空き家の放置が引き起こす6つのトラブル
総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約900万戸、そのうち実質的に放置されている空き家は約385万戸にのぼります。
しかし、「これだけ多くの人が同じ状況なら、うちも大丈夫だろう」と安心してはなりません。
空き家を放置すれば、ある日突然、倒壊や放火といった深刻なトラブルに見舞われる可能性があるからです。
空き家の放置が引き起こすトラブルは、以下の6つです。
空き家を放置するリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

老朽化による倒壊する
空き家を放置すると建物の老朽化が急速に進み、倒壊する危険性が高まります。
誰も住まなくなった家は換気や修繕が十分に行き届かず、木材の腐食やシロアリ被害により主要部の劣化が生じやすくなります。
その結果、台風や地震が発生した際に建物が倒壊する恐れがあるのです。
もし、倒壊によって近隣の住宅や通行中の人に損害を与えてしまった場合、土地工作物責任により所有者に損害賠償責任が生じる可能性があります。 
日本住宅総合センターの試算では、倒壊によって隣家が全壊・死亡事故につながったケースの想定損害額は2億円とされています。
参照元:公益財団法人 日本住宅総合センター「倒壊による隣接家屋の全壊・死亡事故(想定)」
自身や近隣住民の安全を守るためにも、空き家のこまめな清掃や修繕を継続していく必要があります。
景観が悪化する
管理されないまま放置された空き家は、外壁の色あせ・汚れ・ひび割れや、伸び放題の庭木・雑草によって外観の印象を損ないます。
結果として、周辺一帯の景観を損なう要因にもなりかねません。
また、後述しますが、空き家は不法投棄や放火のターゲットになりやすいことから、見た目からも治安の悪化を印象づけてしまいます。
空き家を放置していると、その影響が周辺の不動産価値にまで及んでしまうことがあります。
放火のリスクが上がる
人の出入りがない空き家は、放火のターゲットにされやすくなります。
誰の目にも触れないと感じさせる環境は、放火犯が犯行に及びやすい条件を与えてしまいます。
とくに、放火は全国的に発生件数が多く、令和5年中の出火件数3万8,672件のうち、「放火」及び「放火の疑い」は4,111件と10.6%を占めています。
また、建物が老朽化すると木材が腐朽・乾燥してもろくなり、破損箇所も増えるため、一度火がつくと燃え広がりやすくなります。
遠方に住んでいる所有者は、こうした異変にすぐ気付くことができません。
空き家を遠方に所有している場合、相応のリスクが伴うといえるでしょう。
治安が悪化する
管理が行き届いていない空き家は、不法占拠・窃盗・不法投棄といった犯罪の温床になりやすい傾向があります。
前述のように、人目につきにくい空き家は「人に知られたくない行為をする者」にとっては好都合な環境です。
たとえば、不法投棄では、粗大ゴミや産業廃棄物を不正に処分しようとする業者や個人が、人目のない場所をあえて選んで捨てるケースが見られます。
さらに、一度不法投棄が起こると「捨てても大丈夫」という心理が広がり、通行人まで便乗するようになってしまいます。
特定空き家に指定される
空き家の劣化が進むと、自治体により「特定空き家」に指定されるケースがあります。
特定空き家とは、空家等対策特別措置法上、倒壊リスク・衛生上の問題・著しい景観悪化などが認められた空き家です。
多くの場合、指定は近隣住民からの苦情をきっかけに行われ、改善が見られなければ段階を経て処分が強化されていきます。
特定空き家に指定された後は、以下のような流れで処分が進んでいきます。
- 助言・指導:自治体から改善を求める働きかけがされる
- 勧告:改善が見られない場合、正式な勧告が出される(この時点で固定資産税の軽減措置が解除され、翌年から税負担が増加)
- 命令:勧告に応じない場合、法的拘束力を持つ命令が下される(違反すると50万円以下の過料が科される)
- 行政代執行:さらに改善されない場合、自治体が強制的に解体などを行い、費用は所有者に請求される
30坪程度の木造住宅であれば、通常の解体費用は90万〜150万円ほどが相場です。
しかし、行政代執行による解体は事務的な諸経費が加算されるため、通常よりも割高になる傾向があります。
相続登記未了による罰金
相続した空き家の名義変更である「相続登記」を済ませていないと、過料が科される場合があります。
2024年4月1日より相続登記が義務化され、不動産の相続を知った日から3年以内の登記申請が必要になりました。
この義務は、制度開始前に相続していた空き家についても適用されます。
正当な理由なくこの期限を超えてしまうと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続登記自体は自分でも行えますが、平日に法務局へ出向く必要があるほか、書類の不備があれば再提出を求められるなど、思いのほか手間がかかります。
無駄な費用がかさむ前に、対応がまだの方は早めに申請の準備を始めましょう。
なお、弊社AlbaLink(アルバリンク)では司法書士と連携があり、空き家の相続登記から売却まで一括対応が可能です。
