千葉県の空き家解体補助金の対象となる条件
千葉県内の各自治体では、老朽化した空き家の解体を支援するために「空き家解体補助金」制度を設けています。
この補助制度は、一定の条件を満たした建物や工事に対して補助金が交付される仕組みです。
具体的には、「地中埋設物の撤去」や「内装解体、付帯工事」が対象となる場合があります。
なお、補助金の申請には以下の条件を満たす必要があります。
空き家の所有者（相続人）による申請であること
空き家解体補助金を受けるには、「空き家の所有者（相続人）が申請する」という条件があります。
参照元：助成の対象になる方【船橋市】
なぜなら、所有者でなければ不動産に変更を加えることはできないからです。
そのため、補助金制度の対象者として認定されるためには、空き家の所有者である必要があり、仮に空き家を相続した場合には相続登記を行います。
参照元：不動産を相続した方へ ～相続登記・遺産分割を進めましょう～【法務局】
実家相続後に長年放置していた住宅を解体するときには、解体前に相続登記を完了していなければ補助金の申請はできません。
また、所有者が複数人いる場合には全員の同意がなければ、解体工事自体もできないこととなります。
このように、補助金の申請には空き家の所有者であることと、複数人所有者がいる場合には全員の同意が必要です。
市税の滞納がないこと
空き家解体補助金の申請には、空き家の所有者に市税の滞納がないことも条件です。
参照元：令和７年度 住宅耐震診断費・耐震改修費等補助事業のご案内【千葉市】
市税とは、不動産に関するものであれば固定資産税と都市計画税、その他には住民税があります。
補助金は自治体が提供する住民サービスであるため、滞納者にはそもそも補助金を受ける資格がないということです。
敷地内の全ての建物を除去する工事であること
敷地内の全ての建物や工作物を除去する工事であることです。
つまり、全ての建物等を除去した更地の状態でなければ、今後不動産として活用しにくくなるからです。
たとえば、千葉県銚子市の「銚子市危険空家等除却事業補助金」では、全ての建物の除去が申請を受ける条件となっています。
建物本体以外にも「地中埋設物（浄化槽や杭など）の撤去」や「内装解体、付帯工事（ブロック塀の解体や庭木の除去など」が対象となる場合があります。
このように補助金を受けるには、敷地内の全ての建物等を除去し更地にすることが条件です。
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千葉県の空き家解体補助金の実例
本章では、千葉県内の自治体で実際に行われている空き家解体補助金制度についてご紹介します。
以下に示した、船橋市、千葉市、市川市について解説します。
| 市町村 | 対象 | 補助内容 |
|---|---|---|
| 船橋市 | 木造住宅 | 除却工事費23％（上限20万円） |
| 市原市 | 市内に所在する戸建て住宅又は兼用住宅の空き家 | 《除却》補助対象経費の4/5 （上限50万円） 《活用》補助対象経費の2/3 （上限100万円） |
| 市川市 | 特定空き家 | 除却費1/2（上限100万円） |
各自治体により、対象物件・補助率・条件が異なるため、ご不明点は各市役所の整備課・担当窓口までお気軽にご相談ください。
船橋市
船橋市の木造住宅除却助成事業（令和7年4月1日開始）では、昭和56年5月以前に建築された木造住宅を除却する場合に、工事費の23％（上限20万円）を助成しています。
助成の対象となる条件は、以下のとおりです。
- 建物の所有者（複数所有者がいる場合には全員の解体への同意）であること
- 市税の滞納がないこと
- 違法建築物ではないこと
- 昭和56年以降に増築工事をした建物ではないこと
対象建物が市税未納でないか、所有者全員の同意が得られているかを事前に確認し、着工前に「交付決定通知書」を取得します。
参照元：木造住宅除却助成事業【船橋市】
市原市
市原市の「空家の除却・改修に関する支援制度」では、空き家の除去費や改修費を補助しています。
補助額は、除却の場合で補助対象経費の4/5（上限50万円）、活用の場合で補助対象経費の2/3（上限100万円）となります。
補助金を受けるには、以下のような条件があります。
-
- 空き家を所有又は賃借している
- 市内に所在する戸建て住宅又は兼用住宅の空き家（１年以上居住されていないもの）
申請用紙や補助金に関するリーフレットは、市原市のホームページで確認できます。
市川市
市川市の「空家除却・活用事業補助金」制度では、特定空家の除却や跡地を公共利用に転換するための支援が推進されています。
たとえば、【特定空家除却・跡地活用事業】では、空き家跡地を市に無償で貸し出すことを条件に除却工事費の1/2（上限100万円）が補助される制度があります。
また、【不燃化・耐震化推進地域特定空家除却事業】では、耐震性のない特定空き家の除去工事に対し除却費の1/2（上限50万円）が補助されます。
他にも無接道地、空家活用リフォーム、家財撤去、子育て世帯向け改修など、制度が多岐にわたります。
市川市では、単なる空き家の除去工事では補助金は出ず、解体後の敷地の無償貸与や空き家の活用などの方針がある場合に利用できることが注意点です。
空き家解体の補助金制度については、以下の記事でもご紹介しています。
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空き家解体補助金申請の流れ
空き家の解体補助金を確実に受け取るためには、事前準備から交付申請、工事完了後の報告まで正しい手続きを踏むことが重要です。
補助金制度は自治体ごとに異なる様式や受付期間が定められており、申請のタイミングや書類の不備によっては補助が受けられないこともあります。
一般的な申請フローは以下の通りです。
-
- 対象建物の確認（倒壊の危険がある空き家など）
