親族間の不動産売買の適正価格が相場の80%とされる理由
親族間で不動産を売買する場合、その適正価格は一般的に「市場相場の80%以上」が安全な目安とされています。
なぜなら、完全に他人同士の取引と違い、親族間では多少の融通を利かせるのが自然だと考えられているためです。しかし、あまりにも安すぎると税務署から「贈与税逃れ」を疑われてしまいます。
「市場相場の80%以上」という基準は、過去の裁判例が根拠になっています。
実際に、市場価格の約80%(路線価ベース)で行われた親族間売買について、税務署は「著しく低い価格だ」として贈与税を課そうとしましたが、最終的に裁判所は納税者側の主張を認めました。
参照元:相続税法第7条及び第9条の適用範囲に関する一考察|国税庁
この判例から、「市場価格の80%程度であれば、税務署から『著しく低い』と指摘されるリスクは低いだろう」という考え方が一つの目安として広まっています。
ただし、これは法律で明確に定められた数字ではなく、あくまで過去のケースから導き出された安全ラインです。個別の事情によっては80%でも否認される可能性はゼロではないため、注意が必要です。
親族間の不動産売買の「みなし贈与」とは?
親族間売買で最も注意すべきなのが、「みなし贈与」で、「売買」という形をとっていても、実質的には「贈与」と同じだと判断されてしまうことを指します。
親族間の売買で価格が著しく低いと「みなし贈与」とみなされる

例えば、あなたが定価50万円の新品のパソコンを、子供に1万円で「売った」とします。これは誰が見ても、ただの売買ではなく「ほとんどプレゼントしてあげた」ように見えますよね。
不動産も同じで、市場価格からかけ離れた安い金額で親族に売却すると、税務署は「これは売買に見せかけた贈与だ」と判断します。これが「みなし贈与」です。
参照元:No.4423 著しく低い価額で財産を譲り受けたとき|国税庁
相場の売買価格との差額分が「みなし贈与」として課税の対象に
みなし贈与と判断された場合、市場価格(時価)と実際に支払われた売買価格との「差額」が贈与税の対象となります。
【みなし贈与の計算例】
- 市場価格(時価):5,000万円の土地
- 親族への売買価格:1,000万円
上記の場合、差額の4,000万円(5,000万円 – 1,000万円)が、親から子への贈与とみなされ、買主である子供に高額な贈与税が課せられる可能性があります。
親族間売買で「みなし贈与」の判例
東京地裁平成19年8月23日判決
親族間における土地の売買について、本件売買における対価は相続税評価額によっていることから、その対価は相続税法第7条の「著しく低い価額の対価」に該当しないと判示し、負担付贈与通達の適用を否定した事例
上記の判例では、市場価格の80%程度とされる相続税評価額(路線価ベース)での親族間における土地の売買は「著しく低い価額の対価」に該当しないとされ、「みなし贈与」としてみなされませんでした。
上記の判例が根拠となり、「みなし贈与」とみなされない目安は市場価格の80%以上と言われるようになりました。
法律で「時価の〇%未満はNG」と明確に定められているわけではありませんが、税務署は過去の事例を基に判断します。そのため、少なくとも市場価格の80%を大きく下回るような価格設定は、みなし贈与と判断される可能性が非常に高いと考えておくべきです。
価格の妥当性に少しでも不安がある場合は、専門家の客観的な視点を取り入れることが、後のトラブルを避ける一番の近道です。
不動産の「親族間売買」とは?
