田舎の家を相続放棄する際の4つの注意点
田舎の家を相続放棄する場合、ただ単に「要らない」と思って手続きを怠ると大きなトラブルに発展することがあります。
特に空き家や土地を巡る問題は、将来の費用負担や法律的責任に繋がるため、注意が必要です。
この記事では、相続放棄を検討している方に向けて、押さえるべき4つの注意点を解説します。
なお、弊社が行った【実家相続のメリット・デメリットランキング】男女500人アンケート調査によると、実家を相続するデメリットに「金銭面の負担がある」という意見が大半を占めています。

参照元:【実家相続のメリット・デメリットランキング】男女500人アンケート調査【アルバリンク】
また、空き家を相続放棄する手続きの流れや管理義務を怠るリスクについては、以下の記事でくわしく解説しています。

不動産のみの相続放棄はできない
相続放棄は「田舎の不動産だけ放棄して、預貯金はもらう」といった選択ができません。

参照元:裁判所
法律上、相続放棄をする場合は、すべての相続財産を一切受け取らないという意思表示が必要です。
たとえば、老朽化した空き家や固定資産税が発生し続ける土地だけを切り離して放棄することはできず、相続権そのものを放棄します。
よって、専門家や司法書士に相談し、全体の財産状況を調査した上での判断が必要です。
相続開始から3か月以内に手続きを行う
相続放棄は、相続開始を知った時から、3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。
参照元:裁判所
この期限を過ぎると、法的には相続を「承認」したとみなされ、不要な不動産も自動的に取得となります。
たとえば、田舎の実家を放置していると、知らないうちに家の管理義務や固定資産税の請求が来るケースがあります。
このようなリスクを避けるには、早めに相続放棄の手続きを進めることが必要です。
相続放棄の意思を他の相続人へ明確に伝える
相続放棄をした場合でも、他の相続人にその事実が正確に伝わっていないと、相続財産の処分や管理で混乱を招きます。
たとえば、遺産分割協議に自分が参加しないことで他の家族が「なぜ連絡が取れないのか」と困惑し、トラブルに発展してしまうでしょう。
事前に「自分は相続放棄する」と明確に伝えることで、他の相続人が次の手続きを進めやすくなり、全体の対応がスムーズに進みます。
相続人全員の認識が揃うことが無用な問題を避けるために必要で、状況により弁護士などの第三者を介して伝える方法もあります。
「現に占有している場合」は保存義務が生じる
相続放棄をしても、被相続人の家や土地を「現に占有」している場合は、法律上の「保存義務」が発生します。
具体的には、自宅や建物に住み続けている、荷物を置いたままにしているなどの状況では、最低限の管理責任が求められます。
このような場合、管理を怠り、その建物が倒壊したり火災が起きたりすると、管理責任を問われるケースがあるでしょう。
相続放棄しても逃げ得にはならず、不動産の管理義務を負わなければなりません。
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田舎の家を相続放棄するメリットとデメリット
田舎の空き家や土地などを相続した場合、維持や処分に手間と費用がかかることが多く、相続放棄を選択する人も増えています。
一方で、相続放棄にはメリットとデメリットがあり、判断を誤ると後悔する可能性もあるでしょう。
ここでは、相続放棄の主なメリットとデメリットをわかりやすく解説します。
【メリット】管理コスト・税負担から解放される
相続放棄のメリットは、不動産の管理責任や固定資産税などの金銭的負担から解放されることです。
田舎の住宅を使用予定がないまま放置すると老朽化が進み、解体費用や管理コストが膨らむリスクがあります。
相続放棄を行えば、そのような資産を一切取得せずに済むため、無駄な出費や管理手間を回避できます。
特に遠方に住んでいる相続人にとっては、大きな負担軽減となるのがメリットです。
【デメリット】預貯金など他の財産も放棄対象になる
相続放棄のデメリットとして注意すべき点は、田舎の家や土地だけでなく、預貯金やその他の価値ある相続財産もすべて放棄対象になるということです。
相続は「一切を放棄する」か「一切を受け入れる」かの二択であり、都合のよい財産だけを選ぶことはできません。
たとえば、建物は不要だが銀行口座にある資産は受け取りたいという希望があっても、法律上それは認められません。
また、相続放棄後は順位が繰り上がり、兄弟姉妹など次の相続人にリスクや負担が移るため、家庭内でトラブルとなる危険性もあります。
このような事態を避けるには、相続放棄前に親族間での話し合いやケースにより弁護士などの専門家の介入も必要です。
田舎の家を相続した場合に直面しやすい5つのリスク
田舎の実家や空き家を相続すると、思わぬリスクが次々と発生します。
本章では、田舎の家を相続した際に直面しやすい代表的な5つのリスクについて解説します。
固定資産税や管理費がかかり続ける
田舎の不動産を相続すると、たとえ住んでいなくても固定資産税や管理費などの維持費用が毎年発生します。
使用しない空き家であっても、「所有」している限りは税金の支払いや最低限の管理義務を負います。
このようなケースでは、売却や寄付、相続放棄などの対応を早めに検討しましょう。
老朽化による倒壊や事故が発生する可能性が高まる
放置された建物は、時間の経過とともに老朽化が進み、倒壊や外壁の落下など事故のリスクが高まります。
特に木造住宅が多い田舎のエリアでは、適切な管理がなければ数年で建物の安全性が損なわれるでしょう。
たとえば、空き家の屋根が台風で飛ばされ、隣家の窓を破損する事故が発生する可能性があります。
このようなトラブルを未然に防ぐためには、管理責任を放置せず、状況に応じて解体や処分の手続きを取ることが重要です。
不法侵入・放火・犯罪の温床になりやすい
空き家は、不法侵入や放火、さらには不法投棄といった犯罪の温床になりやすいという社会的リスクも抱えています。
たとえば、放置された住宅は居住者がいないため犯罪者に狙われやすく、放火事件の発生率も高くなっています。
参照元:NPO法人空家空地管理センター
相続した不動産を放っておくと自分だけでなく周囲にも迷惑をかけることになるため、管理人の選任や防犯対策を早急に講じることが必要です。
特定空き家に指定される可能性がある
管理が行き届いていない家屋は、自治体によって「特定空き家」に指定されることがあります。
参照元:NPO法人空家空地管理センター
この指定を受けると行政から改善命令や助言を受けるだけでなく、最終的には行政代執行による強制解体となります。
このようなトラブルを防ぐには、相続直後から管理状況を把握し、必要に応じて売却や寄付の選択肢を検討すべきです。
なお、特定空き家の定義などについては、以下の記事でくわしく解説しています。

