空き家でも固定資産税が減免される住宅用地特例とは?
空き家を所有していると固定資産税の負担が気になりますが、「住宅用地特例」を適用できれば税額を軽減できます。
しかし、条件を満たさない場合は特例が適用されず、税額が大幅に上がる可能性もあります。
本記事では、住宅用地特例の概要や計算方法、適用条件について詳しく解説します。
住宅用地特例の概要
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地に対して固定資産税を軽減する制度です。
通常、土地の固定資産税は、以下の計算式で算出されます。
固定資産税評価額は、各市区町村の役所やオンラインサービスを通じて確認でき、必要に応じて評価証明書を取得することも可能です。
参照元:総務省
住宅が存在する場合は以下の軽減措置が適用されます。
小規模住宅用地(200㎡以下) | 一般住宅用地(200㎡超) | |
固定資産税の課税標準 | 6分の1 に軽減 | 3分の1 に軽減 |
参照元:固定資産税の住宅用地特例の概要
この特例により、固定資産税の負担を抑えることができます。
税額軽減の計算方法
固定資産税評価額が1500万円、土地面積が250㎡の場合は、以下のように計算します。
1,500万円 ×(200/250)×1/6 =200万円
200万円×1.4%=2万8000円
一般住宅用地(200㎡超えた部分)
1,500万円 ×(50/250)×1/3 =100万円
100万円×1.4%=1万4000円
上記で求めた税額を合算すると、納税すべき税額は4.2万円であることが分かります。
空き家を解体すると固定資産税がどう変わる?
空き家を解体した場合、住宅用地特例が適用されなくなるため、固定資産税が大幅に増額される可能性があります。
ここでは、解体後の税額の計算方法や、解体後でも固定資産税が減免される市町村の事例について詳しく見ていきます。
解体後の固定資産税
固定資産税評価額が1500万円、土地面積が250㎡の土地に建っている家屋を解体した場合、土地の固定資産税は21万円です。
住宅用地の特例が適用できる場合と比べると、5倍程度増額されます。
空き家解体後でも固定資産税が減免になる市町村
一部の自治体では、空き家を解体した後でも固定資産税の軽減措置を設けています。
徳島県鳴門市の事例
対象となる土地: 老朽化した空き家が所在し、鳴門市の職員による調査で「老朽空き家」と認定された住宅用地。
賃貸住宅の場合、所有者が不動産業者でないことが条件となります。
減免の期間と減免額: 減免期間は最長10年間で、6年目以降は段階的に減免額が減少します。
具体的には、取り壊し前の税額と取り壊し後の税額の差額が減免対象となり、6年目以降はその差額に対して徐々に減額されます。
注意点(減免が受けられなくなるケース):
- 空き家を取り壊す前に、必ず市に事前相談を行い、現地調査を受ける必要があります。
- 既に取り壊してしまった場合、減免の対象外となります。
- 減免期間中でも、土地の所有者が変わった場合や、適切な管理が行われず周辺環境に悪影響を及ぼすと判断された場合は、減免が終了します。
申請先: 鳴門市まちづくり課
参照元:鳴門市公式サイト
福岡県豊前市の事例
対象となる土地: 豊前市が「老朽危険家屋」と認定した住宅が所在する土地およびその一体敷地。
認定前に解体した場合は対象外となります。
減免の期間と減免額: 減免期間は最長10年間で、5年目までは取り壊し前後の税額差額が全額減免され、6年目以降は段階的に減額されます。
注意点(減免が受けられなくなるケース):
- 解体前に「老朽危険家屋」の認定を受ける必要があります。
- 市税等の滞納がある場合や、土地の適正な管理が行われていない場合は、減免が終了します。
申請先:
- 老朽危険家屋の認定に関する問い合わせ:生活環境課生活環境係
- 固定資産税の減免に関する問い合わせ:税務課固定資産税係
参照元:豊前市公式サイト
和歌山県海南市の事例
対象となる土地:
- 概ね90日以上空き家となっていた住宅が所在する土地。
- 空き家対策特別措置法に基づく勧告を受けていないこと。
- 令和4年4月1日から令和9年3月31日までの間に解体が完了していること。
- 申請者が土地の所有者または相続人であり、法人でないこと。
- 市税の滞納がないこと。
減免の期間と減免額:
- 解体後の翌年度から5年間、住宅用地特例が適用されていた場合の税額との差額を減免。
- 例えば、令和4年4月に解体した場合、令和5年度から令和9年度まで減免が適用されます。
注意点(減免が受けられなくなるケース):
- 解体前に市への事前確認手続きが必要です。
- 減免期間中に土地の所有者が変更(相続を除く)された場合や、新たな建物の建築、貸し駐車場などの土地利用を開始した場合、減免が終了します。
申請先:
- 解体に関する相談:都市整備課 計画・開発班(電話:073-483-8480)
- 固定資産税の減免に関する問い合わせ:税務課 資産税班(電話:073-483-8417)
参照元:海南市公式サイト
空き家の固定資産税対策は?
