古民家の売却が難しいといわれる3つの理由
古民家の売却が一般的な不動産と比べて難しいといわれる理由として、以下の3つが挙げられます。
歴史ある貴重な古民家でも、買い手が見つかりにくく、売却活動が長引くケースも少なくありません。
理由を把握しておくと、適切な対処がしやすくなります。ぜひ参考にしてください。
建物の資産価値が低く、売却額が相場より安くなる
築年数が経過した古民家は、建物の資産価値がほぼゼロとみなされることが一般的です。
国税庁によると木造住宅の法定耐用年数は22年とされており、22年を超えた建物は価値がないと判断されやすくなります。不動産の査定額も、土地の価値のみの評価で決まるケースが珍しくありません。
また、古民家は特殊な建築様式や素材を用いているため、現代の住宅市場ではニーズが限定されがちです。
リノベーションを前提に物件を探している購入希望者もいますが、改修費用が高額になりやすいため、手が出しにくいという課題もあります。
古民家の売却を成功させるためには、土地の価値を重視した価格設定や、リノベーション可能であることを伝えることも必要です。
思い入れのある古民家を後世に残すためにも、建物を残せるよう魅力を丁寧に伝えるようにしましょう。
耐震性に不安がある
古民家は築年数が古く、現行の耐震基準(1981年6月以降に施行された「新耐震基準」)を満たしていない物件も多いため、地震への耐性に不安があると購入を避ける人も珍しくありません。
特に1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅は「旧耐震基準」に基づいており、震度6強〜7の大規模地震では倒壊する可能性が高いとされています。
下表は、旧耐震基準と新耐震基準を比較した一覧表です。
項目 | 旧耐震基準 | 新耐震基準 |
---|---|---|
想定する地震の強さ | 震度5程度に耐えられる | 震度6強〜7でも倒壊しないことを想定 |
耐震設計の考え方 | 建物の崩壊を「ある程度防ぐ」 | 建物の倒壊を「原則防ぐ」 |
柱・壁・基礎の規定 | 特に規定なし | 耐力壁の配置や接合部の補強など細かく規定 |
必要な確認・検査体制 | 任意対応 | 建築確認申請での適合義務あり |
新耐震基準では、より大規模な地震に耐えうる構造が求められており、旧耐震基準よりも安心感があります。
これが、旧耐震基準の建物は「倒壊リスクが高い」と見なされ、売却時の価格が下がったり、買い手が付きにくくなったりする要因です。
耐震基準について買い手側の不安を軽減するために「耐震診断」を受けるのもおすすめの解決策です。
耐震診断に基づいて必要に応じて補強工事を実施すれば、売却の可能性を高められます。
自治体によっては、耐震補強工事に対する補助金制度もあるため、事前に確認してみましょう。
住宅ローンが利用しにくい
買い手側が古民家を購入する際に住宅ローンを利用しにくいという点も、売却が難しい理由の一つです。
銀行をはじめとする金融機関は、担保価値が低い物件に対して融資を渋る傾向があります。
特に築50年以上の木造住宅は、建物の価値がないと判断されるケースが多く、ローン審査に通りにくいのが現状です。
ローンが組めないと買い手は現金一括払いを求められるため、購入できる人が限られてしまうというデメリットがあります。
そのため、なかなか買い手が見つからない場合には、築古物件の取り扱いに慣れた不動産買取業者の利用がおすすめです。
古民家の活用ノウハウや、再販・再建築の知識を持っている不動産買取業者も多く、一般の不動産会社では売却できない物件でも、買い取ってくれる可能性があります。
弊社アルバリンクでも、築古物件の買取を取り扱っており、実績も豊富です。査定料は無料で、全国の古民家に対応しております。
古民家がなかなか売れずに悩んでいるなら、まずはお気軽にご相談ください。
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古民家を売る5つの方法|後世に残せる売却方法も紹介
古民家の売却方法として、主に次の5つ選択肢が挙げられます。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、状況や目的に応じて適切な方法を選びましょう。
もし歴史ある古民家を後世に引き継ぎたい場合には、「そのまま売る」「リフォームして売る」「空き家バンクを利用する」「不動産会社に買い取ってもらう」方法が特におすすめです。
そのまま売る
古民家を売る最もシンプルな方法は、現状のままでの売却です。
特に古民家の魅力を活かしたいと考える買主や、リノベーション目的で物件を探している人にとっては、現状販売が好まれます。