親族間売買とは、親子・兄弟姉妹・祖父母と孫などの親族同士で不動産を売買することです。
参照元:司法書士法人さくら事務所
親族間であっても、売買契約書の作成や登記など、通常の不動産売買と同様の手続きが必要です。
こうした手続きを自分たちだけで行うのは、思った以上に手間やリスクが伴います。
将来使う予定がなければ、第三者への売却も一つの方法です。
不動産買取なら、手間をかけずに現金化できるため、あなたの状況に応じて柔軟に対応できる可能性があります。
弊社アルバリンクは、空き家などの売却しづらい物件を専門に買い取っている買取業者です。
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親族とみなされる範囲や、親族間売買でよくあるケースについて見ていきましょう。
不動産の親族間売買で「親族」とみなされる範囲
不動産売買において「親族」とみなされる範囲は、民法で定められています。
具体的には、「親族」は配偶者、6親等内の血族(自分の血の繋がった親戚)、および3親等内の姻族(配偶者の血の繋がった親戚)を指します。
参照元:民法725条|e-Gov法令検索
親族間では贈与を疑われやすく、思わぬ課税やトラブルに発展するおそれがあります。
不動産の親族間売買が行われる5つのケース
親族間売買は、以下の5つの例のように、特定の目的をもって行われることがよくあります。
子供の家を買い取って住宅ローンを肩代わりしてあげたい
子供が経済的な事情で住宅ローンの返済に困っている場合に、親がその家を買い取り、ローンを完済させてあげるケースです。子供を助けたいという親心から行われます。
相続対策で子供に自宅を安い金額で売却しておきたい
将来の相続発生時に、不動産が原因で兄弟が揉めるのを避けるため、生前のうちに特定の子供に自宅を売却しておくケースです。「贈与」にすると高額な贈与税がかかるため、「売買」という形を選びます。
相続対策で子供へ賃貸物件を売却し賃貸収入も子供へ移しておきたい
親が所有するアパートやマンションなどの収益物件を子供に売却するケースです。これにより、家賃収入が子供に移り、親の相続財産が増え続けるのを防ぐ効果(相続税対策)が期待できます。
相続した不動産を親族間で売買し取得費加算の適用を受けたい
相続した不動産を一定期間内に売却すると、支払った相続税の一部を売却時の経費(取得費)に加算できる特例があります。この特例を使いたいが、不動産を他人の手に渡したくない場合に、他の親族に売却するケースです。
参照元:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
高齢の親が施設入居のため自宅を子に売却する
高齢の親の施設への入居に伴い、長年住み慣れた愛着のある自宅を見ず知らずの第三者に売却したくない場合などに、親子間や親族間で売買するケースです。
親族間の不動産売買で適正価格を調べる3つの方法
「みなし贈与」のリスクを避けるためには、売買価格に客観的な根拠を示すことが何よりも重要ですす。ここでは、適正価格を調べるための代表的な3つの方法をご紹介します。
不動産価格の相場を自分で調べる3つの方法
公的なデータを基に、おおよその相場観を掴む3つの方法を紹介します。
公示価格や基準地価を参考にする|市場価格の目安
公示価格は国が、基準地価は都道府県がそれぞれ公表する土地の標準的な価格です。これらは一般的な土地の売買の指標や公的な土地評価の基準となり、信頼性が高い情報源です。国土交通省の「国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索」などで確認できます。
路線価を参考にする|市場価格の80%
路線価は、主に相続税や贈与税を計算するために国税庁が毎年公表している土地1㎡当たりの価格で、実際の市場価格(実勢価格)の80%程度とされています。
そのため、親族間での不動産売買では路線価以上の売買価格に設定するのが無難です。
たとえば、路線価が30万円/㎡、土地面積が180㎡であれば、評価額は、30万円/㎡ × 180㎡=約5,400万円となります。
ただし、道路から奥行きがある土地や、特殊な形状の土地などは、各種補正率で補正する必要があり、算出が複雑です。
また、路線価は土地の評価指標であり、建物には使えません。
路線価だけでは判断が難しいケースがあるため、補完的に使用し、他の方法も併用することをおすすめします。
固定資産税評価額を参考にする|市場価格の70%
固定資産税評価額は、固定資産税を計算するための基準となる価格で、市町村(東京23区は都)が決定します。毎年送られてくる納税通知書で確認できます。こちらは市場価格の70%程度が目安です。
