空き家の浄化槽に関わる法律「浄化槽法」とは?
空き家に設置された浄化槽は、「浄化槽法」に基づいて適切な維持管理が義務付けられています。
浄化槽は生活排水を処理し、環境への影響を最小限に抑える装置ですが、定期的な清掃や点検を怠ると、悪臭や汚水の排出などのトラブルを引き起こします。
そのため、法律により所有者には清掃や法定検査の実施が求められています。
浄化槽法では、所有者が「清掃」「点検」「法定検査」を適切に行うことが義務とされています。
清掃は年に1回以上、保守点検は設置機種に応じて1〜4か月に1回の頻度で行う必要があります。
また、法定検査は年1回、市区町村や専門機関が実施します。
これらを怠ると、改善命令が出される可能性があり、最悪の場合は行政処分や罰則の対象となることもあります。
空き家の場合でも、浄化槽が稼働していれば、法律に従った維持管理が必要です。
もし長期間使用しない場合は、適切な手続きを取ることが求められます。
具体的には「浄化槽使用休止届」の提出や清掃・消毒処理などが推奨されます。
所有者は自らの責任として、浄化槽の管理方法を把握し、適切な対応を行いましょう。
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空き家の浄化槽を清掃しないとどうなる?
空き家の浄化槽を清掃しないと以下の問題が生じる恐れがあります。
- 悪臭の発生
- 排水の詰まり
- 害虫の発生
- 環境への悪影響
悪臭の発生
浄化槽を長期間清掃せずに放置すると、強い悪臭が発生します。
これは、浄化槽内に溜まった汚泥や汚水が分解されずに腐敗してしまうためです。
通常、浄化槽内では微生物が働き、生活排水を分解してきれいな水にします。
しかし、清掃を怠ると汚泥が増えすぎて微生物の働きが弱まり、やがて死滅してしまいます。
そうなると、浄化槽は正常に機能せず、未処理の汚水が溜まり、強烈なにおいを発生させます。
トイレや排水口から発生する悪臭は、家の中にも充満しやすく、周囲の住民にも迷惑をかける原因になります。
悪臭は一度発生すると簡単には消えず、完全に除去するためには専門の清掃業者によるメンテナンスが必要になることもあります。
そのため、悪臭の発生を防ぐためにも、定期的な清掃と適切な維持管理を行うことが重要です。
排水の詰まり
浄化槽を清掃せずに放置すると、排水の流れが悪くなり、やがて詰まりが発生します。
汚泥が浄化槽内に溜まりすぎると、汚水を処理するスペースが不足し、正常に排水ができなくなるのです。
その結果、トイレの水が流れにくくなったり、排水口から逆流したりすることがあります。
排水の詰まりは、放置するとさらに深刻な問題につながります。
例えば、詰まりが原因で配管が破損した場合、大がかりな修理が必要になり、高額な費用が発生することもあります。
最悪の場合、汚水が溢れてしまい、住宅の床や壁にまで被害が及ぶこともあるため、排水トラブルを防ぐためにも、定期的な清掃が不可欠です。
害虫の発生
汚泥が溜まり続けると、浄化槽内に害虫が発生する可能性が高くなります。
特に、蚊やハエは汚水を好んで繁殖するため、清掃が行われていない浄化槽は害虫の温床となります。
蚊が増えると、周囲に住む人々が蚊に刺される機会が増え、感染症を媒介するリスクもあります。
また、ハエが大量発生すると、家の中にも入り込み、食品を汚染するなどの衛生問題を引き起こします。
さらに、害虫が発生すると、それを狙うネズミやゴキブリなどの害獣も寄り付きやすくなります。
こうした害虫・害獣は、一度住み着いてしまうと駆除が難しくなり、空き家の管理がますます困難になります。
害虫を発生させないためにも、浄化槽を適切に清掃し、衛生的な環境を維持することが大切です。
環境への悪影響
適切に管理されていない浄化槽は、周囲の環境にも悪影響を及ぼします。
本来、浄化槽は汚水を処理し、きれいな水を放流する役割を担っています。
しかし、清掃を怠ると、未処理の汚水が外部に漏れ出し、土壌や河川を汚染する原因になります。
地下水や井戸水を利用している地域では、未処理の汚水が地下水に混ざることで飲み水の安全性が損なわれる可能性もあります。
また、汚水が川や池に流れ込むと、水質が悪化し、魚や植物などの生態系にも深刻な影響を与えることがあります。