また、売主側にとっては、解体やリフォームなどの費用負担がなく、手間をかけずに売却できる点もメリットです。古民家を残したいと考える売主にとって、最善の手段といえるでしょう。
しかし、築年数が古く耐震性に不安がある物件や、老朽化が進んでいる場合は、買い手がつきにくくなる可能性があります。
売却活動をスムーズに進めるためには、事前に物件の状態を把握し、耐震診断やインスペクション(住宅診断)を受けると、買主に安心感を与えやすくなります。
リフォームして売る
古民家の魅力を最大限に活かし、資産価値を向上させる方法として、リフォームを行ってから売却する選択肢もあります。
リフォームであれば古民家ならではの趣のあるデザインを残しながら、現代の住宅設備を取り入れられるため、古民家が購入希望者にとってより魅力的な物件となり得ます。
物件の価値を高めるられるため、売却価格も上げられるでしょう。
また、耐震補強や設備の更新を行えば、買い手が住宅ローンを利用しやすくなり、購入のハードルも下がりやすくなります。
一方で、リフォームに多額の費用がかかる点には注意が必要です。投資額(リフォーム代)と売却価格のバランスを考慮する必要があります。
大規模なリフォームを行う場合は、500万円以上の費用がかかる場合も珍しくありません。
どの程度のリフォームが必要なのか、事前に不動産会社や専門業者と相談し、売却時の価格設定を慎重に決めましょう。
「空き家リフォーム」の補助金制度を利用できるケースもあるため、活用できる自治体の支援制度の確認してみてください。
なお、リフォームの費用や相場については、次の記事で紹介しています。

空き家バンクを利用する
古民家の売却方法の一つとして、空き家バンクの活用が挙げられます。
空き家バンクとは、各自治体が運営する空き家の情報登録制度のひとつ。売却や賃貸を希望する空き家情報を公開し、買主や借主とのマッチングを支援する仕組みです。
特に地方の古民家では、空き家バンクを通じて「地域に根ざした住まい探し」をする買主と出会える可能性があります。地元への移住希望者や、古民家再生に関心を持つ個人・団体からの問い合わせも見込めるでしょう。
ただし、利用には事前登録や市町村職員との面談、建物情報の提出など一定の手続きが必要です。
価格の設定や売却の可否には自治体のガイドラインがあるため、一般的な不動産取引と異なる進め方になる場合があります。
成約までに時間を要するケースもあるため、急いで現金化したい場合は慎重な検討が必要です。
しかし、古民家の有効活用や地域の活性化に貢献したいと考えているなら、非常に有意義な選択肢といえるでしょう。
更地にして売る
古民家を売却しやすくするために、建物を解体して更地として売る方法もあります。
特に土地の価値が高いエリアでは、更地にすると需要が増し、早期売却につながる可能性が高まります。
また老朽化が進んでいる物件は、更地にした方がスムーズに売却できるでしょう。
一方で、歴史的価値や伝統的な建築様式を大切にしたい場合、古民家を後世に引き継げなくなる点に注意が必要です。歴史が感じられたり建物自体に貴重な素材や技術が使われていたりする場合には、後悔しないような解体方法を検討する必要があるでしょう。
たとえば、ただ解体するのではなく、梁・柱などの品質の良い「古材」を取り出し、リユース可能な形で再活用できる「循環型解体」も有効な選択肢です。
古材はインテリアや新築の構造材として高い価値があり、環境負荷を軽減するSDGs的な観点でも注目されています。
ただし、解体には高額な費用が発生する点は、デメリットとして把握しておく必要があるでしょう。
一般的に、木造住宅の解体費用は30万円~100万円程度、場合によっては200万円以上になることも珍しくありません。
解体後の土地の活用方法(駐車場、貸地、家庭菜園など)を視野に入れたうえで、解体するかの検討が必要です。
空き家解体費用については補助金制度を活用できる自治体もあるため、売却前に確認しておきましょう。
なお、空き家に関する補助金は以下の記事でも紹介しています。

不動産会社に買い取ってもらう
「早く売りたい」「手間をかけずに売却したい」という場合は、不動産会社に買い取ってもらう方法が有効です。
買取の場合、買い手を探す必要がなく、仲介よりも短期間で売却が完了するメリットがあります。
また、現状のままで買取を行ってくれる業者も多いため、リフォームや解体の必要がなく、売主の負担が少なく済みます。
一方で、仲介の売却より買取価格が低くなりやすい点に注意しましょう。
買取額は、市場価格の70~80%程度が一般的です。時間や手間をかけずに売却できる点は大きな魅力ですが、できる限り高額で売却したい人には向いません。
しかし、相続した古民家を早期に処分したい場合や、維持管理の負担を減らしたい場合には適した方法といえます。