次世代への負の遺産となる
田舎の家を何の対処もせず相続してしまうと、それが次世代への「負の遺産」となります。
将来的に子どもや兄弟姉妹が相続する際に処分に困ったり、費用や手間だけが残ったりするケースが多く見受けられます。
特に、資産価値の低い土地や再利用が困難な山林などは、次世代にとっても大きな負担です。
将来の相続人のためにも、今のうちに整理や対処することが望まれます。
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参照元:お客様の声【アルバリンク】
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田舎の家を相続放棄以外で手放すための3つの手段
田舎の不動産は売却が難しく、固定資産税や管理の手間が重くのしかかることもあります。
しかし、相続放棄を選ばなくても、他の方法で手放すことは可能です。
ここでは、田舎の家を相続放棄以外の方法で手放すための具体的な手段を解説します。
自治体やNPOに寄付・譲渡する
売却が難しい不動産でも、自治体やNPO法人が寄付を受け入れるケースがあります。
地域の活性化や空き家対策の一環として、建物や土地の寄付・譲渡を募集している自治体も存在します。
ただし、寄付には所有者側での解体や登記手続き、費用負担が必要な場合もあるのです。
そのため、事前に条件をよく調査し、自治体や団体と相談のうえ進めることが必要です。
相続土地国庫帰属制度を利用する
2023年4月にスタートした「相続土地国庫帰属制度」は、不要な土地を国に引き取ってもらえる制度です。

参照元:法務省
これは相続した土地に限り一定の条件を満たせば、所有権を国庫に帰属できる制度です。
たとえば、更地で建物や借地権がない土地であれば、手続きを通じて所有権を手放せる可能性があります。
この制度の利用には申請書の提出、審査、10年分の管理費(一括納付)が必要ですが、相続放棄をせずに不要な土地から解放される方法として注目されています。
不動産買取を利用する
不動産会社による「買取」は、一般的な仲介による売却よりもスピーディーに手放せる手段です。
買主を探す手間が省け、短期間で現金化できる点がメリットですが、価格は市場価格よりも低くなる傾向があります。
売却価格よりも処分のスピードや確実性を重視したい場合は、買取という方法を検討する価値があります。
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まとめ
田舎の家を相続するか放棄するかは、多くの人が直面する悩ましい問題です。
維持管理にかかる費用や労力など、相続後に発生する問題は決して小さくありません。
一方、相続放棄をすれば、こうした負担から解放されるが預貯金など他の財産も全て放棄となります。
さらに、相続放棄は相続開始から3か月以内に家庭裁判所へ申請が必要で、この期限を過ぎると単純承認とみなされ、意図せず相続してしまうリスクもあります。
そのため、相続放棄以外の検討が重要です。
たとえば、自治体などへの寄付や相続土地国庫帰属制度の利用もありますが、なかでも不動産業者への売却をおすすめです。
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