不動産鑑定士に鑑定を依頼する
不動産鑑定士に鑑定を依頼すると、親族間の不動産売買で最も客観的で信頼性が高い適正価格がわかります。
不動産鑑定士は国家資格を持つ専門家で、不動産の価値を多角的な視点から判断し、適正な価格を算出します。
鑑定結果の「不動産鑑定評価書」は、裁判や税務調査でも証拠として認められるため、みなし贈与のリスクを防ぐのに有効です。
ただし、鑑定書の作成に一定の時間を要し、数万円単位の費用がかかります。
時間やコストをできるだけ抑えたい場合は、次に紹介する「不動産会社の査定」をおすすめします。
不動産会社に査定を依頼する
最も手軽で実践的なのが、不動産会社に査定を依頼する方法です。
不動産会社は、周辺の取引事例や市場の動向など、最新のデータに基づいて「今、実際にいくらで売れそうか」という実勢価格を無料で算出してくれます。
1社だけでなく、複数の会社に査定を依頼することで、より客観的な相場観を把握できます。
「適正価格の見極めに不安がある」「まずは手軽に相場を知りたい」という方は、無料査定から始めてみるのがおすすめです。
弊社Albalink(アルバリンク)も全国で数多くの物件を取り扱う不動産の売買・仲介・鑑定をおこなう上場企業です。
司法書士、税理士といった各種専門家とも提携しているため、煩わしい登記や税金の手続きに関するアドバイスやサポートもお任せいただけます。査定は無料ですので、お気軽にご相談ください。
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親族間で不動産売買をする5つのデメリットやリスク
親族間での不動産売買は、みなし贈与のリスクの他にも、融資や税制上のデメリットがあります。
そのため、取引前にしっかり確認し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
特に注意しておきたいのは、次の5点です。
売買価格が低すぎると「みなし贈与」とみなされる
これまで繰り返し解説してきた通り、「みなし贈与」が最大のリスクです。
親族間では市場価格から著しく低い価格で取引すると、差額分に贈与税が課される可能性があるので市場価格の80%以上を目安にしましょう。
住宅ローンが利用しづらい
親子や兄弟など、親族間で不動産を購入する際、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。
これは、担保としての価値(価格の妥当性)や資金の流れが不透明になりやすいためです。
たとえば、住宅金融支援機構の【フラット35】では、入居者間の売買や、買主が無償で住宅を使用しているケースでは融資の対象外とされています。
ただし、申込人が申込前に購入物件に既に入居している場合で、次の①または②に該当するときは、ご融資の対象になりません。
また、夫婦間の売買はご融資の対象になりません。① 融資対象住宅に売主及び買主(申込人)が同居しているとき(現入居者間の売買)。
② 融資対象住宅に売主は居住していないが、申込人が売主から使用貸借しているとき。引用元:【フラット35】住宅金融支援機構
ただし、親族間でも正式な売買と確認できたり、客観的に価格の妥当性を証明できれば審査対象となるケースもあります。
住宅ローンが組める3つの銀行について、本記事の下記の見出しで詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
住宅ローンを希望する場合には、不動産鑑定士の鑑定や、不動産会社を通じた契約など、価格の妥当性や正式な売買であることを証明することが大切です。
もしローンが利用できないときや、資金計画に不安があるなら、第三者への売却を検討するのも一つの方法です。
なお、専門の買取業者なら、築年数が古い物件や権利関係が複雑な物件など、一般の買主が見つかりにくいケースでも柔軟に対応してくれます。
弊社アルバリンクは、不動産買取業者の中では数少ない年間相談件数2万件超の上場企業で他社では買い取れない物件なども積極的に買取を行っています。
「空き家」や「事故物件」「再建築不可物件」の他に「田舎の土地」「共有持分」にも対応可能です。
社会的にも大きな信用がある会社で、無理な営業などは一切行わないので、お気軽に相談・査定依頼をご利用ください。
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税制優遇の対象外になりやすい
親族間では、通常の不動産売買で受けられる税制優遇が適用されないケースがあるため注意が必要です。