買取を検討する際は、実績ある「空き家買取」を専門に扱う不動産会社への相談がおすすめです。相場を把握し適正価格で売却できるよう、複数の業者に査定依頼をしましょう。
なお、弊社アルバリンクは古民家の買取にも対応している、不動産買取業者です。築年数が経っている物件の買取実績も豊富にあります。
全国対応で査定料は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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古民家の売却前にやるべき6つの準備
古民家をスムーズに売却するためには、事前準備が欠かせません。
ここでは、売却前にやるべき6つの準備を解説します。
家の中を空にする
売却前に家財道具を整理し、不要なものは処分しましょう。
家具や荷物が残っていると買い手がイメージしにくく、売却の妨げになります。
時間がない場合は、不用品回収業者の利用がおすすめです。時間が取れる場合は活用できるものを選定し、リサイクルショップやフリマサイトで売却しておくと、手元に資金を確保しやすくなります。
また、空き家として放置している場合は、害虫やカビの発生を防ぐため、清掃や換気を定期的に行いましょう。
建物の状態をチェックする
古民家は築年数が古いため、建物の劣化や耐震性を事前に確認し、必要なら修繕を行いましょう。
主なチェック項目は、以下のとおりです。
- 耐震診断(旧耐震基準の建物は診断を推奨)
- シロアリ被害(専門業者の点検が有効)
- 雨漏り・屋根の状態(劣化や破損がないか確認)
- 給排水設備の点検(長期間未使用だと劣化の可能性あり)
問題点を洗い出して修繕やリフォームをしておくと、売却価格アップにつながる可能性もあります。
また、インスペクション(住宅診断)を実施しておくと買主に安心感を与えられるため、売却がスムーズになるでしょう。
境界を明確にする
古民家を売却する際には、必ず土地の境界を明確にしておきましょう。
売主と買主の間で「ここまでが敷地だと思っていた」という認識のズレがあると、契約後にトラブルへ発展する可能性があります。
特に昔の登記簿では境界が曖昧なケースも多く、隣接地との境界線が不明確なまま放置されているケースも珍しくありません。
境界が不明瞭な状態では、売買契約時に買主から敬遠される恐れもあります。
土地の境界を正確に確認するには、測量士による「確定測量」を実施するのが一般的です。費用は数十万円程度かかりますが、売却後のトラブル予防策として役立ちます。
確定測量を行えば、隣接地の所有者との立ち会いも行われ、境界杭の設置や境界確認書の作成も可能です。
将来的に買主がリフォームや再建築を行う際にも安心材料となるため、売却をする際には境界の明確にしておきましょう。
瑕疵がないか確認する
古民家を売却する前に、建物や土地に「瑕疵(かし)」がないか確認しましょう。
瑕疵とは、買主が一般的に期待する性能・状態を欠いた不具合や欠陥のことを指します。
瑕疵には大きく、雨漏りやシロアリ被害などの物理的瑕疵、周辺に嫌悪施設がある環境的瑕疵、再建築不可物件をはじめとする法的瑕疵、心理的瑕疵の4種類がありますが、
心理的瑕疵とは、事件や事故が発生したり、他殺や自殺などが発生したりした過去がある物件を指します。瑕疵がある物件を売却する際、売主には「告知義務」が生じます。告知を怠ると、売却後に損害賠償請求や契約解除を求められる可能性があるため、注意が必要です。
特に心理的瑕疵は、物理的瑕疵のように修復できるものではなく、告知義務にも時効がありません。
信頼性を確保し、スムーズな取引を進めるためにも、瑕疵の有無は早い段階で確認しておきましょう。
売却相場を調べる
相場より高すぎると売れにくく、低すぎると損をするため、古民家を売却する際には適正な価格設定をする必要があります。
相場を調べる方法として、複数の業者に査定依頼をし、結果を比較するのがおすすめです。
適正価格を把握することで売却戦略を立てやすくなり、スムーズな売却につながります。
売却方法によっても価格が異なるため「そのまま売る」「更地にする」「リフォームして売る」など、複数の選択肢を検討しましょう。
弊社アルバリンクは、売却しづらい物件の豊富な買取実績を活かし、空き家などの物件に適正な査定金額をご提示いたします。
相談・査定は弊社の無料サービスの一環なので、弊社に売却する前提でなくてもお気軽にご利用ください。
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利用できる補助金がないか調べる
古民家の売却には、費用や税金がかかります。費用負担を軽減するために、活用可能な補助金や助成金制度の有無を調べておきましょう。