「相続登記も売却も、自分だけでは進められそうにない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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実際に起きた空き家のトラブル【3つの事例】
ここまで、空き家の放置によって生じやすい主なトラブルについて解説しました。
この章では、実際に起こった空き家トラブルの具体的な事例をご紹介します。
【事例1】木造空き家が全焼、隣接する空き家の一部も焼損
2026年1月23日、山口県萩市椿東で木造平屋の空き家が全焼し、隣接する空き家の一部も焼損する火災が発生しました。
放火の疑いで18歳の女が逮捕され、火元となった空き家を管理する80代女性とは面識があったといいます。
参照元:山口朝日放送(yab)|【山口】萩市 空き家火災で18歳女を逮捕
明るい時間帯だったため大事には至りませんでしたが、深夜や早朝であれば人的被害が出ていた恐れもあります。
【事例2】犯罪グループによる空き家の侵入・窃盗被害、累計50件超
山梨県甲府市の山間部にある空き家で、2026年3月以降に50件以上の侵入被害が相次いで発覚しました。
室内は物が散乱し、家具の引き出しがすべて開けられるなど荒らされ、貴金属が盗まれる被害も出ています。
参照元:YBS山梨放送|“空き家荒らし”が50件以上 ベトナム人グループ関与か 男4人を再逮捕へ
住人と犯人が直接遭遇し、危害を加えられるような事態に至っていないのは、不幸中の幸いといえます。
【事例3】空き家の外壁が崩落し、道路に散乱
静岡県焼津市では2025年10月、約40年空き家だった建物のトタン外壁が崩落し、道路に散乱しました。
この空き家は「特定空き家」に指定され、市が繰り返し改善を求めていたにもかかわらず放置されていたといいます。
参照元:静岡朝日テレビニュース「空き家の外壁が崩れて道路に散乱」
幸いけが人はいませんでしたが、崩壊のタイミング次第では深刻な被害を招いていた恐れもあります。
空き家のトラブルが起きた際の6つの相談先
空き家に関するトラブルは内容によって適切な相談先が異なり、窓口を正しく選ぶことがスムーズな解決につながります。
この章では、空き家トラブルが起きた際に活用できる6つの相談先をご紹介します。
自治体(市区町村役場)
空き家の管理や活用方法に迷ったときは、自治体が設けている相談窓口を利用しましょう。
多くの自治体では、空き家の所有者を対象にした専用の相談窓口が用意されています。
たとえば埼玉県では、相続・売却・賃貸・利活用など相談内容に応じて、解決策の提案や専門家紹介、マッチング支援などを行っています。
参照元:埼玉県|「空き家コーディネーター」にご相談ください!」
また、危険な空き家が近隣にある場合の苦情対応窓口も自治体には設けられています。
相談自体は原則無料のため、費用負担を気にせず気軽に利用できる点がメリットといえます。
警察
不審者の出入りが気になる、空き家に不法侵入された形跡があるといった場合には、警察への相談が有効です。
まだ事件が起きていない段階で、予防的に相談したいときは警察相談専用電話「#9110」を利用しましょう。
#9110は、対象地域を管轄する警察本部につながる相談専用の窓口で、内容によっては防犯指導などの対応もしてもらえます。
一方で、すでに不審者が敷地内に侵入している、盗難や損壊の被害が発生しているといった緊急性の高い状況の場合は「110番」へ通報してください。
消防
空き家の火災リスクが心配な場合は、管轄の消防署に相談することで防火面のアドバイスをもらえることがあります。
たとえば、東京都の場合、消防庁全般への意見・相談の総合窓口案内ページが設置されています。
参照元:東京消防庁「ご意見・ご相談」
その他の地域については全国消防長会ホームページから管轄の消防本部を確認し、問い合わせてみましょう。
保健所
害虫・害獣の繁殖や悪臭の発生といった空き家の衛生面でのトラブルなら、保健所が相談先の一つになります。
たとえば東京都では、住宅内に発生するねずみや衛生害虫による被害を防ぐため、都民からの相談を受け付けています。
自分でできる対処法のアドバイスを受けられ、難しい場合は駆除業者を紹介してもらえることもあります。
士業
相続や名義変更など、法律や税金に関わるトラブルは、弁護士や司法書士などの士業に相談すると安心です。
相続人が複数いる空き家では名義が定まらず、売却や解体の手続きが滞ってしまうケースがよく見られます。
内容によって、相談すべき専門家は次のように変わります。
- 相続人同士の関係がこじれている場合:弁護士
- 名義変更だけを済ませたい場合:司法書士
- 相続税に関する疑問やがある場合:税理士
空き家にまつわる悩みが複数ある場合や、売却も選択肢として検討している場合は、不動産会社に相談してみるのも一つの方法です。
不動産会社
空き家の活用方法に迷っている場合や、売却を視野に入れている場合は、不動産会社への相談が有効です。
不動産会社によっては空き家の状態や立地条件をもとに、売却・賃貸・更地活用などの選択肢を提案してもらえる場合があります。
また、空き家に強い不動産買取業者であれば、各士業との連携があるのでトラブルの解決から売却までワンストップで任せられます。
仲介を介さず自ら物件を買い取る不動産会社。空き家に強い買取業者は、その中でも空き家の買取・運用・再販を得意とする業者
査定結果や専門家の意見といった材料が揃うほど、判断もしやすくなります。
