空き家掃除の手順
空き家の掃除は、放置による劣化やトラブルを防ぐために重要です。
以下では、具体的な作業内容を解説します。
1.郵便物の回収・処分
空き家に郵便物が溜まっていると、「誰も住んでいない家」だと周囲に知られてしまい、不法侵入や窃盗のターゲットにされるリスクが急増します。ポストからあふれかえるダイレクトメールや不在票は、犯罪者にとって格好の目印になるのです。
定期的に郵便物を回収し、不要なものは確実に処分しましょう。特に個人情報が記載された郵便物は、ゴミとして放置せずシュレッダーにかけるなど、適切な処理が必要です。
また、遠方で頻繁に足を運べない場合は、郵便局に転居届(転送サービス)を提出するのがおすすめです。最長1年間、無料で指定した住所に郵便物を転送してくれます。
2.部屋の換気・通風
空き家にこもった湿気やホコリを除去するために、定期的な換気は欠かせません。
室内の空気を循環させることで、カビや異臭の発生を防ぎ、建物の劣化を抑える効果があります。
ただし、換気を行う際は、防犯対策を忘れてはいけません。窓を開けっぱなしにすると、不審者の侵入を許してしまう可能性があります。
窓を開ける時間を短くしたり、換気扇を回したり、もしくは防犯用の補助錠を設置したりするなど、工夫が必要です。換気を終えた後は、必ず全ての窓と扉を施錠したか確認しましょう。
3.害虫・害獣の駆除
害虫や害獣は空き家に住み着くリスクが高く、建物の内部や周辺に深刻なダメージを与える可能性があります。
特に湿気が多い箇所ではシロアリやカビが発生しやすく、換気不足が原因でさらに被害が広がるケースも。
一度住み着いてしまうと自力での駆除は非常に困難なため、被害が拡大する前に専門業者に依頼することが重要です。定期的な点検と早期の駆除作業で、建物の寿命を守りましょう。
4.キッチン・洗面所の通水
長期間使用していない排水口には、悪臭や詰まりが発生する恐れがあります。
これを防ぐため、最低でも月に一度は、キッチンや洗面所、浴室などの排水口に数分間水を流しましょう。これにより、管内の汚れを洗い流し、排水トラップに水を溜めて下水からの逆流を防ぐことができます。
通水はホースやバケツで簡単に行えますが、万が一、蛇口から水が出ない、あるいは水漏れしているといった不具合が見つかった場合は、配管の破損などより深刻な問題の可能性があります。
無理に自分で直そうとせず、専門家に相談するのが安心です。
5.カビ・水回りの汚れの除去
浴室やキッチン、洗面所などの水回りは、湿気がこもりやすく、カビや水垢が特に発生しやすい場所です。
これらの汚れを放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、建物の構造材を腐食させ、資産価値を大きく損なう原因となります。
軽度のカビであれば、市販のカビ取り剤や重曹を使って自力で除去できます。しかし、広範囲に広がったカビや、目地に入り込んだ頑固な汚れは、素人では完全に落とすのが困難です。
こまめに清掃を行い、汚れがひどい場合はハウスクリーニング業者に依頼すると効果的です。
6.床・壁の掃き掃除・拭き掃除
空き家はホコリやゴミが溜まりやすいため、掃き掃除や拭き掃除を定期的に行いましょう。
特に目立つ箇所の掃除を徹底することで、内部の美観を保つことができます。
窓を開けて換気を行いながら、ホコリを舞い上げないように丁寧に作業を進めましょう。また、手が届きにくい天井や壁のホコリは、ハンディモップや高所用ワイパーを使うと効率的です。
7.電気・各設備の点検
空き家では、老朽化した配線や設備が原因で、漏電やショート、最悪の場合は火災につながるリスクがあります。
定期的な点検を行い、必要に応じて修理を行うことでトラブルを未然に防ぎましょう。
電気系統の点検は、素人判断で行うと非常に危険です。ブレーカーが落ちやすい、スイッチが反応しない、コンセントが焦げているなどの異常が見られた場合は、無理に触らず電気工事の専門業者に点検と修理を依頼してください。
8.庭・外壁の手入れ
空き家の管理は家の中だけではありません。庭・外壁の手入れも非常に重要です。
庭の草木が伸び放題になっていると、近隣住民とのトラブルの原因になるだけでなく、害虫や害獣が住み着きやすくなります。さらに、枯れ草が火元となり火災のリスクを高めるなど、放置することでさまざまな問題を引き起こします。