多くの自治体では空き家対策の一環として、解体・撤去費用、耐震補強、リフォーム工事などに対する補助制度を設けています。
下表は、自治体が実施している空き家対策の補助金制度例です。
補助金制度例 | 補助金額 |
---|---|
東京都:空き家の家財整理・解体促進事業 |
|
大阪市:空家利活用改修補助制度 |
|
名古屋市:木造住宅耐震改修助成 |
|
このように、古民家を解体して更地として売却する場合、数十万円規模の補助が出る自治体も少なくありません。
また、地域によっては空き家バンク登録物件に対し、改修費用を支援する制度や、移住者向けの購入補助も整備されています。
補助金を適切に活用できれば、古民家の価値を高めたうえでの売却が実現しやすくなります。
補助制度は自治体ごとに条件が異なるため、まずは古民家がある市区町村役場や公式ホームページで詳細を確認しましょう。
古民家売却にかかる主な5つの費用・税金
古民家を売却する際には、主に次のような費用や税金がかかります。
売却益が得られても、費用や税金を差し引いた金額が実際の手取り額となるため、事前に全体像を把握しておく必要があります。
特に古民家は築年数が古く、リフォームや解体といった費用が発生しやすいため、通常の不動産売買に比べて費用負担が増える可能性に注意が必要です。
そこでここでは、主な費用と税金について詳しく解説します。
仲介手数料
不動産会社を通じて古民家を売却する場合、成功報酬として仲介手数料が発生します。
手数料は法律で上限が定められており、一般的には次の速算式で算出可能です。
(売却価格×3%+6万円)+消費税
たとえば古民家が1,000万円で売却できた場合の計算式は「(1,000万円×3%+6万円)+3.6万円=39万6,000円」となります。
ただし、売却額が800万円以下の「低廉な空き家等」の場合は、特例が適用される点に注意が必要です。
低廉な空き家に該当する場合、仲介業者は物件の使用状態を問わず、原則を超えて最大33万円(税込)まで仲介手数料を受領できます。
2024年6月30日以前であれば、400万円の物件の仲介手数料は上限198,000円(税込)でした。しかし特例の適用により、仲介手数料の負担が13万円ほど増える可能性があります。
なお、仲介手数料は売買契約成立後に発生し、売却価格に対する割合で計算されるため、原則として売却額が高くなるほど手数料も増加する点にも注意が必要です。
不動産会社によっては仲介手数料の交渉に応じてくれる場合もあるため、事前に複数社から見積もりを取っておきましょう。
なお、低廉な空き家についての詳細は、次の記事を参考にしてください。

解体・撤去・リフォーム費用
古民家をそのままの状態で売却するのが難しい場合、建物を解体して更地にするか、リフォームして価値を高める選択肢があります。
解体費用は延床面積によって総額が大きく変わりますが、木造住宅で1坪あたり3~5万円程度が一般的です。
老朽化が進んだ建物では、安全の観点からも解体が必要になる可能性があるので、まずは解体が必要か確認しておくとよいでしょう。
リフォームを行えば住宅としての魅力が向上し、高値で売却できる可能性もありますが、費用は数百万円規模になるケースも少なくありません。
解体とリフォーム、どちらが費用対効果に優れているかを見極める必要もあります。
リフォームや解体、撤去費用はすべて自己負担となるため、負担を抑えるためにも事前に自治体の補助金や助成金制度を調べておくとよいでしょう。
測量費用
古民家売却のトラブルを避けるために、土地の境界を正確に示す「測量」が必要になる場合があります。
隣地との境界が不明確な場合や、買主から確定測量図の提示を求められた際には、専門家による「確定測量」を行いましょう。
測量には「現況測量」と「確定測量」の2種類があり、費用は現況測量で10~20万円、確定測量では30万円以上が一般的です。
確定測量をしておけば、隣接地の所有者との立い会いや境界確認書の作成が行われるため、売却後のトラブル回避につながります。
ただし、土地の形状や周囲の環境、隣地所有者の数によって費用や期間が大きく変動する点には注意しましょう。
登記費用
古民家の売却時に必要な登記手続きとして、主に「所有権移転登記」と「抵当権抹消登記」があります。
所有権移転登記は買主が行うものですが、登記簿上の所有者と実際の売主が異なる場合は、相続登記や名義変更が必要です。
また、過去に住宅ローンなどで設定された抵当権が残っている場合は「抵当権抹消登記」も行わなければなりません。
各登記にかかる費用は、登録免許税や司法書士のような専門家への報酬を含め、数万円から十数万円程度が相場です。ただしケースによって異なるため、専門家への事前確認が必要です。
相続登記が済んでいないと売却自体ができないため、事前に登記状況を確認し、必要な手続きは早めに進めておきましょう。
