負担となります。
「今使っていないもの」「今後も使う可能性が低いもの」を基準に、少しずつ処分を進めてほしいと望む子ども世代も多いとわかりました。
7位 写真
- 親の写真を捨てづらいし、取っておくにしても場所を取るので(30代 女性)
- 思い出の品は捨てるのも心苦しいので、自分で整理していてほしいです(40代 女性)
- 本人にしか価値がわからない品物だと思うので、大事なものだけ整理してもらえると助かる(50代 男性)
「写真」が7位に入りました。
写真に代表される思い出の品は、頻繁に使ったり見たりしなくても処分しにくいものですね。
残された家族にとっても、同じです。
しかし量が多いと保管場所にも困り、すべてを残すのは難しいもの。
そのため「処分しづらいので本人が整理しておいてほしい」という声が多くなりました。
生前整理の方法としては、「本当に大切な写真だけを選び、アルバムにまとめ直したりデータ化したりする」などがあります。
8位 食器
- 処分するのが面倒だから(30代 女性)
- 大量にあり、処分に費用がかかるから(40代 女性)
- 親にとっては愛着があり、心情的に処分に困るものでもあり、精神面での価値はあると思います。ただ商品価値は高くない(50代 男性)
8位は「食器」でした。
食器は生活必需品であり、年月とともに「日常使い用」「来客用」など数が増えやすいのも特徴。
陶器やガラスであるため重く、割れると危険なので扱いにも注意が必要です。
また、長く使っている食器や親が好きだった食器などだと、遺族は処分するにあたって心苦しさをともないます。
そのため、生前整理しておいてほしいと考える人も多いのですね。
同率8位 書類
- 分別するだけで膨大な時間がかかりそうだから(30代 女性)
- 仕事関連の書類。処分に手間がかかるから(40代 女性)
- 何が大事で何が不要なのか、本人以外にはわからないものが多いからです。後からまとめて整理すると時間も手間も大きく、間違って必要なものを処分してしまう不安もあるため、元気なうちに整えてほしいと思います(50代 女性)
同率8位は「書類」です。
書類は重要度の判断が難しい遺品のひとつ。
「必要な書類を処分してしまったら怖い」という思いで、なかなか手をつけられないまま大量の書類が残ってしまうことになりかねません。
また本当に重要な書類が埋もれてしまい、見つけてもらえない可能性もあります。
必要な書類や重要な書類が放置されると、必要な手続きが遅れてしまうことも。
「遺族が相続などの手続きで使う書類」と「不要な書類」を分け、わかりやすくしておくことが重要です。
10位 雑貨
- 価値がわからないし、捨てるにはなんだか惜しい。売りに行くにも小さく種類が多いため、小分けにするのがまず面倒(20代 女性)
- 価値がわからないですし、量が多く、どこから手をつけていいかわからないので(30代 女性)
- 数が多く、第三者視点で要不要の判断もつきにくいものが多いため、早めに処分してほしい(40代 男性)
「雑貨」が10位でした。
ひとつは小さくても、種類や量が多いと、処分は大変です。
またアクセサリーや趣味のコレクションは、素材やレア度などがわからないと、価値の判断もできません。
整理の際は、「思い入れがあって残してほしいもの」「価値があるから残しておいたほうがいいもの」などを明示しておくことをおすすめします。
親が生前整理しないと困ることは「時間がかかる」

「親が生前整理しないと困ること」の圧倒的1位は「時間がかかる(56.8%)」でした。
以下、2位「手間がかかる(25.8%)」、3位「費用がかかる(15.8%)」、4位「どう処理すべきかわからない(6.4%)」、5位「遺族間で揉める(4.2%)」結果となっています。
時間・手間・費用など、残された家族にのしかかる現実的な負担が上位に入っています。
「本人なら簡単に処理できるが、本人以外だと面倒な作業が増える」という声も。
生前整理がされていないことで、負担が増加するのではと危惧されています。
1位 時間がかかる
- 遺品整理に時間がかかる、各種手続きに時間がかかる(20代 女性)
- 実家を売却するのに時間がかかる(30代 女性)
- 残されたものがやると、調べるのに時間がやたらとかかるため(50代 男性)
1位は「時間がかかる」です。
生前整理がされていないと、生前整理されている場合に比べて、残された家族が「片付け」や「手続き」にかける時間は長くなりがちです。
例えばものが整理されていないと、整理する遺品が多くなって片付けに時間がかかります。
また銀行口座やサブスクの情報がまとめられていないと、口座や契約状況を調べるのに時間がかかってしまいます。
