空き家売却で後悔がある人は63.5%

空き家を売却した経験がある115人にのうち、「空き家売却で後悔がある」と回答した人は「かなり(8.7%)」「やや(54.8%)」を合わせて63.5%にのぼりました。
一方で「全くない(31.3%)」という人も3割を超えています。
全く後悔していない人の自由回答欄では、「事前にしっかり調べていたし、不動産会社の説明を聞いて比較できた」といったコメントがありました。
事前準備や十分な検討が、満足度を左右する可能性があるとわかります。
空き家売却で最も後悔したことは「業者を比較しなかった」

「空き家売却で最も後悔したこと」の1位は「業者を比較しなかった(30.4%)」となりました。
2位は「安い価格で売却した(18.3%)」です。
以下、3位「意外に費用がかかった(6.1%)」、4位「売却が遅くなった(5.2%)」、5位「別の活用方法を検討しなかった(2.6%)」でした。
1位「業者の比較」と2位「安い価格での売却」は密接に関係しており、「業者を比べなかったから、結果として安い価格で売ることになったのではないか」と後悔している人が多くいます。
また売却に関わることですから、「売却価格」や「売却にかかる費用」など、お金にかかる後悔を挙げた人が多いのも特徴です。
1位 業者を比較しなかった
- 複数の不動産会社に査定を依頼せず、最初に相談した会社の提示額で売却を進めてしまったことです。もう少し比較していれば、条件や価格が変わっていた可能性があったと思います(30代 女性)
- 複数の不動産会社に査定を依頼せず、最初に提示された条件のまま進めてしまったことです。相場を十分に比較しなかったため、もう少し高く売却できた可能性があった点が心残りです(40代 女性)
- 不動産会社を1社だけで決めてしまったことです。後から近隣の売却事例を調べると、もう少し高く売れた可能性がありました。急いで手放したい気持ちが強く、複数社に査定を依頼しなかったのは少し後悔しています(60代以上 男性)
1位は「業者を比較しなかった」でした。
空き家は日常的に売買するものではないので、不動産会社の提案をすべて受け入れてしまう人もいます。
とくに、早く手放したいという気持ちが強い場合には、各社の査定を比較したり、複数の会社に相談したりする手間を省くケースも少なくありません。
しかし不動産会社によって「再販の戦略」や「得意なエリアや建物」は異なり、結果として査定金額にも違いが出ます。
そのため比較を行わないと、より有利な売却先を見逃してしまう可能性があります。
2位 安い価格で売却した
- 早く手放したい気持ちが先行して、相場より安く売却してしまった(20代 男性)
- 不動産会社の「今を逃すと買い手がつかなくなる」という営業トークに焦り、大幅な値引き要求を受け入れてしまったこと。後から周辺の取引実績をよく調べると、大幅に値下げしなくても十分に売却できる可能性があったとわかり、非常に悔いが残っています(30代 女性)
- 早く売却したくて、不動産屋の言い値で売却してしまった(40代 男性)
2位は「安い価格で売却した」でした。
とくに「早く手放したいあまりに、安い価格で売却してしまった」という後悔が多くなりました。
急いだ結果として損をしてしまったと感じている人が多いとわかります。
空き家の売却を焦る理由としては、「維持管理の負担」などがあります。
売却後に落ち着いて相場を調べ、自分の物件がもっと高く売れた可能性に気付いて後悔した事例も見られました。
不動産はそもそも取引金額が大きいため、売るタイミングやサポートしてくれる不動産会社によっては、数十万円から数百万円の差が生じることもあります。
3位 意外に費用がかかった
- 売却までに多くの費用がかかった(40代 女性)
- 家財整理の費用についても事前に把握が不十分で、想定より負担が大きくなりました(40代 女性)
- 解体費用が結構かかりました(50代 女性)
「意外に費用がかかった」が3位となりました。
空き家を売却する際には、いくらで売れるかに意識が向きがちです。
しかし売却にあたっては「出ていくお金」があることにも注意が必要となります。
出ていくお金とは、例えば「解体費用」「リフォーム費用」「家財の処分費用」「不動産会社に支払う手数料」などです。
長年放置された実家などでは、家財の量が想像以上に多く、処分費用が高額になるケースも珍しくありません。
老朽化した実家で、更地にしてからの売却となる場合にも、まとまった解体費用がかかります。
想像しにくいコストなので売却前に想定できず、後悔することになった人も多くいました。
4位 売却が遅くなった
- 売却の意思を固めるまでに時間がかかり、空き家期間が長くなってしまったことから、安値でないと買い手が見つからなかった(30代 女性)