なお相続登記についての詳細は、次の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。

譲渡所得税
古民家を売却して利益(譲渡益)が出た場合、譲渡所得税が課される可能性があります。
譲渡所得とは「売却価格」から「取得費」「譲渡費用」を差し引いた金額のこと。利益が出た「譲渡所得」に対して「譲渡所得税」が課税されます。
一般に譲渡所得の計算式は、次のとおりです。
取得費には土地・建物の購入代金や購入時の仲介手数料などが含まれ、譲渡費用には測量費、仲介手数料、登記費用などが該当します。
譲渡所得に対して、所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得として課税されます。
譲渡所得税とは所得税・復興税特別所得税・住民税の3種類から成っており、短期譲渡所得と長期譲渡所得の税率は下表のとおりです。
所得税 | 復興特別 所得税 |
住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 (空き家の所有期間が5年以下) |
30% | 0.63% | 9% | 39.63% |
長期譲渡所得 (空き家の所有期間が5年超) |
15% | 0.315% | 5% | 20.315% |
長期譲渡所得のほうが税率が低いため、古民家の所有期間が長い場合には、課税面での優遇されているといえます。
ただし、課税額は売却額や取得額、適用可能な特例などによっても左右されるため、売却前にどの程度の譲渡所得税がかかるか、専門家に確認しておくとよいでしょう。
譲渡所得税の負担を減らせる3つの特例
譲渡所得税は売却額によって高額になる可能性がありますが、一定の条件を満たせば「特例」により課税額を抑えられる可能性があります。
譲渡所得税の負担を軽減できる特例として、代表的なものは下表の3つです。
特例の概要 | |
---|---|
相続空き家の 3,000万円特別控除 |
相続した古民家を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円を控除 |
居住用財産の 3,000万円特別控除 (マイホーム特例) |
自身が住んでいた住宅の売却時に、最大3,000万円控除 |
長期譲渡所得の軽減税率 | 所有期間が10年超の住宅について、税率が14%程度まで軽減 |
参照元:国税庁HP「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
参照元:国税庁HP「No.3314 過去に居住していたマイホームを売ったとき」
参照元:国税庁HP「No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例」
特例を利用するには、それぞれの適用条件を満たすだけでなく、確定申告時に必要書類を添付する必要があります。
特例を正しく活用すれば、手元に残る資金を大きく増やせるので、税務署や専門家に相談しながら、早めに準備を進めましょう。
古民家の売却の流れ
買取の流れを事前に把握しておくと、古民家をスムーズに売却しやすくなります。
一般的な古民家売却の流れは、下表のとおりです。
ステップ | 内容 | ポイント |
---|---|---|
1. 買取業者を選ぶ | 古い家の買取を得意とする不動産会社や専門業者を探す。 | ・買取実績のある業者を選ぶ ・口コミや評判をチェック ・空き家バンクの活用も検討 |
2. 査定を依頼する | 机上査定または訪問査定を行い、買取価格を確認する。 | ・複数社に査定を依頼し相場を把握 ・訪問査定で詳細な価格を確認 |
3. 買取価格の提示と交渉をする | 業者から査定結果を受け取り、条件の交渉を行う。 | ・査定の根拠を確認 ・他社との比較を行い適正価格を判断 ・リフォームや解体費用の負担について話し合う |
4. 売買契約を締結する | 契約内容を確認し、売買契約を結ぶ。 | ・必要書類(登記済権利証・固定資産税通知書など)を準備 ・契約条件をしっかりチェック |
5. 引き渡しと代金の受け取りをする | 物件の引き渡しを行い、代金を受け取る。 | ・家財道具の撤去が必要か確認 ・解体費用の負担を明確にする ・瑕疵担保責任(契約不適合責任)が免責されているか確認 |
上表の流れとポイントを参考にしながら、古い家の買取手続きを進めましょう。
売却手順の詳細については、以下の記事もぜひご参照ください。

古民家の売却はアルバリンクへご相談ください
古民家の売却は、資産価値の低下や住宅ローンの問題により買い手が見つかりにくく、売却活動が難航することも少なくありません。