無料相談を実施している不動産会社も多いので、まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
なお、弊社アルバリンクは、累計相談実績50,000件超(※2025年12月時点)の空き家に強い買取業者です。
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空き家のトラブルを未然に回避する4つの方法
空き家のトラブルは、放置する期間が長引くほど深刻さを増していきます。
逆にいえば、早い段階で手を打つことで防げるケースも少なくありません。
この章では、空き家の所有者が今すぐ実践できる4つの予防策を紹介します。
定期的に管理する
空き家トラブルは、所有者自身が定期的に足を運んで管理することで予防しやすくなります。
放置された建物は湿気などの影響を受けやすく、老朽化のスピードが速まり、倒壊のリスクも高まっていきます。
月に一度程度のペースで換気・掃除・通水などを行うだけでも、劣化の進行を抑える効果が期待できます。
また、外壁や屋根に傷みが見つかった際は早めに修繕しておくと、台風や地震などが起きた際にも被害を抑えやすくなります。
手間や費用はかかりますが、日頃から管理を徹底しておくことで将来的な被害を最小限に食い止められるでしょう。
解体する
老朽化した空き家については、解体して更地にするのも選択肢の一つです。
倒壊の危険がある空き家を放置していると、近隣住民に被害が及ぶ恐れがあります。
建物を解体すれば、倒壊リスクがなくなる上に、管理の対象が土地に絞られるため負担を軽減できます。
一方で、解体費用は30坪の木造住宅でも90〜150万円程度かかるケースもあり、費用負担が重い点は考慮が必要です。
また、更地になっても草刈りなどの管理は引き続き必要になる点は念頭に置いておかなくてはなりません。
売却する
トラブルを防ぐもっともシンプルな方法が、空き家の売却です。
所有し続ける限り、管理の手間や不安はつきまとう一方、売却すれば負担から解放される上にまとまった資金も手に入ります。
需要のあるエリアに立地する空き家なら、築年数が経っていても買い手が見つかる可能性は十分にあるでしょう。
ただし、駅から遠い・建物が傷んでいる・家財が残っているといった空き家は、売り出しても買い手が付かない場合があります。
そうしたケースでは、空き家の買取実績が多い「専門の不動産買取業者」に依頼することで、スムーズに売却できる可能性が高まります。
空き家専門業者ならトラブル解決までサポートしてくれる
空き家専門の買取業者であれば、売却手続きだけでなく、そこに付随するトラブルの解決までまとめて任せられます。
買取業者は空き家を買い取ったうえで自社で運用・再販し、収益を上げるビジネスモデルの不動産会社です。
自社で問題点を解消する前提があるため、一般的に「売れない」と諦められがちな空き家でも、積極的に対応してもらえる傾向にあります。
また、業者が直接買い取るので、売却までの期間は平均1週間〜1ヶ月程度とスピーディーです。
トラブルの心配から一刻も早く抜け出したい方にとって、手間をかけずに素早く売却できる点は、大きなメリットといえるでしょう。
当サイトを運営している弊社アルバリンクも、全国対応している空き家専門の買取業者です。
空き家をはじめとする不動産買取件数4,500件以上(※2025年12月時点)と、士業との連携により、幅広い空き家トラブルに対応できます。
相談は完全無料ですので、お気軽にお問い合わせください
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賃貸に出す
空き家がトラブルの原因になりやすいと分かっていても、手放すのは避けたいという場合は、賃貸に出す方法もあります。
家賃収入が得られるうえ、人が住むことで建物の劣化や不法侵入を防ぎやすくなる点もメリットです。
自身で住む予定がなく、入居の見込みがありそうなら賃貸に出すことも検討する価値があるでしょう。
ただし、管理が不十分だった空き家の場合は、入居者を募集する前にまとまった初期費用が発生することも珍しくありません。
たとえば、壁紙の剥がれ・汚れがあり、張り替えを行う場合は、6畳ほどの部分的な施工でも3〜7万円程度かかります。
賃貸としての需要があるか、費用感はどれくらいかといった点は、不動産会社の無料相談で確認してみるのも一つの手段です。
まとめ
空き家は、放置すればするほど、思わぬトラブルの引き金になりかねません。
本記事では、次のようなリスクが潜んでいることをお伝えしました。
あわせて、補足として「実際に起きた空き家のトラブル事例」もご紹介しました。
こうしたリスクを引き起こす最大の要因は、「何もせず空き家を放置すること」です。
空き家トラブルの事例を他人事と思わず、日々の管理を通じて少しでもリスクを減らしていきましょう。
もし、不安を抱えている、またはトラブルがすでに発生しているという場合は、空き家専門の買取業者への売却も有効な選択肢です。
専門の買取業者に売却すれば、不安や負担から解放されると同時に、問題の早期解決にもつながります。
弊社AlbaLink(アルバリンク)は、全国対応している空き家専門の買取業者です。
これまでも「売れない」と諦められていた空き家を多数買い取ってきており、Google口コミでも高評価の声をいただいています。
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