所有者不明の空き家放置は危険?解決策を解説

日本全国で増え続ける所有者不明の空き家。

相続人が分からず、管理されないまま放置されると、倒壊や治安悪化のリスクが高まります。

さらに、2024年4月から相続登記の義務化がスタートし、対策が急務となっています。

本記事では、所有者不明の空き家が生まれる背景や放置するデメリット、所有者を特定する方法、そして有効な処分方法まで詳しく解説。

空き家問題に直面している方や今後の対策を考えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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所有者不明の空き家とは?

所有者不明の空き家が発生する理由

所有者不明の空き家とは、登記上の所有者が不明であったり、所有者が判明していても連絡が取れない状態の空き家を指します。

日本では、相続登記が未了のまま代替わりし、所有者が分からなくなるケースが増えています。

特に、地方の空き家では所有者が遠方に住んでいることが多く、管理が行き届かないことが問題となっています。

所有者不明の空き家が増加すると、建物の老朽化が進み、倒壊の危険性が高まるだけでなく、犯罪の温床になるリスクもあります。

また、自治体としても対応が困難で、行政代執行による解体費用の負担が課題となっています。

この問題を解決するためには、相続登記の義務化や相続土地国庫帰属制度の活用が重要です。

所有者や相続人が空き家の状況を把握し、適切な処分や管理を行うことが求められています。

売却すれば負担を減らし、有効活用につなげることが可能です。

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所有者不明の空き家を放置するリスク

空き家放置のリスク

所有者不明の空き家が増える背景

近年、日本では所有者不明の空き家が増加し、社会問題となっています。

なぜこのような空き家が増えているのでしょうか。その背景には、大きく3つの要因が考えられます。

1. 相続放棄の増加
相続人が空き家を引き継ぐ際、固定資産税や管理費用がかかるため、相続を放棄するケースが増えています。

特に、利用予定のない土地や建物を相続してしまうと、維持管理の負担が大きくなり、処分にも手間がかかります。

結果として、誰も所有しない状態のまま放置され、所有者不明の空き家となるのです。

2. 少子高齢化と都市部への人口集中
地方では高齢化と人口減少が進み、空き家の数が増加しています。

かつて家族が住んでいた住宅も、相続人が都市部に移住し、管理できなくなるケースが多く見られます。

過疎地域では、空き家の利活用が難しく、手放したくても買い手が見つからず、放置されることが少なくありません。

3. 登記の未更新と管理不全
不動産の登記情報が更新されないまま時間が経過し、誰が正式な所有者なのか分からなくなるケースもあります。

古い不動産では、登記名義人がすでに亡くなっており、相続人も不明なまま放置されることがあります。

さらに、長期間放置された空き家は劣化が進み、倒壊や治安悪化といったリスクも高まります。

このような背景を踏まえると、所有者不明の空き家問題を解決するには、相続登記の義務化や所有者の早期特定など、適切な対策が不可欠であることが分かります。

固定資産税が最大6倍に?「特定空き家」のリスクとは

特定空き家に行政代執行とは?

所有者不明の空き家を放置すると、さまざまなリスクが発生します。

その中でも特に注意すべきなのが、「特定空き家」に指定されることです。

「特定空き家」とは?
「特定空き家」とは、管理が不十分で周辺に悪影響を及ぼす可能性があると判断された空き家のことを指します。

例えば、以下のような状態の空き家が該当します。

  • 倒壊の危険がある
  • ゴミの放置などで衛生面に問題がある
  • 景観を著しく損なっている
  • 周囲の生活環境に悪影響を及ぼしている

「特定空き家」に指定されるとどうなる?
「特定空き家」に指定されると、住宅用地の固定資産税軽減措置(1/6~1/3の減税)が解除され、本来の固定資産税額の最大6倍を支払わなければならなくなります。

例えば、これまで年間10万円だった固定資産税が、60万円に跳ね上がる可能性もあります。

これは所有者にとって大きな負担となります。

行政代執行のリスク
さらに、自治体から「改善命令」が出されることもあります。

命令を無視し続けると、最終的に「行政代執行」により空き家が強制的に解体され、その費用を所有者が負担することになります。

場合によっては100万円以上の解体費が請求されることもあるため、注意が必要です。

このように、空き家を放置することで税負担が増し、さらには強制撤去のリスクまで発生します。

早めに適切な管理や処分方法を検討することが重要です。

「もう管理が難しい」「空き家を活用する予定がない」とお考えなら、売却を前向きに検討してみませんか?

