空き家を放置している理由1位は「荷物の片付けができない」

空き家を所有している、または実家が空き家になる予定の403人に「空き家を放置している理由」を聞きました。
その結果、1位は「荷物の片付けができない(33.7%)」、2位は「売れる見込みがない(27.0%)」でした。
3位「処分にも費用がかかる(12.9%)」、4位「遠方にあり管理できない(11.7%)」、5位「愛着があり処分できない(10.7%)」が続きます。
「時間がなく、荷物の片付けや管理ができない」「費用が用意できない」といった回答から、動きたくても費用や時間を確保できず、なかなか動けないという人が多いとわかります。
空き家をどうにかしたいという気持ちはあっても、時間や費用のやりくりができなかったり、気持ちの整理ができなかったりして、結果として放置という現状維持を選んでいる傾向が読み取れました。
1位 荷物の片付けができない
- 荷物を片付ける時間がなくて、後回しになっている(20代 男性)
- 実家が空き家になる予定です。親の荷物が多く、片付けに時間と手間がかかりそうなことが、一番の理由です(30代 女性)
- 大量の荷物。個人で片付けるには大変そうで、時間と労力が心配です。業者に依頼すると高額で、見積もりしてもらったら100万円近くかかるようです(60代以上 女性)
1位は「荷物の片付けができない」でした。
住んでいた人が残していった家具家電や日用品が多いと、片付けにかなりの時間と労力をとられてしまいます。
売却や賃貸を見据えてはいるが、前段階となる片付けが大変で放置してしまっているという声もありました。
片付けができない理由としては「物が多すぎる」「仕事や家庭で忙しく、時間がない」などがあります。
なおどうしても自力で片付けできない場合には、「片付け専門業者への依頼」「現状のままで買い取ってくれる買取業者」などを検討するのもおすすめです。
2位 売れる見込みがない
- 子ども時代の落書きや長年の傷・カビなどがあり、売れる見込みがありません(20代 男性)
- 自分の住んでいるところが田舎なため、住む人がいるのかどうかが不安。売れたとしても築年数がとても古いので、大丈夫なのかが不安(20代 女性)
- 不動産会社に査定を依頼しましたが、立地条件が悪くて買い手が見つからず、手放したくても手放せない状況だからです(40代 男性)
2位は「売れる見込みがない」でした。
売れそうにない理由としては「古い」「再建築不可など、立地条件が悪い」「田舎」「傷みがひどい」などがあります。
査定せずに「どうせ売れないだろう」と思っている人もいれば、実際不動産会社に相談して「売れないと思います」と言われてしまった人もいました。
不動産のプロから客観的な評価として「売れないだろう」と言われてしまうと、どうしようもないと思って放置につながります。
また「売れるかもしれないけど、古い物件なので売却後に瑕疵が見つかるなどでトラブルにならないか」と恐れている人もいました。
ただし買取業者相手に売却する場合であれば、原則としてあとから瑕疵が見つかってもトラブルになることはありません。
3位 処分にも費用がかかる
- 解体するにも何百万もかかると聞くので、とりあえず固定資産税だけ払って、見て見ぬふりをしてしまいそうな気がします(20代 女性)
- 更地にする費用がない。リフォームする費用もない(40代 女性)
- 解体費用がない場合は、どうしても放置になってしまいます。ご近所さんからの視線も気になりますが、やはり先立つものは予算の確保です(60代以上 男性)
3位は「処分にも費用がかかる」でした。
「処分せず持ち続けてしまう」という意味での「放置」です。
一般的に不動産は「古い建物が残っているままの状態よりも、更地化したほうが売りやすい」と言われます。
更地化してしまえば、建物の風通しといった手間もなくなります。
そのため「古い実家は、解体してしまいたい」と考える人も少なくありません。
しかし解体には高額な費用がかかることも多いため、まとまった資金を用意できずに、結局放置してしまいそうだという人も多くなりました。