たとえば、次のような特例が使えない可能性があります。
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
生計を一にする親族からの購入では適用外 - 譲渡所得の特別控除(3,000万円特別控除)
親子・夫婦間、生計を一にする親族、売却後もその家屋で同居する親族などへの売却は適用外
税制上の特例が使えないと、買主・売主ともに税負担が大きくなるおそれがあります。
譲渡所得の特別控除(3,000万円特別控除)について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

事前に、税理士など専門家に相談し、制度の適用可否を確認することが重要です。
売買に関する手続きなどで手間と時間がとられる
たとえ相手が親族でも、不動産売買の手続きは第三者との取引と全く同じです。売買契約書の作成、登記手続きなど、専門的な知識が必要な作業が多く、個人間で行うと大変な手間と時間がかかります 。
売買後に他の親族とトラブルに発展するリスクがある
「なぜ、あの兄弟だけ安く家を譲ってもらえたんだ」といったように、他の兄弟や親族から不満が出て、後々の相続トラブルに発展するケースがあります。取引内容については、関係する親族全員の理解を得ておくことが重要です。
親族間で不動産売買をする6つのメリット
もちろん、親族間の不動産売買はデメリットばかりではありません。
親族間売買ならではのメリットを6つ解説します。
身内に引き渡す安心感がある
長年住み慣れた愛着のある家を、全く知らない第三者に売るのに抵抗がある方も多いでしょう。
たとえば、親が高齢となり施設への入居を予定するケースでは、見ず知らずの他人に売却するよりも、安心して手放す決心がつくでしょう。
信頼できる身内に引き継げるのは、精神的に大きな安心感に繋がります。
取引の条件や内容の融通が利く
引渡しの時期を調整したり、家の荷物を一部残したままにしたりと、取引の細かい条件について柔軟に話し合えるのは親族間ならではのメリットです。
相続対策として将来のトラブルを回避できる
将来の相続トラブルを回避できるのも、親族間で不動産売買するメリットの一つです。
相続の際、財産の分割に関しては感情的な対立が発生しやすく、特に分割が難しい不動産は争いの火種になりがちです。
弊社が実施したアンケート調査【相続でもめそうなことランキング】でも、「不動産の取り扱い」と「納得感のある財産分与」が第1位・第2位を占めています。
生前に売買という形で所有権を移しておけば、相続発生時のトラブルを未然に防ぐことができます。
共有持分を整理して一つにまとめられる
親族間売買には、複数人で所有している不動産の持分を一人にまとめられるメリットもあります。
共有名義のままでは、売却や建て替えなど重要な決定に全員の同意が必要となり、手続きが進まないことも少なくありません。

共有物の使い道を変更する場合は、原則として全員の同意が必要だからです。
参照元:e-Gov 民法251条
相続人の間で持分を売買して一人が他の共有者の持分を買い取ることで、名義を一本化すれば、将来の管理や活用がスムーズに行えるようになります。
相続人が多数いる場合のリスクや対処法は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

なお、共通持分の売買は、すべての不動産会社が対応しているわけではありません。
弊社「アルバリンク」のように、相続に詳しく「持分売買の実績がある」不動産会社に相談するとスムーズに進められます。
不動産買取業者の中では数少ない年間相談件数2万件超の上場企業で他社では買い取れない物件なども積極的に買取を行っています。
「空き家」や「事故物件」「再建築不可物件」の他に「田舎の土地」「共有持分」にも対応可能です。
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不動産業者への仲介手数料を節約できる
親族間で直接売買を行う場合、不動産会社に支払う仲介手数料(一般的に売買価格の3%+6万円+消費税)がかかりません。高額な不動産取引において、この費用を節約できるのは大きなメリットです。
参照元:国土交通省
一方で、不動産専門の買取業者に売却すれば、仲介手数料がかからないので、売却の可能性も検討しながら、不動産の査定から最短数日でスピーディーな買取まで行う弊社「アルバリンク」の無料相談をご利用ください。
スピーディーに売買ができる
第三者への売却では、買主を探すための販売活動に数ヶ月かかることも珍しくありません。親族間売買では買主を探す必要がないため、当事者間の合意がまとまれば、迅速に取引を進められます。