また、外壁は高圧洗浄機のレンタルを活用することで、効率よく掃除が可能です。(ケルヒャーのレンタル などで高圧洗浄機を借りることができます。)
空き家の庭の草刈りについては以下の記事で解説しています。ぜひ参考にしてください。

ここまで、空き家掃除の具体的な手順や放置するリスクについて解説しました。郵便物の回収から害虫駆除、カビ取りまで、その作業は多岐にわたり、一つ一つに時間と労力がかかります。
もし「空き家の管理はもう手一杯だ」と感じているなら、無理に全てを自分で行う必要はありません。そのお悩みを解決するには、直接買い取る不動産買取業者への相談が最も確実な方法です。
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空き家の掃除に必要な道具とは
空き家の掃除を効率よく進めるためには、適切な道具を準備することが重要です。
基本的な掃除道具として、以下は必須です。
- ほうき
- ちりとり
- 雑巾
- ゴミ袋
なお、長期間放置された空き家では、ホコリやカビが発生していることが多いため、マスクやゴム手袋、防塵メガネなども用意すると安心です。
また、頑固な汚れを落とすために、ブラシや洗剤、高圧洗浄機が役立ちます。
床や壁の汚れには重曹やクエン酸を活用すると、環境にも優しく効果的に掃除できます。
長期間放置された空き家の掃除で注意すべき点
長年使われていない空き家では、通常の掃除では想定しない危険が潜んでいます。安全のため、以下の点を事前にチェックしましょう。
天井や床の腐食・害獣の巣・異臭
天井や床が腐食している場合は、踏み抜きや落下の危険があります。さらに、ネズミやハクビシンなどが巣を作っているケースもあり、糞尿や死骸が原因で悪臭や健康被害を引き起こすことも少なくありません。
強い異臭が漂っているときは、腐敗物や広範囲のカビが発生している可能性も考えられます。
防護具・業者確認が必要なケースも
腐食や害獣被害が見られる場合、またはアスベストや薬品の残留が疑われる場合は、必ずマスク(N95以上推奨)、防護服、厚手のゴム手袋を着用しましょう。
被害が大きい、あるいは特殊清掃が必要なときは、無理をせず専門業者に依頼することが安全です。
空き家を自分で掃除する?業者に依頼する?
空き家の掃除には、自分で行う方法と、専門業者に依頼する方法の2つの選択肢があります。
どこまでを自分で行い、どこからプロに任せるべきか悩む方も多いでしょう。ここでは、「費用」と「手間」の2つの観点から、それぞれのメリット・デメリットを比較します。
自分で掃除する場合
必要な道具をそろえて時間をかけて掃除すれば、業者に依頼するよりも経済的な負担を減らせます。
自分のペースで作業できるため、不要品の仕分けやリフォームの計画もしやすくなります。
ただし、空き家はホコリやカビが大量に発生していることが多く、衛生的なリスクが伴います。
長期間放置されていると、害虫や害獣の発生も考えられるため、適切な防護策を講じる必要があります。また、広い物件や頑固な汚れがある場合は体力的な負担も大きくなるため、計画的に進めることが大切です。
自分で掃除をすれば費用は抑えられますが、時間や体力的な負担が大きく、カビや害虫による健康リスクも伴います。
もし「空き家の管理が大変だ」と感じているなら、その苦労を手放すという選択肢を考えてみませんか?
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業者に依頼する場合
掃除業者に依頼する最大のメリットは、短期間で効率的に作業を進められることです。
プロの業者は専門の道具や技術を持っており、自分では難しい害虫駆除やカビ除去、大量の不用品処分もスムーズに行ってくれます。
築年数が古く傷みが激しい空き家や、遠方に住んでいて自分で作業するのが難しい場合には、業者に依頼するのが有効な選択肢となります。
費用相場と選ぶ際の注意点
空き家掃除を業者に依頼する場合、費用は物件の広さや汚れの程度によって異なりますが、一般的には1LDKで3〜5万円、3LDKで7〜15万円程度が相場です。
業者によって料金やサービス内容が異なるため、事前に見積もりを取り信頼できる業者を選びましょう。
特に不用品の回収や処分には追加費用が発生するケースもあるため、契約前にしっかりと確認する必要があります。
遠方に住んでいる/高齢で掃除が難しい場合は?