「家が大きいので、解体費用が高くなりそう」という不安を抱えている人もいます。
4位 遠方にあり管理できない
- 遠方に住んでいて頻繁に行けず、手続きや片付けが面倒で後回しになっているから(30代 男性)
- 遠方に引っ越しをしてしまったため、空き家の対応をする時間と余裕がない(40代 男性)
- 飛行機でしか行けないような遠方のため、処理するために現地へ行く費用がかかる。空き家をどうにかするにも仕事を休む必要があり、経済的な負担が重すぎる(50代 女性)
4位は「遠方にあり管理できない」です。
空き家が遠方にあると、掃除や草抜きといった日常的な管理を頻繁に行うことは難しくなります。
空き家に行くだけでも、かなりの時間と費用と体力を消費してしまうからです。
すると面倒な気持ちが強くなり、「行ったほうがいい」「行かなきゃ」と思いつつも放置してしまうという結果につながります。
「売却など処分に向けての手続きを進めようにも、遠方だと難しい」という声もありました。
解決策として、「空き家の管理代行」や「現地に行かなくても売却手続きを進められる買取サービス」などについて、調べてみることをおすすめします。
5位 愛着があり処分できない
- 小さい頃からの思い出が詰まった家を失うというのが怖く、なかなか決断ができないまま放置してしまっています(20代 女性)
- 家族がいなくなっても思い出があり、壊したり手放したりできる気がしない(30代 男性)
- 母の実家が九州にあります。もう実家で過ごすこともないが、祖父母との思い出もあり、売却に踏み切れない(40代 女性)
5位は「愛着があり処分できない」でした。
長年過ごした家には家族との思い出が詰まっていて、手放す決心ができないこともあります。
空き家になった実家を壊したり、知らない人に売ったりする行為が、思い出まで失うように感じられるため、決断できず、結果的に放置してしまうのですね。
ただ実際に活用できないままずっと保留していると、管理や費用の負担だけがかさんでいきます。
管理や費用の負担が大きいようであれば、感情と現実を切り分けて考え、気持ちに区切りをつけることも大切です。
6位 住む人がいない
- 実家が今住んでいるところから遠方にある。今更地元に戻る気もないため、両親がいなくなると住む人がいなくなる(30代 男性)
- 古くて住む気にならないし、貸し出すにしても改修しないと借り手が見つからないと思う(40代 女性)
- 現在は母がひとりで暮らしている。亡くなった後に誰も住む予定がないため、放置してしまいそう(50代 女性)
6位は「住む人がいない」です。
子ども世代が地元を離れて戻る予定もない状況だと、実家は空き家になります。
さらに子どもの現在の居住地が実家から遠いと、管理するのが大変で放置されがち。
将来的に地元へ戻ってくる予定もない場合には、子どもにとっては「使い道がない家」になってしまい、大事にしようという気持ちも薄れてしまうと考えられます。
ただ家族の中に住む人がいなくても、賃貸などに出せば借り手がつくこともあります。
7位 家族の意向がまとまらない
- 誰の名義に変更するかで、話し合いが続いているから(20代 男性)
- 家族間の会話が難しく、空き家をどうしていいか話が進まない(30代 女性)
- 親族と共同名義のため、下手に手をつけられない。変な提案をすると親族で揉めそう(40代 女性)
7位は「家族の意向がまとまらない」でした。
空き家の取り扱いを巡っては、家族の意見がばらばらで「名義変更や相続」「売却や賃貸化」といった手続きが進まないケースもあります。
方向性が決まらないために、具体的な行動を起こせず、結果として空き家が活用も処分もされずに放置されてしまうのですね。
とくに複数の所有者がいる共同名義の不動産については、ひとりの判断では不動産全体の売却や賃貸ができません。
家族間の話し合いや意思統一は大切ですが、感情論になってしまうと親族間のトラブルにも発展しかねません。