また、弊社「アルバリンク」のような不動産専門の買取業者に直接売却すれば、訳あり物件でも残置物を処分せずにそのままの状態で最短数日でスピーディーに現金化できます。
親族間の不動産売買の適正価格の査定依頼から「アルバリンク」へのスピーディーな売却も視野に入れて無料相談をご利用ください。
親族間の不動産売買にかかる税金と費用
親族間売買であっても、通常の不動産取引と同様に様々な税金や費用が発生します。誰が何を支払うのか、事前にしっかり確認しておきましょう。
売主にかかる税金と費用
売主にかかる税金や費用は下記の通りです。
- 印紙税:
売買契約書に貼る収入印紙代 - 抵当権抹消登記費用:
住宅ローンが残っている場合に、その担保(抵当権)を消すための手続き費用(司法書士報酬含む) - 譲渡所得税:
不動産を売却して利益が出た場合に課される税金(所得税・住民税) - 必要書類の発行費用:
印鑑証明書などの取得費用
買主にかかる税金と費用
買主にかかる税金や費用は下記の通りです。
- 印紙税:
売買契約書に貼る収入印紙代 - 不動産取得税:
不動産を取得したことに対して課される税金 - 所有権移転登記費用:
不動産の名義を買主に変更するための手続き費用(登録免許税+司法書士報酬) - 抵当権設定登記費用:
住宅ローンを利用する場合に、その担保(抵当権)を設定するための手続き費用 - 必要書類の発行費用:
住民票の写しなどの取得費用
親族間の不動産売買にかかる4つの税金
親族間であっても、不動産売買を行う際には通常の取引と同様に税金が発生します。
特に金額が大きくなりやすい下記の4つの税金について、詳しく見ていきましょう。
印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書に対して課される税金です。
納付は、取引金額に応じた収入印紙を契約書に貼付し、消印することによって行います。
たとえ親子間の売買でも、正式な契約書を交わす場合は印紙税の対象となるため忘れずに貼付しましょう。

たとえば、売買金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合、印紙税額は1万円です。
参照元:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁
これを怠ると、本来の印紙税額の3倍にあたる「過怠税」が課される可能性があるため注意が必要です。
なお、近年は電子契約を活用すれば、印紙税が不要になるケースもあります。
登録免許税
登録免許税は、不動産の所有権を売主から買主に移す「所有権移転登記」を行う際に課される税金です。
不動産の固定資産税評価額を基準に計算され、売買による登記では税率2%が適用されます。
たとえば、評価額が1,000万円であれば、20万円の登録免許税がかかります。
登記手続きを司法書士に依頼する場合は、別途、報酬費用がかかるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
なお、一定の要件を満たせば、軽減税率の適用も可能です。
建物(令和9年3月31日まで):0.3%
適用には条件を満たす必要があるため、事前に司法書士や税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。
譲渡所得税
親族に不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、売主に譲渡所得税(所得税+住民税)がかかります。
譲渡所得は、売却代金から取得費(購入時の費用など)と譲渡費用(売却にかかった費用)を差し引いた金額です。

譲渡所得 = 売上代金 -(取得費 + 譲渡費用)
この金額に税率をかけて、実際の税額を算出します。
税率は、所有していた年数によって変わり、下記の通りです。
短期譲渡(所有期間が5年以下):約39%
参照元:土地や建物を売ったとき|国税庁
なお、3,000万円の特別控除などの軽減措置もありますが、前述のとおり、親族間売買では適用外となるケースが多いため、事前の確認が必要です。
本来であれば差し引かれるはずの3,000万円が控除されない場合、思った以上に税負担が大きくなる可能性があります。
「本当にこのまま親族間で売るべき?」「第三者に売った方が得なのでは?」と疑問を感じたら、一度、買取業者へ相談してみることをおすすめします。
弊社アルバリンクは、売却しづらい物件の豊富な買取実績を活かし、空き家などの物件に適正な査定金額をご提示いたします。