このような環境への悪影響が確認された場合、自治体から指導や改善命令を受けることもあります。
さらに、放置が続けば行政処分の対象となる可能性もあり、最終的には罰則が科されるケースもあります。
空き家の管理を適切に行うことは、単にトラブルを防ぐだけでなく、周囲の環境を守るためにも重要です。
空き家の浄化槽を長期間放置した場合のリスク
浄化槽を長期間放置すると以下のリスクが生じる可能性があります。
- 法定検査での指摘
- 修理費用の増加
- 特定空家等に指定される可能性
法定検査での指摘
浄化槽は、法律に基づき定期的な法定検査を受ける必要があります。
しかし、長期間清掃や点検をせずに放置していると、検査時に異常を指摘される可能性が高くなります。
例えば、浄化槽内の汚泥が過剰に溜まっていたり、設備が正常に作動していなかったりすると、検査に不合格となることがあります。
もし検査で問題が発覚すると、自治体や検査機関から改善指導が入ることがあります。
指導に従わずに放置し続けると、最悪の場合、行政処分の対象となり、罰則が科されることもあります。
そのため、空き家であっても浄化槽の適切な管理を行い、法定検査に備えておくことが大切です。
修理費用の増加
浄化槽の清掃を怠ると、設備の劣化が進み、修理が必要になるケースが増えます。
汚水を処理するためのブロワー(空気を供給する装置)が故障すると、浄化槽内の微生物が十分な酸素を得られず、汚水の分解が進まなくなります。
その結果、浄化槽の機能が大幅に低下し、悪臭や詰まりの原因となります。
さらに、長期間放置された浄化槽は、通常の清掃では対応できないほどの汚れや詰まりが発生することがあります。
その場合、大がかりな修理や部品交換が必要になり、修理費用が数十万円単位でかかることもあります。
そうした無駄な出費を防ぐためにも、定期的な点検とメンテナンスを行い、設備を正常に保つことが重要です。
特定空家等に指定される可能性
浄化槽が適切に管理されていないと、悪臭や汚水の流出などの問題が発生し、近隣住民から苦情が寄せられることがあります。
こうした状況が続くと、自治体から「特定空家等」に指定される可能性があります。
「特定空家等」に指定されると、行政からの指導や勧告を受けるだけでなく、改善命令が出されることもあります。
最悪の場合、所有者が対応しなければ自治体が強制的に改善措置を行い、その費用が所有者に請求されることもあります。
空き家を適切に管理し、特定空家等に指定されるリスクを避けるためにも、浄化槽の定期的な清掃や適切な維持管理を心がけましょう。
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空き家の浄化槽の管理方法
空き家の浄化槽の管理を怠ると、検査時に指摘されるだけでなく、修繕費用の発生や近隣住民からの苦情につながる恐れがあります。
上記の事態に陥らないためにも、浄化槽の管理は必須です。
ここからは、浄化槽を使用しない期間別に管理方法を解説します。
短期間(1年未満)の場合
浄化槽を使わない期間が1年未満の場合は、以下の管理をしましょう。
- 通電を続ける
- 定期的な点検の実施
通電を続ける
短期間の空き家であっても、浄化槽のブロワー(空気を供給する装置)の電源を切ることは避けた方がよいです。
ブロワーが停止すると、浄化槽内の微生物が十分な酸素を得られず、汚水を適切に分解することができなくなります。
もし電源を切ってしまうと、短期間であっても微生物が死滅し、浄化槽の処理能力が大幅に低下します。
その結果、再び使用を開始した際に悪臭が発生したり、浄化槽が正常に機能しなくなったりする可能性があります。
そのため、1年未満の短期間であれば、ブロワーの電源を入れたままにして、浄化槽の処理機能を維持することが大切です。
定期的な点検の実施
空き家の期間が短くても、浄化槽の定期点検は欠かせません。
汚泥の溜まり具合や設備の劣化を確認するために、専門業者に依頼して点検を実施することが望ましいです。
定期点検では、ブロワーが正常に作動しているか、汚泥が過剰に溜まっていないかなどをチェックします。