膠着状態が続いてストレスになるようであれば、弁護士・司法書士や不動産業者といった第三者に介入してもらうのも、問題解決に向けたひとつの方法です。
空き家を放置することに不安を感じる人は95.3%

「空き家を放置することに不安を感じるか」という問いには、「感じる」と回答した人が、「とても(53.9%)」「やや(41.4%)」を合わせて95.3%にのぼりました。
空き家を放置することに対して、ほとんどの人が何らかの不安を抱えている様子がわかります。
ただ空き家について不安を感じながらも放置している人が多いことから、空き家問題の解決にはさまざまなハードルがあることも推測できます。
空き家の放置によるリスクで最も怖いのは「建物が倒壊する」

「空き家の放置によるリスクで最も怖いこと」を聞いたところ、1位は「建物が倒壊する(37.5%)」、2位は「犯罪に巻き込まれる(33.3%)」でした。
3位「害獣が住みつく(11.2%)」、4位「火事になる(10.9%)」が続きます。
- 災害時に倒壊する。不法侵入されたり犯罪に使われたりする(30代 女性)
- 倒壊し他人に怪我を負わせてしまったり、放火で火災が発生して近隣住民の方々へ多大な迷惑をかけてしまったりすることです(40代 男性)
- 半壊や倒壊して周囲に迷惑をかけること。賠償などが発生するのではという怖さがある(50代 女性)
- 固定資産税と、特定空き家に指定されることによるコストの増加(20代 男性)
- 漏電などによる火事の発生。害獣の発生でご近所にご迷惑をかけてしまうこと(60代以上 男性)
- 空き巣に入られること。実際に一度空き巣に入られたことがあります(30代 女性)
- 家の老朽化と資産価値の低下が心配です。また使用していなくても固定資産税がかかります(60代以上 男性)
倒壊、犯罪被害、害獣、火事などが起こることで、近隣に迷惑をかけることを心配している人が多くなりました。
つまりは「空き家を放置することによって、他人の身体や財産を傷つけてしまい、責任を問われるリスク」を恐れている人が多いと言えます。
また、維持費や劣化による資産価値の低下といった経済面のデメリットも、空き家放置のリスクと捉えられていました。
空き家の放置を解消するために必要なきっかけは「自治体から補助金を受けられる」

「どのようなきっかけがあれば、空き家の放置を解消できるか?」と聞いたところ、最も多かった回答は「自治体から補助金を受けられる(41.7%)」でした。
2位「親族の同意を得られる(23.8%)」、3位「信頼できる業者が見つかる(22.8%)」が20%以上で続きます。
「補助金」や「信頼できる業者」といった、費用や手間の負担を軽くしてくれるきっかけが上位にランクインしています。
1位 自治体から補助金を受けられる
- 「解体にかかる費用の免除」や「空き家を有効活用するための補助金」などがあると、「何かを始めたい人に貸してみようかな」とか、行動するきっかけになると思います(30代 女性)
- やはり問題はお金がかかること。補助金があればありがたい(40代 女性)
- 空き家処分のために多額の費用がかかるのが、動き出せない理由だと思います。売却したり廃棄したりするためのリフォーム代・整地代や、廃棄費用などの公的支援が一番だと思います(60代以上 男性)
1位は「自治体から補助金を受けられる」でした。
片付けが進まない理由や空き家を解体できない理由としては、費用の問題を挙げた人も多くなりました。
そのため「自治体などから空き家の放置解消に関する補助金・助成金を出してほしい」という声が多くなっています。
今でも自治体によって補助金制度はあるのですが、もっと額を多くしてほしいという声も寄せられています。
必要な自己資金が少なくなると、「検討してみようかな」と思いやすいとわかりました。
2位 親族の同意を得られる
- 親戚や家族の協力があれば、動き出せると思う(40代 男性)
- 兄弟と話し合い、売却に向けて意見の一致をはかる(50代 女性)
- 親族の協力で、空き家をどうするかの方針が決まることです(60代以上 男性)
2位は「親族の同意を得られる」でした。