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不動産取得税
買主側が不動産を取得した際に課されるのが「不動産取得税」です。
登録免許税と同様に、固定資産税評価額をもとに算出され、土地・建物それぞれに課税されます。
税率は4%ですが、令和9年3月31日までは住宅を取得した場合は軽減税率の3%が適用されます。
家の売却にはさまざまな税金がかかります。節税のポイントや優遇措置については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。

親族間における不動産売買の流れ|4つのステップ
親族間売買も、基本的な流れは通常の不動産取引と変わりません。スムーズに進めるための下記の4ステップと、ポイントも合わせて確認しましょう。
1:名義・権利関係の整理|登記事項証明書の内容確認
不動産売買の第一歩は、土地や建物の「名義」と「権利関係」を確認することです。
登記簿に記載された所有者と実際と異なっていたり、抵当権(ローンの担保)が残っていたりすると、売買手続きが進められません。
確認するには、法務局で登録事項証明書を取得します。
法務局のホームページからオンラインで請求も可能です。
もし抵当権の抹消や名義変更が必要な場合は、司法書士に依頼するのが一般的です。
2:売買条件と価格の決定|不動産価格の相場調査
名義と権利関係の確認が終わったら、売買条件や価格を決定します。
価格は、路線価や不動産鑑定士による鑑定、不動産会社の査定額など、客観的な基準を参考にして、市場価格にもとづいた適正価格に設定しましょう。
あわせて、支払の方法やスケジュール、引き渡し時期などの条件も決めておくことで、後々のトラブルを防げます。
3:売買契約の締結と決済|トラブルが心配なら仲介業者に依頼
売買条件に合意したら、契約書を作成し、代金の決済を行います。
親族間の取引であっても、後々のトラブル防止のため、必ず契約書を作成しておきましょう。
契約書には、下記のような内容を明記します。
- 物件の詳細
- 売買価格
- 決済方法
- 引き渡し日
契約書には印紙税が課税されるため、所定の印紙を貼る必要があります。
契約書に不備がないか、不動産会社や行政書士など専門家にチェックを依頼すると安心です。
また、決済は、現金手渡しではなく、銀行振込など記録が残る形で行うのが原則です。
4:引渡しと名義変更の手続き|手間を省くなら司法書士に依頼
最後に、不動産の引き渡しを行い、所有権移転登記(名義変更の手続き)をします。
登記を完了することで、買主が法的に新たな所有者として認められます。
登記の際には、登録免許税の納付が必要です。場合によっては、不動産取得税の申告・納付も発生します。
税額は条件によって異なるため、事前に税理士に相談しておくと安心です。
なお、登記申請の手続きは、一般的に司法書士へ依頼します。
不動産の売買には複雑な手続きが多く、法律や税金に関する専門知識が欠かせません。
万一、書類や手続きにミスがあると、契約が無効になったり、思わぬトラブルに発展するリスクもあります。
適正価格や手続きに不安があるなら、不動産会社に相談することをおすすめします。面倒な手続きなくスムーズに現金化できる可能性があります。
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「空き家」や「事故物件」「再建築不可物件」の他に「田舎の土地」「共有持分」にも対応可能です。
社会的にも大きな信用がある会社で、無理な営業などは一切行わないので、お気軽に相談・査定依頼をご利用ください。
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親族間の不動産売買を成功させる5つのポイント
親族間での不動産売買をトラブルなく成功させるための重要なポイントを5つにまとめました。
売買契約書を必ず作成する
「身内だから大丈夫」と口約束で済ませてしまうのは非常に危険です。売買契約書は必ず作成しましょう。
【売買契約書を作成する3つの理由】
- 当事者間のトラブル防止:
「言った・言わない」の争いを防ぎ、お互いの権利と義務を明確にします。 - 税務上のトラブル防止:
税務署に対して、贈与ではなく正式な売買であることを証明する重要な証拠となります。 - 第三者とのトラブル防止:
他の親族や金融機関など、当事者以外に対しても取引の正当性を示すことができます。
相続の場合は他のすべての相続人の同意も得る
売主が複数いる共有名義の不動産や、将来相続に関わる不動産を売買する場合は、他の相続人全員から事前に同意を得ておくことが不可欠です。