しかし、古民家の買取実績が豊富な不動産買取業者なら、最短即日で現金化できる可能性があります。
弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、日本全国の空き家などの売却しづらい物件を積極的に買い取っている不動産買取業者です。
築古物件や立地が良くない物件に関しても、活用ノウハウを豊富に持ち合わせているため、適正な金額をつけて買い取れます。
実際に、廃墟化した空き家の買取も過去におこなっており、フジテレビの「イット」をはじめ、多くのメディアに特集されています。
空き家などでお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
弊社スタッフが、あなたのお悩みを解決できるよう、全力でサポートさせていただきます。
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アルバリンクついて詳しく知りたい方は、アルバリンクの評判で口コミや評判・買取実績などについて詳しく説明していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
古民家売却のよくある質問5選(FAQ)
古民家の売却に関するよくある質問を5つピックアップしました。売却後の後悔を防ぐためにも、不安や不明点はなるべく解消しておきましょう。
田舎にある古民家でも売れる?
田舎の古民家も売却は可能ですが、都市部より時間がかかるケースも珍しくありません。
ただし、近年では移住希望者や古民家再生を考える買い手も増加傾向にあります。空き家バンクや自治体の支援制度を活用すれば、売却できる可能性も十分にあります。
なお、田舎の不動産は需要が限られるため、適正価格の設定や販売戦略が重要です。
地域の不動産会社や買取業者に相談し、売却プランを立てるとスムーズに進められるでしょう。
田舎の空き家売却についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

築100年以上の古民家でも売却できる?
築100年以上の古民家も売却は可能です。ただし、老朽化や耐震性の問題があるため、買い手が限られる点に注意しましょう。
特に築年数が長い物件は住宅ローンが利用しにくく、現金で一括購入できるような買い手を探す必要があります。
リノベーションを前提とした売却や、歴史的価値を活かした活用方法をアピールすると、興味を持つ買い手を見つけやすくなるのでおすすめです。
また、インスペクション(住宅診断)を行い、建物の状態を明確にすると、買主の不安を軽減できます。
老朽化した物件の売却についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

売却以外に古民家を活用する方法はある?
古民家は売却以外にも、賃貸物件や民泊、店舗、コミュニティスペースなどの活用が可能です。
特に古民家カフェや宿泊施設は、地域の観光資源として価値を高める例が多く見られます。
活用には耐震補強や改修費用が必要になる場合があるため、補助金制度の利用も検討しましょう。
古民家を放置するとどんなリスクや危険性がある?
古民家を長期間放置すると老朽化が進み、倒壊や屋根材の落下などによる近隣被害の危険があります。不法侵入や放火など、犯罪の温床となる可能性も高まるため、注意が必要です。
長期間の放置により「特定空き家」に認定されると固定資産税の軽減措置が外れ、税負担が増えるリスクもあります。
維持費や固定資産税もかかり続けるため、放置せずになるべく早く手放せるように行動しましょう。
古民家を売却するなら、買取と仲介、どちらがよい?
買取は不動産会社が直接購入するため、短期間で現金化でき、契約後のトラブルも少ない反面、価格は低くなりがちです。仲介は時間がかかりますが、市場価格に近い金額で売れる可能性があります。
安くてもスピーディに手放したいなら買取、時間がかかってもできる限り高額で売却したいなら仲介がおすすめです。売却の目的や期限に合わせて選択しましょう。
まとめ
今回は、古民家を売りたい人に向け、売却が難しい理由と後世に残せる具体的な売却方法などを解説しました。
古民家は、資産価値の低さや耐震性の問題、住宅ローンの利用制限などの課題があり、売却しにくい可能性があります。
売却をスムーズに進めるためには、インスペクション(住宅診断)を依頼して建物の状態を確認し、適正価格を把握しましょう。
「古民家を売りたい」とお考えの方は、まず査定を依頼し、自分に合った売却方法を検討してみてください。
なお、弊社アルバリンクでは、全国にある古民家の買取サービスを提供しています。
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