オープンマリッジへの賛否は「反対」が56.2%
「オープンマリッジへの賛否」を聞いたところ、「反対(56.2%)」と答えた人が半数を超えています。
ただ、「どちらでもない(27.6%)」と態度を決めかねている人も多くなりました。
アンケート回答を詳しく見ると、「他の夫婦がオープンマリッジなのには口を出さないけど、自分は無理」など、自分の倫理観や性格上、実践は難しいという人も多くなっています。
日本ではオープンマリッジについて、抵抗感をもつ人が多数だとわかりました。
なお男女別の結果は以下の通りです。
男性でオープンマリッジに反対する人は47.0%と半数以下。
一方女性でオープンマリッジに反対する人は6割でした。
女性のほうが、よりオープンマリッジに拒否感を抱きやすいとわかります。
オープンマリッジへの不安・懸念点は「信頼関係の維持が難しい」
「オープンマリッジへの不安・懸念点」として最も多かった回答は、「信頼関係の維持が難しい(28.7%)」でした。
2位「子育てに悪影響がある(24.5%)」、3位「社会的な理解を得にくい(20.5%)」と答えた人も20%以上と多くなっています。
- 夫婦間の信頼関係が根本から崩壊すると思います。お互いに嫉妬や疑念が生まれ、精神的に平穏な家庭生活を送ることは不可能だと感じます。子どもがいる場合、精神的な発達にどのような影響を与えるのかも非常に心配です(30代 男性 既婚)
- 信頼関係の維持が難しくなる点に大きな不安を感じます。夫婦間で合意があったとしても、「感情的なすれ違い」「嫉妬」「不公平感」が生じやすく、精神的に不安定になるリスクが高いと考えます。周囲の理解も得にくく、世間体や子どもへの影響も懸念材料です(30代 女性 未婚)
- 世間体です。家に浮気相手を呼ぶにしろホテルで過ごすにしろ、結婚相手以外の異性と親しくしているのを見られるのは、かなり気になります。多様性を謳ってる現代とは言え、まだオープンマリッジに関する理解度は低いと考えています(20代 女性 未婚)
- 立場の弱い方が我慢している可能性がある(40代 男性 既婚)
- 本来の結婚相手以外との関係で時間やお金が分散し、家庭の経済的安定に悪影響を与える可能性があります(40代 男性 未婚)
- 夫婦関係を維持できなくなる可能性が高まるのではないか。そしてオープンマリッジを選択する人は、そもそも何のために結婚をするのかがわからない(50代以上 女性 既婚)
多くの人が「夫婦間の信頼が揺らぐ」「嫉妬や不公平感が生まれる」など、精神面・感情面での懸念を抱いていました。
また日本ではまだオープンマリッジという概念が広く受け入れられてはおらず、拒否感を抱く人も多い現状があります。
上記のような現状を鑑み、子どもの精神に悪影響があるのではと心配している人も多くなりました。
「親同士は納得していても、子どもが第三者に何か言われて嫌な思いをしたり、周囲の家庭と比べて混乱したりするのでは」という、大人や親としての配慮が伺えます。
さらには、経済的リスク、性感染症などの健康リスク、将来的な相続におけるトラブルなど、多様な懸念が寄せられています。
なお「結婚の意味がなくなる」「結局は離婚につながる」といった意見からは、オープンマリッジは現在の日本の結婚制度とは相容れない概念として受け取られていることも読み取れました。
オープンマリッジを実践する場合の理想の住まいは「別々の家に住む」
「仮にオープンマリッジを実践する場合、どのような住まいが理想か」を聞いたところ、1位は「別々の家に住む(48.9%)」、2位は「同じ家に住み各々プライベートルームを確保(30.0%)」でした。
以下、3位「同じ家に住む(17.1%)」、4位「二世帯住宅に住む(2.1%)」となっています。
2位「同じ家に住み各々プライベートルームを確保」、3位「同じ家に住む」、4位「二世帯住宅に住む」を合わせると、同居派は49.2%。
別居派は48.9%ですから、同居派と別居派が拮抗する結果となっています。
ただ従来通り同居する人は17.1%と2割以下で、「何らかの形でプライベートへの配慮が必要となる」「オープンマリッジを選択するなら、今まで通りには暮らせない」と考える人も多いとわかりました。
1位 別々の家に住む(別居婚)
- 「せめて見えないところで」と思う。お互い自由にするなら、別居のほうが楽だと思う(20代 女性 既婚)
- 生活の基盤をわけ、お互いのプライベートを保たないとオープンマリッジの実践は難しいと考えます。もし実践するとなれば、必要なときに会う形をとることが現実的かなと思います(30代 男性 未婚)
