実家じまいとは?

実家じまいとは、親が住んでいた実家を子ども世代が引き継がず、管理や維持が難しくなったことをきっかけに、売却・解体・賃貸などを通じて住まいを整理・処分することを指します。
これは高齢化社会が進む日本において、多くの家庭で直面する課題となっています。
実家を長期間放置すると、湿気やカビ、ネズミ・シロアリといった害獣の侵入、さらには建物自体の劣化や倒壊のリスクが高まります。
実家を引き継いだとしても、空家を適切に管理しなければ、周辺の住宅環境や資産価値にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
そのため、実家じまいは単なる物件の処分ではなく、「資産の有効活用」「将来的な負担の軽減」「近隣住民とのトラブル防止」といった目的が含まれています。
実家じまいを検討する際は、早い段階から定期的な点検や修繕、不動産会社への相談など、専門家と連携して具体的な対策を講じることが効果的です。
将来的なリスクと向き合いながら、自分たちにとって最も適した方法を選ぶことが重要です。
実家じまいの3つのタイミング

実家じまいを行うタイミングは非常に重要で、遅れるほど費用や手間が増し、空き家によるリスクも高まります。
判断のきっかけとなる主な出来事は、以下の3つです。
判断のきっかけになる出来事について、詳しく見てみましょう。
親が亡くなったとき
親が亡くなったときは、実家じまいを行う最も一般的なタイミングの一つです。
相続や遺品整理、仏壇の供養など、やるべきことが多くありますが、実家を放置するほど空き家の管理や修繕の費用が発生し、対応が難しくなります。
このタイミングでは、遺品整理や不動産の査定、売却・活用の検討なども同時に進める必要があります。
専門の遺品整理業者や不動産会社に依頼することで、安心かつスムーズに実家じまいを進めることが可能です。
また、実家の仏壇を引き継がない場合は、処分方法についても検討しなければなりません。
感情的にも大変な時期ですが、先送りせず、家族で協力して対応することが後々の負担軽減につながります。
親が施設に入ったとき
親が高齢者施設に入所したときも、実家じまいを検討する重要なタイミングです。
住宅が空き家となることで、管理不足による傷みや雨漏り、害虫の繁殖、空き巣被害などが発生する可能性が高まるため、決断を先延ばしにするべきではありません。
居住する予定がない実家であっても、定期的な換気や通水といったメンテナンスも必要になるため、遠方に住んでいる家族にとっては大きな負担です。
親が施設に入るなど、実家を離れるタイミングで「売却」「賃貸」「解体」のいずれかに決めておくと、費用対策や時間の節約になります。
将来的なリスクを軽減するためにも、「まだ住んでいないが、まだ手放す決心がつかない」という状態を避け、早めに家族で話し合うことが重要です。
空き家状態が続くとき
空き家状態が長期間続いている場合も、実家じまいを即時検討すべきタイミングです。
放置された住宅は老朽化が進み、屋根や外壁の破損、水道管のサビ、ガス管の劣化など、構造的な不具合が発生する恐れがあります。
湿度の高い日本の気候では、カビや木材の腐食、シロアリ被害などの被害も深刻です。
近隣住民からの苦情や自治体からの指導が入るケースもあり、結果的に修繕費や税金などの費用が膨らむことになります。
放置せずに売却や取り壊しに動くことが、最も大きなリスク対策になります。
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実家じまいと仏壇処分の流れ
実家じまいでは、住宅の管理や処分とあわせて、仏壇や位牌などの宗教的な遺品の整理も避けられません。
特に仏壇の処分には宗派や供養の手順が関係し、一般的な不用品回収とは異なる配慮が必要です。
流れを理解しておくことで、家族間のトラブルや宗教的な問題を防ぎ、スムーズに実家じまいを進めることができるでしょう。
仏壇処分を含めた実家じまいの流れは、以下の通りです。
それぞれの内容を詳しく確認します。
ステップ1:実家の処分方針を決める