- 事前相談（整備課や指導課など市町村の窓口で制度内容を確認）
- 必要書類の準備（所有者同意書、登記簿写し、見積書など）
- 交付申請書の提出
- 市の審査・交付決定通知の受理
- 契約・工事着手（必ず交付決定後に実施）
- 工事完了・報告書の提出（写し、写真含む）
- 補助金の支払い（精算・交付）
ホームページや市町村の要綱を事前によくご覧になり、必ず市の担当者と相談のうえで申請手続きを行いましょう。
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空き家解体補助金申請前に準備すべき書類
空き家解体補助金の申請には、必要書類の早めの準備が欠かせません。
書類の不足や記載内容に不備があると、受付ができずに申請の審査自体が遅れることがあります。
代表的な提出書類には以下のようなものがあります。
- 申請書様式（市町村指定のフォーマット）
- 空き家の登記簿謄本
- 相続関係書類（戸籍謄本など）
- 所有者・相続人全員の同意書
- （自治体指定業者の）工事の見積書、契約書の写し
- 現地の写真、図面、位置図
- 市税の滞納がないことを証明する書類
- その他：市が指定するチェックリストや申請ファイル
申請前に、整備課やまちづくり担当窓口へ相談し、必要書類の一覧と様式を入手しましょう。
補助金申請の流れや必要書類については、以下の記事でもご紹介しています。
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空き家を解体せずに処分する方法
空き家解体では一定の条件を満たせば補助金は出るものの、全ての費用を賄えるものではなく多額の出費を要します。
そこで本章では、空き家を解体せずに処分できる方法について解説します。
以下の方法であれば、多額の費用を負担することなく処分できます。
仲介で売却する
空き家を不動産会社の仲介で売却する方法があります。
仲介であれば、相場に則った価格で売却できる可能性があります。
実際、不動産会社は、売却のプロとして市場調査や価格設定、買主との契約締結などをサポートします。
売却を検討する場合は、まず不動産会社の査定を受けましょう。
不動産会社に買取してもらう
時間や手間をかけずに空き家を手放したいなら、不動産会社による買取があります。
買取専門の不動産会社業者が買主となるため、仲介のように買主を探すことはなく短期間で売買を成立できることがメリットです。
売却価格は相場より低くなることがデメリットですが、維持管理費や市税、解体費用などの負担を考慮すれば早々に売却できる買取はメリットが大きい方法です。
買取では、複数の業者に見積もりを依頼し最も高値を付けたところに売却するようにしましょう。
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空き家バンクに登録して売却する
空き家バンクに登録する方法もあります。
空き家バンクでは、空き家を希望する移住者や若年層に向けてのマッチングが可能となり、地域活性化にもつながります。
自治体が運営する空き家バンクは、登録やサイトへの掲載が無料の場合が多いことが特徴です。
さらに、定住や子育て支援を目的とした制度と連動していることもあります。
市川市では、空き家バンクに登録された物件に対して、リフォーム費用の一部を助成する支援制度があります。
参照元：市川市空家活用マッチングサービス
まずは、空き家バンクのホームページを確認し、登録の要件や提出書類（写真、登記情報、同意書など）を準備しましょう。
第三者に無償譲渡する
空き家の維持が難しい場合、第三者に無償譲渡する方法もあります。
所有者が管理や修繕に対応できない状況でも、活用意欲のある第三者に譲ることで建物の寿命を延ばし、解体による経費を抑えられます。
たとえば、空き家の無償譲渡と引き換えに、敷地の管理や家財道具の処分などを譲受者が引き受ける形で成立するケースがあります。
一方で、無償譲渡に応じてくれる人を個人で探すことは極めて困難と言えるでしょう。
不動産譲受した人は、空き家の維持管理にかかる費用などを負担し続ける必要があるからです。
第三者への無償譲渡は、基本的にはハードルが高いと認識して間違いありません。
空き家解体が面倒であればアルバリンクへの売却がおすすめ
空き家の解体が面倒、あるいは費用面で負担が大きいと感じる方には、不動産買取業者「アルバリンク」への売却が非常におすすめです。
アルバリンクは、老朽化や管理困難な物件を積極的に買取しており、所有者が解体や修繕を行う必要がありません。
解体工事や補助金申請といった煩雑な手続きを回避できる点が大きな魅力です。
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まとめ
空き家解体工事への補助金は、千葉県内の多くの自治体で実施されており、条件を満たせば解体費用の一部を補助してもらえます。
地中埋設物の撤去や内装解体といった付帯工事も対象となるため、解体費用を抑えたい方にとっては大きな支援となるでしょう。
ただし、補助金の申請には居住実態の有無や所有者・相続人の確認など、細かな条件や書類の準備が必要です。
申請の手間や時間がかかるだけでなく、自治体によっては予算の上限に達すると受付が終了してしまうケースもあります。
また、補助金を受けて解体した後も土地の管理や活用方法についての課題は残ります。
こうしたリスクや手間を回避する方法の一つが、「空き家を売却する」という選択肢です。
特に、解体の手間をかけずに手放したい場合は、不動産の買取業者に依頼することが最もスムーズな方法です。
買取業者であれば、現状のままでの買取が可能で煩雑な手続きを代行してくれるため、手間なく早期に現金化できます。
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