- それぞれがプライベートを確保しやすく、パートナーや恋人との関係性も整理しやすい。家事や生活習慣の衝突が少なくなる。一緒に住むと「誰をいつ招くか」で摩擦が起きやすい一方、別居だとコントロールしやすい(40代 男性 既婚)
1位は「別々の家に住む(別居婚)」でした。
別居を選ぶ人は、物理的な距離をとることで嫉妬や感情的な衝突など、オープンマリッジに伴うストレスを減らそうとしています。
自分だけではなく配偶者のストレスを減らすことで、オープンマリッジは維持しやすくなると考えられます。
互いのプライバシーや生活リズムを守ることで、オープンマリッジをスムーズにしようとする考え方です。
つまり別居は「オープンマリッジに抵抗感・ストレスを感じる人」や「オープンマリッジで結婚相手にストレスをかけたくない人」に適した住まいだと言えます。
2位 同じ家に住み各々プライベートルームを確保
- 完全別居だと結婚している意味がなくなるので、同居した上でお互いの部屋をもち、詮索しない関係がいいのかと思います(30代 女性 既婚)
- 夫婦関係が続いているからには、同じ家には住んだほうがいいと思う。でもお互い他の方向を向いてるのであれば、プライベートルームが必要であると思う(30代 男性 既婚)
- 浮気相手とのやり取りなど、すべてが見えてしまうと負の感情が出るかもしれない。家庭で共有する空間と、プライベート空間を区切りたい(40代 女性 未婚)
2位は「同じ家に住み各々プライベートルームを確保」でした。
同居を支持する人の意見としては、「別居したら、結婚した意味がない」というものが多くなっています。
同居していれば、結婚や夫婦の形は目に見える形で保たれます。
ただずっと一緒にいると、配偶者の結婚外恋愛が見えて嫌な気分になってしまう可能性も。
心を守るためプライバシーに配慮した形式が、「同じ家に住み各々プライベートルームを確保」するということです。
「結婚の体裁を保ちながら、境界を引きたい」「夫婦である安心を残しつつ、自由を尊重してほしい」など、相反する感情の折衷案となっています。
3位 同じ家に住む(従来通り)
- お金に余裕があるわけではない場合、生活は一緒にしたほうがいい(20代 女性 既婚)
- オープンマリッジはお互いに合意しているのだから、別々の家に住む必要もないし、こそこそする必要もない。従来通りでいいと思う(30代 女性 既婚)
- オープンマリッジの相手と会ったり一緒に過ごしたりするのは、「家の外」でいいと思ってます(30代 男性 既婚)
3位は「同じ家に住む(従来通り)」でした。
夫婦がしっかりとオープンマリッジについて合意できている場合には、従来通り同じ家に住んでも問題ないと考える人もいます。
完全に割り切っているのならば、配偶者の結婚外恋愛について感情のもつれがなく、相手が何をしていようが気にならないと思えるからですね。
ただ、結婚外恋愛の相手を配偶者のいる家に招くことは生活リズムの乱れにつながるため、結婚外恋愛は自宅外でするなどの配慮は必要です。
また別居するよりも生活費の負担を減らせるという実利面でのメリットもあります。
4位 二世帯住宅に住む
- 同じ家なら次第にイライラしそうだし、別居婚にしたら結婚の意味がないと思う(30代 女性 既婚)
- できるだけ離れるほうがいいと思う。ただ完全に別居していると、仕事場などで「なぜ?」といぶかられそうなので、二世帯住宅が一番無難なのではないかと思う(30代 女性 既婚)
- できる限り配偶者同士が顔を合わさないほうがいいと思うので(50代以上 男性 既婚)
「二世帯住宅に住む」が4位です。
二世帯住宅は、同じ家に住んでいるという体裁を残しつつも、通常の同居よりも物理的に距離をとりやすくなります。
そのため、同居は崩したくないが、生活スペースは完全にわけて、配偶者や配偶者の相手をできるだけ見ないようにしたいという人に向いている方法です。
住所は同じでひとつの家に見えるため、世間体が悪いという不安を和らげつつも、独立した生活リズムを保てます。
まとめ
オープンマリッジを実践する際の「理想の住まい」については、「別々の家に住む」という回答が多くなっています。
ただ配偶者以外との関係をもちつつも、離婚ではなくオープンマリッジでの婚姻関係維持を選ぶ場合には、「同居していないと夫婦でいる意味がない」と考える層も。
そのため同居を選びつつも、プライベートスペースの確保や二世帯住宅など、プライバシーを確保できる家を希望する人も多くなりました。
夫婦でオープンマリッジに合意したとしても、何らかのきっかけで感情的な摩擦が起こる可能性はあるため、できるだけトラブルやストレスを避けたいという意向が見られます。