実家じまいの第一歩は、家の今後の方針を決めることです。
方針を決めずに、問題を先送りしてしまうと、税金や保険料、水道光熱費といった維持費を払い続けることになり、家族の大きな負担となります。
また、仏壇が残っている場合、その処分方針も合わせて決めなければなりません。
実家を売却するのであれば、仏壇を移動・処分しなければなりませんし、仏壇を新居に持っていく場合でも、宗派に則った「閉眼供養」などの儀式が必要になります。
こうした儀式は菩提寺や僧侶への依頼が必要で、宗派や地域の風習によって方法が異なるため、早めに家族や親族と相談し、宗教的な問題をクリアにしておくことが重要です。
また、実家に遺骨や位牌が残っている場合、永代供養や霊園への納骨など、今後の供養方法もこの段階で方向性を定めておくと、後の手続きが円滑に進みます。
ステップ2:不用品・仏壇の整理
実家の方針が決まったら、次に行うのは不用品や仏壇の整理です。
家具や衣類、電化製品などの一般的な粗大ごみと異なり、仏壇や仏具は宗教的な意味合いが強いため、扱いには注意が必要です。
仏壇の整理ではまず、中身の確認を行い、本尊、位牌、遺骨などが安置されている場合は、それらを慎重に取り出します。
この際、位牌や遺骨の一時的な安置先として自宅や霊園を検討しておくと安心です。
仏壇や仏具の中には、代々引き継がれてきたものも多く、処分する際には家族全員の合意を得ることが望ましいです。
ステップ3:仏壇処分を行う
最後のステップは、仏壇の処分ですが、処分の方法はいくつかあります。
最も一般的なのは、菩提寺や僧侶に依頼して閉眼供養を行った後、仏壇店や専門の仏具回収業者に焚き上げ供養と併せて処分してもらう方法です。
また、自治体によっては仏壇の回収に対応している場合もありますが、宗教的配慮は必要となるため、事前に確認が必要です。
仏壇処分は先祖や故人への敬意を表す大切な儀式でもあります。
丁寧に供養を行うことで、家族全員が納得できる形で実家じまいを終えることができるでしょう。
なお、仏壇を放置するリスクや処分方法などについては、以下の記事でくわしく解説しています。

実家じまいで仏壇を処分する方法

実家じまいでは、住宅や財産の整理とともに仏壇の処分という宗教的な手続きも発生します。
仏壇はただの家具ではなく、故人や先祖を供養するものです。
適切な手順で処分を行わないと、家族や親族の間でトラブルが生じることもあります。
したがって、仏壇の処分には宗派や儀式、供養の考え方を理解した上で慎重に進めることが必要です。
以下では、仏壇処分の基本から具体的な方法までをわかりやすく解説します。
仏壇処分の基本:魂抜き(閉眼供養)とは?
仏壇の処分を始める前に最も重要なのが「魂抜き」または「閉眼供養」と呼ばれる儀式です。
これは仏壇に宿っている“魂”を抜き、単なる物体に戻すための宗教的手続きであり、処分する際には欠かせません。
通常、菩提寺の僧侶に依頼し、本尊や位牌、本体に対して読経を行い、魂を抜いてもらいます。
閉眼供養をせずに仏壇を処分してしまうと、宗教的・精神的に問題と捉えられるケースがあるため、注意が必要です。
仏壇の中に遺骨や位牌がある場合は、それぞれ別途の供養・安置方法も検討しましょう。
魂抜きが終わった仏壇は、一般的な廃棄物として処理可能となります。
仏壇の主な処分方法
仏壇の処分には複数の方法があり、事情や予算、宗教観に応じて最適な手段を選ぶことが重要です。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、事前に確認しておきましょう。
粗大ごみとして自治体に出す
最もシンプルな方法が、仏壇を閉眼供養した後に粗大ごみとして自治体に出す方法です。
粗大ごみは、費用が安く済み、一般的には数百円〜数千円程度の処分料で対応してもらえます。
たとえば、東京都新宿区では、大きさによって400円から3,200円で処分可能です。
参照元:東京都新宿区
ただし、仏壇を粗大ごみとして扱うかどうかの判断は自治体によって異なる可能性があるため、事前にお住いの自治体に確認が必要です。
お寺に供養・引き取りを依頼する
より丁寧な対応を望む場合は、菩提寺や近隣のお寺に仏壇の供養と引き取りを依頼する方法があります。
閉眼供養から焚き上げまでを一貫して対応してくれることが多く、安心感があります。
粗大ごみと比べると、親族などからも同意を得られやすいかもしれません。
供養の形式や引き取りの可否は寺院ごとに異なるため、菩提寺に事前相談するのがベストです。
仏具店・葬儀社に相談する
近年では仏具店や葬儀社も仏壇処分の相談窓口として対応しており、閉眼供養の手配や処分方法まで一括でサポートしてくれるケースも増えています。
また、仏具の買い替えや新たな供養の提案なども受けられるため、今後の供養の継続を検討している場合にも便利です。
不用品回収業者や遺品整理業者に依頼する
大型の仏壇や他の遺品と一緒に整理したい場合は、遺品整理業者や不用品回収業者に依頼するのも一つの方法です。
中には仏壇の閉眼供養を代行してくれる業者もあり、搬出から供養、処分まで一括対応が可能です。
費用は仏壇の大きさや運搬距離によって変動します。
遺品整理を兼ねて依頼する場合は、まとめて見積もりを取ることでコストを抑えることも可能です。
専門の仏壇処分業者に依頼する
最も安心して任せられるのが、仏壇処分に特化した専門業者で、宗派に応じた閉眼供養や焚き上げ、供養証明書の発行など、手厚いサービスが特徴です。
自宅への訪問や搬出作業も含まれており、高齢の方や遠方に住む子ども世帯にも利用しやすいサービスといえるでしょう。
インターネットやLINEで簡単に見積もり依頼できる業者も増えており、事前にサービス内容をしっかり確認しておくことが重要です。
仏壇処分の費用目安