点検の結果、異常が見つかった場合は、早めに修理や清掃を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
短期間の空き家管理でも、適切な点検を行い、浄化槽を良好な状態に保つことが重要です。
長期間(1年以上)の場合
1年以上浄化槽を使わない場合、以下の管理が必要です。
- 「浄化槽使用休止届」の提出
- 浄化槽の清掃と薬剤処理
「浄化槽使用休止届」の提出
もし1年以上空き家になる場合は、「浄化槽使用休止届」を自治体に提出することを検討しましょう。
この届出を出すことで、長期間使用しない浄化槽に対する法定検査の義務が一時的に免除される場合があります。
ただし、自治体によっては、休止届を提出しても一定の管理が必要とされることがあります。
そのため、休止届を提出する際は、管轄の市区町村に確認し、必要な手続きを適切に行いましょう。
浄化槽の清掃と薬剤処理
長期間空き家にする前に、浄化槽の清掃を行い、消毒薬を補充しておくことが重要です。
未清掃のまま放置すると、汚泥が溜まり続け、設備の劣化が進みます。
さらに、浄化槽内の微生物が死滅し、再び使用を開始した際に正常に機能しなくなる可能性があります。
清掃と同時に、適切な薬剤処理を行うことで、悪臭や害虫の発生を防ぎ、設備の寿命を延ばすことができます。
使用を再開する際にもスムーズに稼働させるため、長期間使用しない場合は事前にしっかりとした管理を行いましょう。
空き家の使用予定がない場合の選択肢
空き家を今後使用する予定がない場合、浄化槽の維持管理に負担を感じることがあるかもしれません。
浄化槽は定期的な清掃や点検が必要な設備であり、放置すると悪臭や汚水の流出などの問題が発生する可能性があります。
そのため、使用予定のない空き家については、適切な対策を講じることが重要です。以下のような選択肢を検討し、状況に応じた対応を行いましょう。
1. 空き家を撤去・売却する
空き家を手放すことで、浄化槽の管理だけでなく、建物全体の維持費用や管理の手間を大幅に軽減できます。
長期間放置した空き家は劣化が進み、修繕や解体に高額な費用がかかることもあるため、早めに売却や撤去を検討することが賢明です。
不動産会社に相談したり、自治体の空き家バンクを利用したりすることで、買い手を見つけやすくなります。
2. 適切な管理を継続する
売却や撤去が難しい場合は、専門の業者に依頼して浄化槽の清掃や点検を継続するのが望ましいでしょう。
短期間でも浄化槽を適切に管理しないと、設備の劣化が進み、後々高額な修理費用が発生する可能性があります。
業者に依頼すれば、清掃や消毒、機器の点検を定期的に実施してもらえるため、遠方に住んでいる場合でも安心して管理を続けることができます。
3.自治体に相談する
空き家の管理に困った場合は、自治体の相談窓口を活用しましょう。
自治体によっては、空き家の管理に関する助成金制度を設けている場合があります。
また、地域によっては空き家の活用方法や、適切な管理方法についてアドバイスを受けることも可能です。
空き家が「特定空家等」に指定されると、行政から指導が入ることがあるため、事前に相談しておくと安心です。
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空き家を放置すると、浄化槽の管理や修理の負担が増え、思わぬトラブルにつながることもあります。
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まとめ
この記事では、空き家の浄化槽に関わる法律「浄化槽法」や、適切な管理を怠ることで発生する問題について解説しました。
浄化槽の清掃を怠ると、悪臭や排水の詰まり、害虫の発生、環境への悪影響が生じる可能性があり、さらに法定検査での指摘や修理費用の増加、最悪の場合「特定空家等」に指定されるリスクもあります。
短期間の不使用なら定期的な点検や通電を続け、1年以上放置する場合は「浄化槽使用休止届」の提出や清掃を行いましょう。
空き家の管理を適切に行い、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
浄化槽の管理を見直し、安心できる住環境を維持しましょう!