空き家が遠方にあり頻繁に通えない場合や、高齢で掃除作業が体力的に難しい場合は、無理をせず外部の力を借りるとよいでしょう。
掃除業者や管理代行サービスを利用すれば、定期的な清掃や通風、庭木の手入れまで任せられるため、物件の劣化を防げます。
放置期間が長くなると修繕費用が高額になり、結果的に売却価格も下がる可能性があるため、早めの対応が望ましいです。
親が高齢な場合の対応
親が高齢で空き家の管理や掃除ができない場合は、まずは家族で管理方針を話し合うことが第一歩です。
掃除や維持にどの程度の費用と労力をかけるかを決め、場合によっては売却や賃貸への転用も視野に入れましょう。
特に、固定資産税や管理費の負担が大きくなる前に方向性を決めておくと、家族間のトラブルを防ぎやすくなります。
遠方の空き家を管理するコツ
遠方の空き家を維持する場合は、「定期訪問+日常管理」の両方が必要です。
自分で年に数回訪れて大掃除を行い、それ以外は地元の業者や管理サービスに依頼して通風や簡易清掃を実施します。
また、郵便物の転送や庭木の剪定、害虫駆除など、細かい管理を怠らないことが物件価値を保つポイントです。
空き家を掃除せずに放置する5つのリスク
空き家を掃除せずに放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、さまざまなリスクが発生します。
自然災害や犯罪リスクの増加、地域住民とのトラブルなど、多岐にわたる問題が含まれます。
空き家の適切な管理は、これらのリスクを防ぐために非常に重要です。
災害による被害
建物の老朽化が進むと、壁や柱の強度が低下し、倒壊する恐れがあります。
また、台風などの影響で屋根が吹き飛ばされたり、外壁が崩れたりすると、二次災害のリスクが高まります。
飛散した破片が通行人や近隣の建物、車両に被害を与える恐れがあり、安全面でも深刻な問題を引き起こす可能性があります。
こうしたリスクを防ぐためにも、空き家の適切な管理や早めの対策が重要です。
火災の発生・放火
管理されていない空き家は、火災や放火の被害に遭う可能性が非常に高いです。施錠が不十分な家は不審者が侵入しやすく、放火のターゲットとなりやすいためです。
空き家が管理されていない状態が続くと窓やドアが壊れたまま放置され、不審者が侵入しやすくなります。
その結果、放火や火遊びが発生するリスクが高まり、さらに危険な状態へと進む可能性があります。
また、放置された家屋の周辺には、枯れ草やゴミ、落ち葉などが溜まりがちです。これらは乾燥すると簡単に燃え広がるため、わずかなタバコの不始末や火遊びでも、大規模な火災に発展し、近隣の家屋にまで延焼する恐れがあります。
放火の被害を防ぐためにも、建物の施錠や防犯対策、周辺の清掃が重要です。
もし空き家からの延焼で近隣住民に被害を与えた場合、法律上の責任を問われるケースもゼロではありません。被害者から損害賠償を求められる可能性もあるため、単なる自己責任では済まされないことを理解しておく必要があります。
不法投棄
空き家の敷地や建物内に、不法にゴミを投棄されるケースが増加しています。
このような問題には以下のような影響があります。
- 景観の悪化
- 衛生問題
- 近隣トラブル
こうした不法投棄を防ぐには、敷地を定期的に巡回し、フェンスや看板を設置して注意を促すことが効果的です。
犯罪に使用されるリスク
誰も住んでいない空き家は、不法に占拠される可能性があります。
一度占拠されると、退去を求めるための手続きが非常に複雑になります。
また空き家が隠れ家として利用され、窃盗や違法取引の拠点になることもあります。
これらの問題を防ぐためには、業者への管理依頼やセキュリティ対策が必要不可欠です。
しかし、どれだけ対策を講じても、人が住んでいない以上、犯罪リスクをゼロにするのは困難でしょう。
もし、「空き家を所有する根本的なリスクから完全に解放されたい」とお考えなら、不動産買取業者への売却が最も確実な解決策です。
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特定空き家に指定されるリスク
空き家を長期間放置すると、行政から特定空き家に指定され、様々な負担が発生します。
例えば固定資産税の優遇措置がなくなり、税額が跳ね上がります。
さらに自治体から改善指導や勧告、命令が出され、従わない場合は50万円以下の過料が科せられることもあります。
特定空き家への指定は、単なる金銭的な負担だけでなく、近隣住民とのトラブルや、社会的信用の失墜にもつながります。こうした事態は売却が難しくなるケースも少なくありません。
そうなる前に空き家の買取相場を詳しく知りたい方は以下からご確認ください。

資産価値悪化のリスク
空き家の放置は資産価値の悪化を招きます。建物の老朽化や劣化が進むと修繕費用が膨らむだけでなく、周辺環境の景観も損ねるため、買い手がつきにくくなります。さらに、特定空き家に指定されることで税負担が増えるため、所有コストが上昇し、資産価値の下落に拍車がかかります。
このような悪循環に陥る前に、早期の対応が不可欠です。
まとめ
この記事では、空き家の掃除に必要な作業や放置によるリスク、専門業者に依頼するメリット、さらに空き家を売却する選択肢について解説しました。
郵便物の回収や害虫駆除、カビの除去など多岐にわたる作業が必要で、放置することで火災や犯罪などのリスクが高まります。
空き家の管理が難しい場合、売却を検討するのが賢明です。
専門家のサポートを活用し、安心して空き家を有効活用しましょう。
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