家を選ぶときに方角を重視する人は71.2%
全国の男女500人に「家を選ぶときに方角を重視しますか」と聞いたところ、「とても重視する(21.2%)」「まあ重視する(50.0%)」と答えた人が合わせて71.2%にのぼりました。
「全く重視しない(7.2%)」は1割に満たず、方角は立地や間取り、価格や家賃などと並び、住宅選びにおける重要な判断基準のひとつとして広く認識されているといえます。
家を選ぶときに方角を重視する理由
- 寒いのが苦手だから、日当たりが良い方角にして、できるだけ一年中温かい部屋で過ごしたい(20代 男性)
- 日光を浴びることで体調が整うから。また、洗濯物を干すときに、日差しのほうが早く乾くため(20代 女性)
- 風水などで鬼門に入っていないかなど、一生の買い物なので気になります(30代 女性)
- 長く住むので縁起は担ぐ(40代 男性)
- 以前ベランダの日当たりが悪い家に住んだことがあり、洗濯物が乾かなくて困ったことがあったので、物干し場の日当たりがいい家を選ぶようにした(40代 女性)
- 西向きに窓のある部屋だと、西日が入って暑い。東向きに窓のある家だと、朝日が暑く午前中しか陽の光が入らない。北向きは暗くて寒い。南向きが良い(50代 女性)
- 日当たりの良い明るく気持ちの良い家を希望するから。家の日当たりは、心身の健康を左右すると思っているので(50代 女性)
大きくわけて「洗濯物や身体への影響などを考えて、日当たりのいい家を選びたい」という意見と、「風水や運勢を考えて、方角を決めたい」という意見がありました。
日常生活における快適さと安心感の両面で、方角を重視する人が多いとわかります。
日当たりの悪い家に住んだ経験があり、不具合を感じたので方角を重視するようになった人も。
また「一生の買い物なので」など、家を購入することを前提に、日当たりを気にしている人もいます。
家を選ぶときに方角を重視しない理由
- 運勢などはまったく意識していないため。日当たりの差はあるが、悪いなら悪いでメリットがあるので、どちらでも構いません(20代 男性)
- 方角よりも土地の形や道路との関係のほうが気になるので、方角はあまり重要視しません(30代 女性)
- 洗濯物を外に干すこともないため、あまり方角は気にしていません。風水的なこともあまりわからず、もしかしたら良くない方角に良くないものを置いてしまっているかもとは思います。ただ方角ばかり気にしてしまったら、住みやすくなくなってしまいそうで、あまり気にせず決めてしまっています(30代 女性)
- 洗濯はほとんど乾燥機か室内で干しで済むし、方角よりも利便性や静音性などで選びたい(40代 女性)
- 家の内装とか別のことには意識は向くけれど、方角は基本的に気にしていません。方角が何かしら影響があるのならまだしも、「方角によって何かあった、失敗した」というのが、今までなかったので(40代 男性)
- 方角よりも「値段」「立地」「家の広さ」「駅や学校までの距離」を重視するからです(50代 女性)
- 日当たりや風通しは、多少気になりますが、風水的なことは重視しません。日中、家にいる時間が少ないので(60代以上 女性)
「占いや風水を信じない」という意見と、「日当たりが悪くても気にしない」という意見ががありました。
日当たりが悪くても気にしない理由は、「日中家にいない」「洗濯物を外干ししない」「夏に涼しいなど、日当たりが悪いことのメリットもある」などです。
立地や間取りなど、日当たり以外の条件を重視するがゆえに、日当たりの優先順位が下がっているケースもありました。
なお占いや風水を気にしない理由としては、「今まで方角を気にしなくても大きな問題がなかったから」「気にしていたら、住む家を見つけられない」などがあります。
住みたい家の方角1位は「南」
「住みたい家の方角」の圧倒的1位は「南(56.4%)」で、半数以上の人から回答を集めています。
2位「南東(17.0%)」と答えた人の割合も高くなりました。
3位「東(9.8%)」、4位「希望はない(9.2%)」、5位「北(6.0%)」が続きます。
「南」「南東」「東」が上位を占め、午前中から日中にかけて日当たりのいい方角が好まれていることが明らかです。
日本における住宅選びにおけて日当たりを重視する求める意向は根強く、アンケート回答にも反映されています。
ただ「希望はない」という、方角に無関心な層も1割程度おり、日当たりの悪い北向きもランクインしています。
1位 南
- メインとなる窓が南向きの家を選びたいです。朝日が昇り、夕方に日が暮れるという自然なサイクルを享受できるのが南向きの家だと考えます。健康的な生活を送るために必要な要素だと思います(20代 男性)
- ベランダが南向きの家が理想です。部屋に洗濯物を干すとはいえ、ベランダが南向きであれば日中部屋に日も入り、乾きも早くなるかと思います(30代 女性)
- 夏は暑くなりやすいのですが、冬は暖かく過ごしやすいですし年間や1日を通して日当たりが良く、明るい環境で過ごせるからです(40代 男性)