後から「聞いていない」「不公平だ」という声が上がると、深刻な家族トラブルに発展しかねません。全員が納得した上で進めるよう、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。
どうしても、同意が得られないような場合は、買取専門の不動産会社への売却もご検討ください。
下記のように弊社「アルバリンク」にご相談いただいた共有名義の訳あり物件でも、短期間で現金化できた実績があります。
親族間の不動産売買に住宅ローンを利用する
前述の通り、親族間売買での住宅ローン利用はハードルが高いですが、不可能ではありません。
多くの金融機関では、不動産会社を仲介に入れることで、取引の透明性が担保されると判断し、融資の対象とするケースがあります。ローン利用を検討している場合は、まず親族間売買に詳しい不動産会社に相談してみましょう。
住宅ローン利用のサポートや親族間の不動産売買は適正価格の査定、親族間の売買にかかわる手続きなども含めて、弊社「アルバリンク」の無料相談をご利用ください。
「アルバリンク」はメディアで何回も取り上げられている実績が豊富な不動産の売買・仲介・鑑定を行う上場企業です。
親族間売買で住宅ローンが組める銀行3選
親族間で不動産を売買する際に、下記の3つの金融機関では一定の条件下で住宅ローンが組めます。
- フラット35:
親子間や親族間の売買も融資対象となりますが、同居している場合など一部対象外のケースもあります。 - 三井住友銀行:
不動産会社の仲介が入るなど、売買価格の妥当性が客観的に確認できる場合に申し込みが可能です。 - みずほ銀行:
売買契約書があり、売買価格が適正であることなどが確認できれば申し込み可能です。
親族間売買以外の選択肢とも比較する
状況によっては、親族間売買がベストな選択とは限らないので、「生前贈与」や相続発生を待つ「相続」といった他の方法とも、税金や手続きの面で比較検討することが大切です。
また、思い切って第三者に売却した方が、より高く売れて手元に多くの現金を残せるケースも少なくありません。
特に弊社「アルバリンク」のような専門の買取業者に依頼すれば、業者が直接買い取るので買主を探す手間なく、仲介手数料もかからず、スピーディーに現金化が可能です。
- 「みなし贈与」とみなされない適正価格の査定
- 住宅ローンの利用
- 親族間売買のトラブル回避
- 親族間売買の専門的で煩雑な手続きの代行
- 親族以外の第三者へのスピーディーな売却と現金化の検討
上記のように親族間の不動産売買とそれ以外の選択肢も含めて幅広く比較・検討したい場合は弊社の無料相談をご利用ください。
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不動産会社や専門家に確認あるいは依頼する
親族間の売買では、不動産会社や司法書士、税理士といった専門家のサポートを受けることが重要です。
親族間売買は専門的な知識が求められる場面が多く、当事者だけで完結させようとすると、思わぬミスやトラブルを招きがちです。
適正価格の判断や契約書の作成、登記手続きなどは、不動産会社や司法書士、税理士といった専門家に相談・依頼するのが最も安全で確実です。
専門家の関与があれば、税務署への説明時や融資審査での信頼性も高まります。
親族間の取引だからこそ、専門家の力を借りて公正な手続きを心がけることが大切です。
適正価格に不安があるときや、後のトラブルを避けたい場合は、早めに専門家に相談しましょう。
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親族間売買で不動産仲介業者への依頼が必要な4つのケース
特に以下のような場合は、不動産会社の仲介を依頼することを強くおすすめします。
- 住宅ローンを利用したい場合:
金融機関から仲介業者の介入を求められることがほとんどです。 - 「みなし贈与」を確実に回避したい場合:
客観的な価格査定書を作成してもらうことで、税務署への有力な証明資料となります。 - 売買対象の不動産や契約内容に不安がある場合:
物件の法的な問題点(再建築不可など)の調査や、法的に有効な契約書の作成を任せられます。 - 専門的で手間のかかる売買手続きをスピーディーに安心して進めたい場合:
煩雑な手続きをワンストップで代行してもらえるため、時間と労力を大幅に節約できます。
親族間の不動産売買でよくあるQ&A
ここでは、親族間の不動産売買に関してよく寄せられる質問にお答えします。
- Q. 不動産の親族間売買はできますか?