空き家を巡る家族・親族の意見が一致すれば、安心して具体的な手続きを進められます。
また気持ちが同じであれば、「片付けなどの作業や手続きを分担する」「費用を分担する」といった協力もしやすくなると期待できます。
3位 信頼できる業者が見つかる
- まずは相談から気軽にできる、信頼できる業者があれば(30代 女性)
- 信頼できる専門業者がいれば。片付けから売却まで一括で相談でき、金額的にも高額にならないプランがあれば検討できるかも(40代 男性)
- 信頼できる業者さんとの出会いでしょうか。変な業者に騙されて高額請求されるのが怖いので、自治体が紹介してくれるような安心できる窓口があれば相談したいです(50代 女性)
3位は「信頼できる業者が見つかる」でした。
実家の片付けや売却・賃貸化は、所有者だけではできないことも。
そのため片付けについては「遺品整理や生前整理の専門業者」、売却や賃貸化については「不動産業者」に相談したいと考える人も少なくありません。
信頼できる業者がいれば、率直に悩みや費用の相談ができ、作業や工程を具体的に検討しやすくなります。
ただ片付け・清掃しても不動産会社にしても業者の数は多いため、信頼できる業者選びでつまずいてしまう人もいます。
安心して任せられる相手を求めている心理が明らかになりました。
4位 手続きが簡単になる
- 面倒な手続きを全部丸投げできるサービスがあればお願いしたいです。家の中の片付けから、更地にして売却するまでを一括で引き受けてくれて、売却益で相殺して持ち出し費用がかからずに終わらせられるなら、すぐにでも親を説得すると思います(20代 女性)
- 簡単に売却できる制度(40代 男性)
- 売却したいが、具体的な手続きや手順がよくわからないので、不明点や不安がなくなればできるかもしれない(40代 女性)
4位は「手続きが簡単になる」です。
実家を処分する場合には、「権利関係」「解体に関する補助金」「売却手続き」などの理解や、各関係機関での手続きが必要になります。
しかし慣れない手続きや書類も多いため、ハードルが高いように感じて、動けないケースもあります。
そのため手続きが簡略化されたり、一括して任せられる窓口があったりすることで、煩わしさや精神的な負担が軽減され、「実家のことを見直そう」「何とかしよう」という気持ちになることがわかりました。
負担が軽くなることで、「忙しい自分でも、できるかも」などと感じやすくなるのですね。
5位 使いやすい相談窓口がある
- 遠方からでも相談できる窓口があれば動けると思います(20代 女性)
- 信頼できる相談先や窓口が明確になり、費用感や手続きの流れが一度でわかるような説明を受けられることが、きっかけになると思います(30代 男性)
- 自分たちだけで解決するのではなく、なるべく行政が間に入って解決の道筋を一緒に考えてくれたらよいと思う(40代 女性)
5位は「使いやすい相談窓口がある」でした。
「空き家を放置していることが気になっているけれど、具体的にどうしていいかわからない」という人にとっては、相談窓口があることも重要なきっかけです。
とくに、自治体に相談窓口を設けてほしいという声が多く、安心できる相談先として自治体が選ばれやすいこともわかりました。
相談窓口があることで、何が必要かを教えてもらえますし、選択肢を提示してもらえます。
遠方になる空き家の扱いについて悩んでいる人からは、遠方からでも相談できる環境を求める声もありました。
まとめ
アンケート結果からは、多くの人が空き家を放置することに不安を感じているとわかりました。
空き家の放置には、「家の劣化が進んで倒壊する」「犯罪に巻き込まれる」「維持費がかかり続ける」といったリスクがあるからです。
一方で、時間・手間・費用・家族間の意見相違といった問題があって、リスクを理解し不安を抱えつつも、実際には空き家を放置してしまっている人も多くなりました。
現実的なハードルを乗り越えるためのきっかけとして、補助金や相談窓口、信頼できる業者の存在などが求められています。