- 家の片付けを後回しにしていたせいで、売り出しが遅れてしまったことです。気付いたら季節が変わっていて、動きが鈍くなりました(40代 女性)
- 売る対象となった実家に対する思い入れが強くて、売却までに時間がかかった(60代以上 女性)
「売却が遅くなった」が4位でした。
「思い入れがあってなかなか踏み切れない」「家財の整理に時間がかかる」などの理由で、空き家の売却タイミングが遅くなってしまうこともあります。
遅くなったことを後悔する理由としては、「劣化が進んで、売却価格が安くなった」などが挙がりました。
また所有する期間が長くなるほど、固定資産税など維持費の負担は積み上がっていきます。
早く売却を決断して動いていれば、負担が少なくなり、もっと良い条件で売れたのではという後悔もあるとわかります。
5位 別の活用方法を検討しなかった
- 「もっと違う活用方法があったんじゃないか」という後悔があります(40代 男性)
- 活用できないか、ゆっくり考えればよかった(50代 女性)
- 売却ではなく、保持して運用するなどの道もあったのではないか(50代 男性)
「別の活用方法を検討しなかった」が5位です。
賃貸や駐車場化など、売却以外の活用方法を検討しなかったことへの後悔がある人もいました。
空き家を所有していると、「管理の手間」「維持費の負担」「近隣トラブルの懸念」などから、とにかく手放したいと考えてしまうこともあります。
そのため売却以外の可能性をしっかり検討する前に、売却活動を進めてしまうこともあると考えられます。
売却以外の選択肢を十分に比較しないまま結論を出してしまうと、「手放さずにすんだかも」「もっと時間をかけて考えていれば」という後悔が生まれやすくなるのですね。
空き家売却の後悔につながった原因は「知識の不足」

「空き家売却で後悔につながった原因」を聞いたところ、1位は「知識の不足(35.7%)」となりました。
2位は「早く終わらせたい焦り(21.7%)」です。
「知識不足をはじめとする準備不足」と「判断を急いだこと」が後悔の主な原因だとわかります。
つまり「情報収集などの準備」や「話し合いや方針の検討」を、時間的・精神的余裕を保った状態で実施できなかったことへの反省です。
1位 知識の不足
- 市場価値の知識不足(20代 男性)
- 売却後に友人や知人と会話している際に「売却したエリアはもっと高額で売れたはず!」という声が多くありました。調べてみると実際に高く売れる可能性がかなり高かったので、私の知識不足だと思います(30代 女性)
- 売却の必要が突然発生したので、知識も事前準備も何もなかった(50代 女性)
1位は「知識の不足」でした。
空き家の市場価値や地域相場を知らないと、不動産会社に提示された査定額や、購入希望者に提示された希望金額が「適正なのか」を判断できません。
判断の基準がないまま売却するか判断することになるので、本来の価値より低い価格で売却してしまったり、不利な条件を受け入れてしまったりする可能性があります。
とくに相続などで突然空き家を引き継いだ人や、売却を急いでいる人だと、事前に知識を得る時間がないケースも。
知識不足のまま進め、売却後に本当の相場や売却のコツなどを知ることで、後悔が生まれやすくなります。
2位 早く終わらせたい焦り
- 「早く現金化したい」という焦り(30代 女性)
- 近隣からの苦情で、早く売却したいと焦っていたこと(50代 女性)
- 最初に相談した不動産業者で決めてしまえば、維持管理の手間や悩みなどを解決できると思い、やや焦って契約してしまった(50代 男性)
2位は「早く終わらせたい焦り」でした。
焦りは冷静な判断を妨げるため、後悔につながる要因になり得ます。
焦りの具体的な原因としては、「早く現金化したい」「近隣から苦情が来ていた」「管理の手間から解放されたい」などが挙げられました。
多くの人がさまざまな事情から、焦りを抱えた状態で売却に臨んでいたことがわかります。
空き家所有へのストレスがあると、早く手放したいと考えるのは当然です。
しかし「とにかく早く」という焦りが強くなりすぎると、複数の業者を比較したり、相場を調べたりする余裕がなくなり、後悔につながりやすくなります。
3位 事前準備の不足
- 不動産市場の相場や売却の流れについて、事前に調べる時間を取らなかったこと(30代 男性)
- 売却すると決まってから、実際に売却するまで、あまり業者やプランを調べなかったからです(40代 男性)
- 市場の動向を十分に調査しなかったことです(50代 女性)
「事前準備の不足」が3位です。
事前準備の具体例としては、「不動産会社や不動産市場の情報を集める」「売却の流れを知る」などが挙がりました。