結果として「実家を売却するのにも時間がかかる」「死後の処理全体に時間がかかる」という状況になってしまうのですね。
2位 手間がかかる
- どこにどんな契約があるのかわからないのと、契約を解除するのにものすごい手間がかかることです(30代 男性)
- 遠方に住んでいるため、遺品整理の際、実家に何度も足を運ぶ必要があること(40代 女性)
- やはり遺品の整理です。ひとつずつ時間をかけて確認するのは、とても大変な作業だと思います(60代以上 男性)
2位は「手間がかかる」でした。
残されている遺品が多いほど、遺品整理には手間がかかります。
ひとつずつ中身を確認し、必要なものを仕分けし、処分方法を決める作業のはかなりの負担です。
また遠方に住んでいる人にとっては、実家までの移動自体も負担になり、心身共に疲弊してしまうことも。
「サブスク」「保険」「銀行口座」に関する手続きについても、生前整理で情報がまとめられていないと情報を探す手間が発生して負担が大きくなりますし、手続きする数が多いのも大変です。
3位 費用がかかる
- 管理コストが発生する(20代 男性)
- 遺品整理にとても費用がかかる(40代 女性)
- とにかく費用がない。親がしていなかった登記関係の費用がかかってくるし、家をあちこち増築しているので維持費用もかかる(50代 女性)
「費用がかかる」が3位でした。
具体的に挙げられた費用としては「遺品を処分するための費用」「残された不動産の管理費用」などがあります。
例えば大きな家具などがたくさん残っていると、家族だけでは処分が難しく、業者に処分を依頼するなどして費用がかかります。
また不動産を相続すると、固定資産税や修繕費・解体費などがかかりますね。
費用を抑えるためには、不要なものを少しずつ減らし、大きな資産や住まいについては早めに家族で方針を共有しておくことが大切です。
4位 どう処理すべきかわからない
- いざとなると遺品を捨てることに踏ん切りがつかなくて、困ることもあると思います(30代 男性)
- 価値のわからないものがあったり「後々必要になったらどうしよう」という不安があったりして、処分していいのかわからない。判断できないまま整理できずにいる(30代 女性)
- 残すものかどうかの選別が難しい(40代 女性)
「どう処理すべきかわからない」が4位に入りました。
生前整理されていないことで、遺族に「どう処理すべきかわからない」という悩みも発生することがわかりました。
遺族には価値や必要性が判断できない遺品も多く、「捨てて後悔しないか」「あとで必要になるのでは」と不安になり、整理が進まなくなるからです。
親の死について気持ちの整理ができていない時期には、判断そのものがとても辛い作業になることも考えられます。
遺族の精神的な負担を減らすためには、生前に「大切で、残しておいてほしいもの」と「処分してほしいもの」を本人が整理しておく必要があります。
5位 遺族間で揉める
- 親がしないと兄弟や姉妹で「誰がするか」とトラブルになり、仲が悪くなってずるずると引きずるので、生前整理をしてほしい(30代 女性)
- 兄弟間で実家の権利関係をめぐって揉める可能性がある(40代 男性)
- 兄弟間でトラブルが発生すること。ケースによっては両親他界後の相続問題が長期間に及び、家族の輪が崩れる可能性がある(50代 男性)
5位は「遺族間で揉める」でした。
生前整理がされていないと、「実家の片付けを誰が担うのか」「片付けにかかる費用を遺族間でどう分担するのか」といった話し合いになります。
また「単純に分けるのが難しい不動産や貴重品をどう扱うのか」も話し合いのポイント。
そして兄弟姉妹の「経済状況・生活状況」「考え方の違い」によっては、遺品整理や相続が感情的な対立につながることも考えられます。
親ができることとしては「子どもの実務的な負担を減らす」「子どもたちが判断に迷わないように、方針を伝える」などが考えられます。
まとめ
親の生前整理は、家族に負担を残さないための大切な準備であるとともに、親自身が残りの人生を快適に暮らすための準備でもあります。
そのため、多くの子ども世代が親に生前してほしいと考えていました。
やっておいてほしい生前整理の中身については、「金融関係など遺族では手続きが複雑なもの」「量が多く整理に時間や費用がかかるもの」などが多く挙げられています。
混乱や手間を少しでも減らしたいという意識が読み取れます。
また「生きているうちにものを減らさなくても、方針や情報だけまとめておいてくれたらいい」という声も。
家族ごとに理想の生前整理や求められる生前整理は違います。
親子で「お互いが何を望んでいるか」や「どこまでできるか」を話し合いながら、無理のない範囲で少しずつ進めることをおすすめします。