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A. はい、法律上まったく問題なく可能です。ただし、価格設定や税金面で、第三者との取引にはない特別な注意が必要です。
- Q. 親族間売買はみなし贈与になる?
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A. 市場価格(時価)と比べて著しく低い価格で取引した場合、「みなし贈与」と判断されるリスクがあります。
- Q. みなし贈与と判断される基準は?
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A. 法律で明確な基準はありませんが、一般的に市場価格の80%未満での取引はリスクが高いとされています。個別の事情を総合的にみて税務署が判断します。
- Q. みなし贈与はバレる?
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A. 高い確率でバレます。不動産を売買すると所有権移転登記を行うため、法務局を通じて税務署に取引情報が伝わります。税務署は周辺の取引価格データを把握しているため、相場からかけ離れた取引は容易に発見できます。
- Q. 親族間での売買で3000万円の特別控除は使えますか?
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A. いいえ、親子や夫婦、生計を一つにする親族への売却では、居住用財産の3,000万円特別控除は利用できません 。
- Q. 親族間で不動産売買をするデメリットは?
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A. 主なデメリットは、①みなし贈与のリスク、②住宅ローンが利用しづらい、③税金の特例が使えないことが多い、の3点です。
- Q. 親族間で家の売買をする場合、税金はいくらかかりますか?
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A. 売主には譲渡所得税、買主には不動産取得税と登録免許税、双方に印紙税がかかります。税額は不動産の価格や評価額、所有期間などによって大きく異なるため、事前に税理士などの専門家に試算してもらうと安心です。
親族間の不動産売買を適正価格で安心して進めるなら「アルバリンク」で無料相談!
親族間での不動産売買は、「みなし贈与」と判断されないように適正価格の把握が非常に重要です。
後のトラブルを回避するためにも、まずは専門家による査定を依頼してみましょう。
豊富な取引実績を活かして適正な査定額を提示してくれます。
また、親族間売買が難しい場合や、早期に資金が必要な場合はスピーディーに現金化できる買取という選択肢も検討してみてください。
弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、日本全国の空き家などの売却しづらい物件を積極的に買い取っている不動産買取業者です。
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まとめ|親族間の不動産売買の適正価格は市場価格の80%が目安!
親族間での不動産売買を成功させる鍵は、何よりも市場価格の80%を目安とした「適正価格」で取引することです。市場の相場より著しく低い価格設定は、「みなし贈与」という思わぬ税金のトラブルを招く最大の原因となります。
路線価などを参考に自分で相場を調べることも可能ですが、より安全で客観的な価格を知るためには、専門家である不動産会社の査定を活用するのが賢明です。
また、価格設定だけでなく、住宅ローンの問題や複雑な手続き、他の親族との関係など、親族間売買には様々なハードルがあります。もし少しでも不安を感じるなら、一人で抱え込まずに専門家に相談しましょう。
弊社Albalink(アルバリンク)は、不動産の売買・仲介・鑑定を行う上場企業です。親族間売買に関する豊富な知識と経験を持つスタッフが、お客様一人ひとりの状況に寄り添い、最適な解決策をご提案します。司法書士や税理士とも提携しており、税金や登記に関する手続きもワンストップでサポートいたしますので、安心してお任せください 。
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