事前準備が不十分だと、比較検討に必要な情報が手元にありません。
そのため、不動産会社の言いなりになってしまう状況につながります。
結果として売却価格が安くなってしまいかねないので、後悔の要因として認識されていました。
4位 家族との相談不足
- 家族間で事前に売却方針をしっかり話し合えておらず、売り出しのタイミングや不動産会社選びも急いで決めてしまいました(20代 男性)
- 家族と相談する時間をしっかり取らなかったことも、判断を急がせた理由のひとつだと思っています(50代 男性)
「家族との相談不足」が4位でした。
空き家を売却する場合には、「そもそも売却したいのか」や「売却金額の希望」を自分だけでは決められないこともあります。
空き家の関係者が複数いることも多いからです。
事前に話し合っていないと、実際に売却するときになって「早く決めなくては」と慌てる可能性があります。
また話し合いが不十分だと、のちのち家族間のトラブルにも発展しかねません。
5位 面倒だという気持ち
- 面倒臭いと思ってしまった(30代 女性)
- 業者選びを怠ったこと。もっと自分で相場を調べて、相見積もりを取るなどの手間を惜しまなければ、結果は違っていたと感じます(30代 男性)
- 面倒を避けて、調べる手間を省いたのが原因だと思います(40代 男性)
「面倒だという気持ち」が5位です。
面倒だという気持ちから「業者選び」「相場の調査」「相見積もり」などを怠ってしまい、後悔している人もいました。
面倒だと思ってしまう理由としては、「仕事や家事で忙しく、時間がない」「不動産売却が難しく思えて、自分で調べる気にならない」などが考えられます。
空き家売却には多くの手続きが必要で、不動産や法律の知識が求められる場面もあります。
そのため、とりあえず楽に進めたいと考えやすくなるのですね。
しかしあとになって「少し手間をかけていれば違った結果になったのではないか」と感じる人もいました。
空き家売却で後悔しないために絶対やるべきことは「複数業者への相談」

空き家を売却した経験がある人が「空き家売却で後悔しないために絶対やるべきこと」として挙げたなかで最も多かった回答は、「複数業者への相談(37.4%)」でした。
- 何をしても後悔はすると思うんですが、思い入れが詰まった実家を売却すると決まったなら、あらゆることを調べ尽くしたほうが後悔は少ないと思います(40代 男性)
- 複数の不動産会社に査定依頼して比較することを、強く勧めたいです。また家財の整理や必要書類の確認など事前にできる準備を早めに進めておくと、気持ちに余裕が生まれ、落ち着いて判断できると思います(50代 男性)
- 査定は複数社にお願いすること。家の中の整理は、思ってた以上に時間がかかるので、かなり余裕をもって取り掛かるべき(20代 女性)
- 不動産会社任せにせず、自分でも周辺の類似物件の売り出し価格や過去の成約相場をネット等で事前に調べておくべき。また「いくらまでなら下げるか」という防衛ラインを親族間で決めておくと、値引き交渉が入った際に焦らず交渉できます(30代 女性)
- 相場を自身で調べて、提示された額に不満が言えるよう知識を得るべき(40代 女性)
- 身内との話し合いは事前に行っておくと、トラブルが発生しないと思います(40代 男性)
空き家売却で後悔しないためには、比較や情報収集が重要だと考えられています。
とくに「複数の不動産会社へ相談する」が多くなっています。
不動産会社によって査定額やサポートが大きく変わるので、後悔のない売却のためには不動産会社選びが重要になるのですね。
また「売却に関する知識を身につける」「相場を調べる」など、売主が主体的に情報を集める姿勢も重要だと考えられています。
焦りや知識不足から、冷静な判断ができなくなってしまうことも後悔につながりやすいので、判断に余裕が生むための準備も重要です。
まとめ
空き家売却で後悔する結果としては、「相場より安く売ってしまった」「意外に費用がかかった」などがあります。
そして上記のような結果を招く要因としては、「焦り」などが挙げられました。
焦りから不動産業者を比較する手間を惜しんだり、準備不足のまま売却活動を始めてしまったりします。
空き家は維持管理の負担が大きいため、少しでも早く処分したいという気持ちになりがちですが、焦りが後悔につながるケースも少なくありません。
少し時間や手間をかけてでも、「複数の不動産会社に査定依頼をする」「相場や売却についての知識をつける」といった工夫が必要です。
また冷静な判断をするためには、関係者である家族との話し合いや家財の整理も少しずつ進めておくことが重要となります。