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所有者不明の空き家に対する国の施策

相続登記の義務化

【2024年4月から】相続登記の義務化

2024年4月から「相続登記の義務化」が施行されます。

これにより、不動産を相続した人は、相続が発生してから3年以内に登記を行うことが法律で義務付けられます。

もしこの義務を怠った場合、10万円以下の過料(罰則金)が科される可能性があります。

この制度が導入された背景には、所有者不明土地の増加を防ぐことが挙げられます。

これまで、不動産を相続しても登記をしないまま放置するケースが多く、その結果、所有者が不明となる土地や空き家が増えてしまいました。

所有者が分からないと適切な管理や活用ができず、老朽化や倒壊のリスクが高まるだけでなく、自治体や周囲の住民にも悪影響を及ぼします。

相続登記の義務化によって、相続人が早めに登記を行うことで、所有者の所在が明確になり、空き家の管理責任がはっきりするようになります。

これにより、適切な維持管理や売却、活用がしやすくなり、空き家問題の解決にもつながると期待されています。

また、手続きが面倒と感じる方も多いかもしれませんが、現在は司法書士や行政書士などの専門家に相談できる窓口も整備されつつあります。

早めに登記を済ませておくことで、将来的なトラブルを防ぎ、スムーズな資産管理が可能になります。

【2023年4月から】相続土地国庫帰属法の創設

2023年4月から施行された「相続土地国庫帰属法」は、不要な土地を国に引き取ってもらえる制度です。

これまで、相続したものの活用予定がなく、管理が困難な土地であっても、相続人が持ち続けるしかありませんでした。

しかし、この法律の施行により、一定の条件を満たせば国に土地を引き渡すことができるようになりました。

ただし、すべての土地が無条件で引き取ってもらえるわけではなく、以下のような条件が設定されています。

国が引き取るための条件

  • 建物がない土地であること(空き家がある場合は対象外)
  • 担保や権利関係の問題がないこと(共有名義の土地などは難しい場合がある)
  • 汚染や崩落など管理に大きな負担がかからないこと

また、手続きには「10年分の管理費相当額」を負担する必要があり、完全に無料で引き取ってもらえるわけではありません。

そのため、「相続したくないからすぐに国へ渡す」という使い方は難しいものの、管理負担を軽減する選択肢のひとつとして有効です。

この制度を利用することで、相続人は不必要な土地を所有し続けるリスクを回避し、管理にかかる手間や費用を減らすことができます。

ただ、土地の条件によっては国に引き取ってもらえないケースもあるため、事前に司法書士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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所有者不明の空き家の所有者を特定する3つの方法

放置空き家は買取業者に相談

所有者不明の空き家を適切に管理・処分するためには、まず誰がその不動産を所有しているのかを特定することが重要です。

しかし、所有者が分からない空き家の場合、すぐに連絡を取るのは難しいことが多いため、いくつかの方法を組み合わせて調査する必要があります。

ここでは、所有者を特定するための3つの方法を紹介します。

① 登記事項証明書を取得して現在の所有者(登記名義人)を確認

まず最初に試すべき方法が、法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することです。

これにより、その空き家の現在の登記名義人(所有者)が誰なのかを確認できます。

登記事項証明書の取得方法

  • 最寄りの法務局に出向く、またはオンライン(登記情報提供サービス)で請求する
  • 不動産の所在地をもとに、登記事項証明書を取得する
  • 証明書に記載された所有者情報を確認する

ただし、登記が長年更新されていない場合、登記名義人がすでに亡くなっていることもあります。

その場合、登記簿の情報だけでは現所有者(相続人)を特定することはできません。

次の手続きとして、住民票や戸籍謄本を調べ、相続人を特定する必要があります。

② 住民票を取得して所有者が生存しているか確認

登記事項証明書に記載されている所有者が存命かどうかを確認するには、市町村役場で住民票や戸籍の附票を取得する方法があります。

住民票で分かること

  • 所有者がまだ生存しているかどうか
  • もし所有者が亡くなっている場合、最終的な住所(相続人の手がかり)

ただし、住民票や戸籍の情報は、第三者が自由に取得できるものではありません。

取得には正当な理由が必要であり、役場での審査があります。

そのため、所有者不明の空き家を調査する場合は、司法書士や弁護士など専門家に相談するとスムーズです。

もし所有者がすでに亡くなっていた場合は、相続人を探す必要があります。

相続人を特定するには、戸籍謄本をさかのぼって確認し、相続人の住所や連絡先を調べることになります。

③ 周辺住民や各種公共機関に聞き込み調査を行う

所有者の手がかりがつかめない場合、周辺住民や自治体の相談窓口に情報を求める方法もあります。

近隣住民は、空き家の所有者やその家族について何らかの情報を持っている可能性があります。

聞き込み調査で役立つ情報源

  • 近隣住民:所有者と親しくしていた人から情報を得られる可能性がある
  • 自治体の空き家対策窓口:固定資産税の納付者情報を把握している場合がある
  • 町内会や管理組合:所有者や相続人についての情報があることも

特に、自治体では空き家対策の一環として、所有者を調査していることもあるため、市役所の空き家対策窓口に相談するのも有効な手段です。

ただし、個人情報保護の観点から、自治体が所有者の情報を第三者に開示することはできません。

そのため、行政のサポートを受けながら適切な方法で調査を進める必要があります。

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まとめ

この記事では、「所有者不明の空き家」について、そのリスクや背景、国の対策、所有者の特定方法、さらには適切な処分方法まで詳しく解説しました。

所有者不明の空き家を放置すると、固定資産税の増額や倒壊・犯罪のリスクが高まるため、早めの対応が重要です。

2024年4月からは相続登記の義務化も始まり、空き家問題の解決に向けた動きが加速しています。

もし所有者不明の空き家に関わる場合は、登記事項証明書の取得や聞き込み調査などで所有者を特定し、売却や寄付、空き家バンクの活用など最適な方法を選びましょう。

放置せず、適切に管理・活用することで、地域の安全と価値向上にもつながります。

まずは一歩踏み出し、空き家問題の解決に取り組んでみてください。

この記事の監修者

株式会社AlbaLink 代表取締役 河田 憲二

株式会社AlbaLink社長の河田憲二です。弊社は空き家やなど訳あり物件の買取再販を行う不動産業者です。弊社が運営しているサービスサイトである「訳あり物件買取プロ」の運営者も務めています。同社は東京証券取引所東京プロマーケット市場にも上場している不動産会社になります。

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