空き家の固定資産税の負担を軽減するためには、適切な対策を講じることが重要です。
空き家の固定資産税対策として以下の5つの理由を紹介します。
- 賃貸として活用する
- 家を解体して土地として活用する
- 売却する
- 買取を依頼する
- 空き家バンクに登録
賃貸として活用する
空き家をそのまま放置するのではなく、賃貸物件として貸し出す ことで住宅用地特例を継続適用しながら収益を得ることが可能です。
空き家を賃貸にすると、家賃収入で税負担を補えます。
また、人が住むことで老朽化を防ぎ、資産価値を維持できます。
さらに、防犯対策や地域の活性化にもつながり、相続時の管理や税対策にも役立つメリットがあります。
ただし、空き家を賃貸に出す場合は、リフォーム費用が発生する可能性があるため、費用対効果を事前に計算することが大切です。
需要が見込めるエリア では、賃貸としての活用が有効な選択肢となります。
家を解体して土地として活用する
空き家が老朽化し、維持管理が困難な場合は、解体して土地を別の用途に活用する ことも一つの方法です。
例えば、駐車場や貸地にすれば収入を得ながら税金を補えられます
さらに、老朽化による管理費も減らせるため、固定資産税対策として有効です。
たとえば、以下のような活用方法があります。
- 住宅の老朽化を防ぎ、資産価値を維持できる
- 自治体や企業に貸し出す(地域の活性化に貢献)
- 新たな建物を建てて活用する(賃貸アパートや新築住宅の建設)
ただし、更地になると固定資産税が増額するため、土地活用の計画を事前に立てることが重要 です。
家を解体して土地を活用するのは、空き家の管理が難しい人におすすめです。
売却する
空き家の管理が難しく、今後も活用する予定がない場合は、売却 を検討するのも有効な方法です。
売却することで、固定資産税の支払い義務がなくなり、維持管理の負担も軽減されます。
売却のポイント
- 早期に売却することで固定資産税の負担を回避
- 不動産会社を通じて適正価格で売却
- 補助金や税優遇措置を活用することで売却しやすくなる
仲介で売却するデメリットは、買い手が見つかるまで時間がかかることや、希望価格で売れない可能性があることです。
また、仲介手数料がかかり、売却までの維持管理費も必要になります。
さらに、内覧対応などの手間も発生します。
自治体によっては、空き家の売却を支援する制度があるため、市町村の支援策を事前に確認すること が重要です。
参照元:国土交通省
仲介で売却するのは、できるだけ高く売りたい人や、売却を急いでいない人におすすめです。
また、買い手をじっくり選びたい人や、リフォームせず現状のまま売りたい人にも向いています。
買取を依頼する
売却の手間を省きたい場合や、築年数が古く買い手が見つかりにくい場合は、不動産会社に買取を依頼する のも一つの方法です。
買取なら、空き家の状態が悪くてもそのまま売却でき、リフォームや解体の手間がかかりません。
ただし、市場価格よりも買取価格が低くなることが多いため、複数の不動産会社に査定を依頼し、適正価格を把握することが重要です。
弊社アルバリンクは、買取業者では数少ない上場企業で、2023年にTOKYO PRO Market(トウキョウプロマーケット)に上場しております。
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空き家バンクに登録
各自治体が運営する「空き家バンク」に登録することで、空き家の売却や貸し出しをスムーズに進めることができます。
また、自治体が関与するため安心して取引でき、補助金や税優遇措置が適用される場合もあります。
しかし、空き家バンクのデメリットは、登録や成約に時間がかかることや、買い手・借り手がすぐに見つからない場合があることです。
空き家の買取を依頼するならアルバリンクへ
解体費用や固定資産税の負担が気になる場合は、まず買取業者に査定を依頼してみませんか?
思わぬ高値で売却できる可能性もあります。
無料査定を活用して、最適な選択肢を見つけましょう!
弊社「株式会社Alba Link(アルバリンク)」は、日本全国の幅広い訳あり物件を積極的に買い取っている買取業者です。
築古物件や立地が良くない物件に関しても、活用ノウハウを豊富に持ち合わせているため、適正な金額をつけて買い取れます。
実際に、廃墟化した空き家の買取も過去におこなっており、フジテレビの「イット」をはじめ、多くのメディアに特集されています。
空き家でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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まとめ
この記事では、空き家の固定資産税の減免制度について詳しく解説しました。
住宅用地特例の仕組みや、空き家を解体した際の税負担の変化、減免が適用される自治体の事例を紹介しました。
また、固定資産税対策として賃貸・売却・買取などの方法も取り上げました。
空き家を放置すると、税負担が増すリスクもあります。
適切な活用方法を検討し、賢く対策を進めることが重要です。
自分に合った対策を講じ、空き家を有効活用してみてください。