1位は「南」でした。
南向きを選ぶ理由として最も多く挙げられているのは、日当たりの良さです。
朝から夕方まで自然光が入り、室内を明るく保てることで、生活リズムや精神的な快適さが向上すると考える人が多数。
また日光が入ることで「冬は室温が比較的暖かく過ごせる」「洗濯物が乾きやすい」というメリットもあります。
夏は暑くなりやすいという弱点があっても、南向きを支持する人が多くなりました。
2位 南東
- 朝イチで日がさすので洗濯物を気持ちよく干せて、真冬以外はお昼には乾くし、西日が入らないので(30代 女性)
- 風水の本で、「南東に向いていると光や運気が家の中に入ってきて、人生がうまくいく」と書いてあったから(50代 女性)
- 朝からしっかり日が入り、昼まで明るさが続くので、毎日を気持ちよくスタートできるからです。南向きは日当たりが良いとよく言われますが、夏の午後は暑すぎることもあります。南東向きは朝~昼にかけて光が入り、午後はやわらかくなるので過ごしやすい印象があります。洗濯物もよく乾くし、植物も元気に育つので、家にいる時間が楽しくなる気がします(50代 男性)
2位は「南東」でした。
南東向きを支持する理由としては、「朝から昼まで日当たりが良い」「午後の強い西日を避けやすい」が挙げられています。
住みたい方角で「西向き以外」と答えた人もいたことから、とくに夏場の強い西日を避けられることのメリットも大きいのだと考えられます。
午前中は洗濯物が乾きやすい一方で、夕方以降の暑さを少し抑えられるというバランスの良さがメリットです。
「風水的にいい方角」という意見もあり、風水を気にする人にとっての心理的な安心感にもつながっていることがわかりました。
3位 東
- 子ども部屋が東向きの部屋。あとはあまり重視しません。親から縁起がいいと聞いたから(20代 女性)
- どうせなら、朝日を浴びるのがいいかな(40代 女性)
- 朝の日当たりが良く、昼はあまり日が当たらないほうがいい(50代 男性)
3位は「東」となっています。
東向きに窓やベランダがあると、朝日が入りやすくなります。
そのため、朝に日光を浴びて活動的な1日を始めたいという理由で、東向きの家を希望する人も多くなりました。
朝が早い人や朝の活動を重視する人にとっては、メリットが大きいと言えます。
また午前中に明るく、午後は日差しが強すぎないため、室温が上がりにくいというメリットも寄せられています。
風水では子ども部屋が東向きだと縁起がいいとされることから、子ども部屋の向きを気にしている人もいました。
4位 希望はない
- 日当たりも風水もまったく興味がないので、選びたい方角というのがない(20代 女性)
- 家賃や間取りのほうが、優先順位が高い(30代 男性)
- 太陽が差し込むならどの方角でも構わない(40代 男性)
4位は「希望はない」でした。
家賃や立地、間取りなど他の条件を優先しており、方角の希望をもたない人もいました。
「ある程度の日当たりがあれば、方角はどっち向きでもいい」という人もいれば、「日当たりすら気にしない」という人もいます。
また、周りの環境によるという人も。
窓やベランダが南向きでも、南側に背の高い建物があれば日当たりは悪くなるわけですから、方角だけでは決められないという考えはもっともです。
5位 北
- 自分自身は日当たりや風水などを気にしないため、「気にする人にとって条件が悪い方角」は家賃が安くなる傾向にあるから(20代 女性)
- 最近の猛暑では、少しでも部屋に日差しが当たると部屋の中が暑くなるため。日当たりの悪い北向きのほうが、夏でも快適に過ごすことができるのではないかと思うようになった(30代 女性)
- 北が一番上昇できるそうなので(50代 男性)
「北」が5位です。
日当たりの悪さを逆手に取って、あえて北向きを選ぶという人もいます。
例えば冬の寒さよりも夏の暑さが気になる場合には、日当たりが悪いことで夏の室温上昇を抑えられる北向きにはメリットがあります。
また一般的には南向きの物件が人気な一方、北向きの物件は不人気のため家賃が低くなることも。
「方角や日当たりを気にしないなら、経済的メリットがあってラッキー」という考え方もできるとわかりました。
また「北向きの部屋は仕事・勉強に集中したい人に向いている」という風水を取り入れている人もいました。
まとめ
今回の調査では、南、南東、東といった日当たりの良い方角が圧倒的な支持を集めました。
とくに南向きは明るさや暖かさといった快適性から、根強い人気があることがあります。
一方で「午後の強い日差しを避けたい」「夏の室温上昇を抑えたい」などの理由から、南以外や一般的には不人気な北をあえて選ぶ人も。
「浴室乾燥や洗濯乾燥機などの性能が向上し、日当たりが悪くても洗濯物を乾かす手段を確保できるようになった」「暑い」など、時代や気候の変化も影響しているのかもしれません。
「家にあまりいない」「洗濯物は部屋干しする」などの理由で方角にこだわらない人は、あえて不人気な方角を選ぶことで、コスト面のメリットを得られる可能性があります。