実家じまいにおいて仏壇の処分は避けて通れない手続きですが、どれくらいの費用がかかるのか分かりづらいという声は多く聞かれます。
実際、仏壇はただの家具ではなく、本尊や位牌などが安置されており、宗派に基づいた儀式(閉眼供養)を行う必要があるため、費用の内訳も複雑になりがちです。
仏壇処分の費用は、処分方法によって大きく異なります。
例えば、粗大ごみとして自治体に出す場合は数百円〜数千円程度で済みますが、これは閉眼供養を別途で済ませていることが前提です。
僧侶による閉眼供養の「お布施」や、仏壇の回収・運搬費、焚き上げ供養の費用を含めると、数万円程度は用意しておいた方がよいでしょう。
詳しい金額については、仏具店や寺院、専門業者などに確認する必要があります。
実家じまいで仏壇を処分する際の3つの注意点

実家じまいで仏壇を処分する際は、単なる「片付け」ではなく、宗教的・心理的な配慮が必要です。
位牌や本尊、仏具といった故人や先祖を祀る大切な品々が含まれるため、誤った手順や一方的な判断による処分は、後々のトラブルや精神的な負担の原因となります。
仏壇処分の注意ポイントは、以下の3点です。
以上の3点について詳しく見てみましょう。
仏壇の中を確認する
最初に行うべきは、仏壇の中を丁寧に確認することです。
多くの仏壇には、位牌や本尊、遺骨、仏具、お札など、宗教的に意味のあるものが納められています。
中には、家族でも知られていない故人の手紙や貴重品が見つかるケースもあり、見落としを防ぐためにも複数人での確認が安心です。
仏壇の中身は外見では分からないことも多いため、扉や引き出し、隠し棚などもしっかり点検しましょう。
必要であれば、遺品整理の専門業者に依頼することで、安全かつ丁寧に確認・整理が可能です。
家族・親族との相談を忘れずに
仏壇の処分は、家族や親族との共有財産や信仰にかかわる重要な決定です。
勝手に進めてしまうと、「相談がなかった」「先祖に失礼だ」といった感情的な対立が生まれることもあります。
とくに跡継ぎが不明な場合や、位牌の供養先、永代供養の手続きなどについては、親族間で意見が分かれやすいため、事前の話し合いが必要不可欠です。
実家を相続した子どもだけで判断するのではなく、両親が生前にどのような信仰を持っていたか、親族にどのような意向があるかを確認したうえで、処分の手順を決めましょう。
また、宗派に関する情報や、菩提寺との関係性なども家族にしか分からないことが多いため、仏壇処分を実行に移す前に、できるだけ広い範囲で情報を集めて共有することが重要です。
宗派による作法の違いにも注意
仏壇の処分にあたっては、宗派ごとに供養の方法や作法が異なる点にも注意が必要です。
たとえば、特定の宗派では「閉眼供養」の考え方自体が存在せず、儀式は必要ないとされる一方で、他の宗派では僧侶による読経が必須となります。
このように宗派によって手順や意味合いが大きく異なるため、菩提寺や仏壇を購入した仏具店に確認し、宗派に即した適切な処分方法をとることが望まれます。
処分後の供養(例えば永代供養の手配や納骨など)についても、宗派ごとの考え方に沿って判断することが、信仰を大切にする家族にとって納得のいく対応となるでしょう。
また、作法に則っていない処分は、家族の不安感や後悔につながることもあるため、可能であれば宗教に詳しい専門家や僧侶に相談しながら進めることをおすすめします。
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まとめ
この記事では、「実家じまい」における仏壇の処分について、タイミングや手順、注意点を詳しく解説しました。
仏壇処分には魂抜き(閉眼供養)などの宗教的配慮が必要で、家族との相談や適切な方法の選択が大切です。
大切な思い出や信仰を尊重しながら、心を込めて手続きを進めましょう。
実家じまいや仏壇の処分に関する不安や疑問がある方は、専門業者への相談を検討してみてください。
この記事を参考に、実家じまいの選択肢を整理し、負担を減らす第一歩を踏み出しましょう。
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