実家を相続したくない理由1位は「活用する予定がない」

実家を相続することに抵抗がある423人に「相続したくない理由」を聞いたところ、1位は「活用する予定がない(38.8%)」、2位は「管理が大変(34.5%)」でした。
3位「不動産としての価値が低い(26.0%)」、4位「経済的な負担が大きい(22.7%)」、5位はかなり差が開いて「近所付き合いが大変(3.8%)」となっています。
「活用する予定がない」「管理が大変」「コストがかかる」といった、暮らしの中で現実的に負担になる点が多くランクイン。
実家を所有し続ける以上、維持管理の手間や維持費はかかり続け、負担になります。
とくに「自分では住まない」「賃貸にも出せない」といった状況だと、価値を生まない不動産に対して手間とコストだけがかさみ、負担感が増しますね。
1位 活用する予定がない
- 自分で家を建てたいし新しい場所に拠点を持ちたいから、相続はできない(20代 男性)
- 家が狭く、家族4人では住むことが難しい(30代 女性)
- 実家は関西。自分は今関東に住んでいて持ち家なので、相続しても住めない(40代 男性)
1位は「活用する予定がない」でした。
アンケート回答では「自分で住めないので、相続したくない」という人が多くなりました。
すでに実家を出て別の地域で生活基盤を築き、持ち家もある人にとっては、相続したからといって実家に戻るのは、簡単ではありません。
仕事や家族の都合もあるからですね。
エリアの問題はなくても、「家が狭い」「間取りが家族構成に合わない」といった問題も起こり得ます。
自分で住まない場合には、使わない家を持つ意味が見いだせないという気持ちが強くなります。
2位 管理が大変
- 相続する頃には築年数が50年くらいになるので、管理が大変そう。まだ相続することがどのくらい大変なのかも理解していませんが(30代 男性)
- 遠方であり、さらに築年数が経っているので管理が大変だからです(40代 女性)
- 実家から離れた地域に住んでいるので、実家の処分や修繕に訪れるのは大変すぎる(50代 女性)
2位は「管理が大変」でした。
管理が大変と感じる理由としては、主に「実家が古い」と「実家が今住んでいる場所から遠い」が挙げられています。
まず築年数が長い家は、傷んでいる箇所が多かったり、傷みが進みやすかったりして、新しい家に比べて管理の手間やコストがかかります。
また遠方にある家だと、「風通し」「草むしり」「掃除」といった日常的な管理をするために通うのが難しくなってしまいますね。
大きな家や庭が広い家なども、管理する範囲が広い分、手入れは大変です。
管理を業者に代行してもらう方法もありますが、業者探しも手間になります。
3位 不動産としての価値が低い
- オンボロ家なので価値がない。地方の劣悪な環境にあるので、所持理由がない(30代 男性)
- 実家はとても人気エリアとは言えない場所にある。相続しても処分ができないため、負の財産になることが目に見えているから(40代 男性)
- 過疎化が始まっている地域にあり、売るにしても大した金額で売れない(50代 女性)
3位は「不動産としての価値が低い」でした。
実家が「不動産としての価値が低い」と考える理由としては、「古い」「立地が悪い」などが挙げられています。
不動産としての価値が見込めないと、「持っていてもいいことがない」「いいことがないなら、継ぎたくない」という気持ちになります。
とくに実家が地方にあるという人からは、売れそうにないという不安が多く寄せられました。
売りたくても処分できない状況になると、管理の手間と維持費がかかり続けて、「負の遺産」「負動産」の状態になります。
4位 経済的な負担が大きい
- 実家が古く、相続をしてもリフォーム代・固定資産税などの維持費がかかる。さらに相続税もかかるので、相続することが負担になると考えているから(20代 女性)
- 固定資産税や将来的な解体費用など経済的リスクも大きく、生活設計に支障をきたす可能性があるため、相続は望んでいません(30代 男性)
- 田舎の家で古くて大きめなので、直しながら住むにはお金がかかりすぎて不経済(50代 女性)
4位は「経済的な負担が大きい」です。
実家を相続するにあたっては、不動産の価値によって相続税が発生します。
また相続したあとも、固定資産税や都市計画税といった税金が毎年かかり、ほかに「傷んだ箇所の修繕費用」「掃除に使う水道光熱費」などが維持費としてかかってきます。
分譲マンションの場合には、管理費や修繕積立金といった費用もかかります。
将来的に解体する場合には解体費用もかかりますし、売却するにしても手数料などは必要です。
そのため「実家を相続して維持することによって、家計に大きな影響が出るのでは」と不安を抱える人もいました。
5位 近所付き合いが大変
- お隣さんが苦手(20代 女性)
- 宗家で親戚付き合いがとても面倒。何をするにも親戚の目があり、安定していることを求められるから(30代 男性)
- 実家のある地域の人間関係に今更入りたくない(40代 女性)
5位は「近所付き合いが大変」でした。
近所付き合いへの不安は、他の項目に比べて割合としては少なくなりました。
ただ実際実家に戻って住むことを考えた場合には、「実家周辺の雰囲気が好きじゃない」という人にとっては、大きな精神的負担となります。
とくに、親戚や地域のつながりが濃い土地について、抵抗感をもつ人が多く見られます。
実家を相続したくない人が検討している対策は「相続を放棄する」

「実家の相続を避けるために検討している対策」の1位は「相続を放棄する(27.0%)」となりました。
2位「親に生前整理をお願いする(23.4%)」、3位「売却する(23.2%)」が続きます。
- まだ具体的には動いていませんが、親には「私たちは住まないから、自分たちの代で綺麗にしておいてね」とそれとなく伝えています。将来的には、売却して老人ホームの入居費用に充ててもらうのが一番平和な解決策かなと考えています(20代 女性)
- 親が元気なうちに売却や整理を進めようかと検討しています。状況によっては相続放棄も選択肢として考えており、将来的な負担をできるだけ減らしたいと思っています(30代 男性)
- 相続放棄も含めて検討しつつ、親が元気なうちに売却や解体も選択肢として話し合いたいと思っています(40代 女性)
- 親が元気なうちに処分できないかは検討していますが、親は売りたくない気持ちが強いようです。最悪の場合は相続放棄も検討しています(40代 男性)
- 親が元気なうちに兄弟と相続について相談。可能であれば売却し現金化(50代 男性)
- 親が死亡後、早期の売却(60代以上 男性)
- 自分は結婚して家を出た身なので、弟に任せたい(60代以上 女性)
どれも最終的には自身が実家を相続しないための対策です。
ただスタンスとしては「できるだけ関わらず、自分の手間が少なくなるようにしたい」という人と、「ある程度は関わるけれども、相続はしたくない」という人がいました。
例えば「親に生前整理をお願いする」「早めに売却してしまう」「家族での話し合い」といったパターンは、ある程度労力を使って実家や親に向き合いながらも、実際の相続自体は避けようとする姿勢です。
なお親が亡くなると、相続放棄して実家を兄弟姉妹に任せるにしても、相続放棄の手続き自体は発生してしまいます。
そのため、親が元気なうちに処分してほしいという言葉が多く見られました。
実家の相続自体を発生させないでほしいという気持ちの人も多いとわかります。
なお相続放棄の注意点としては「相続発生後にしか手続きができない」「不動産は放棄して、現金だけ相続することはできない(すべての相続財産を放棄することになる)」などがあります。
実家相続の悩みを解消するために必要なことは「家族で話し合う」

「実家相続の悩みを解消するために必要なことは何だと思うか?」という問いの回答で最も多かったのは、「家族で話し合う(55.3%)」で、半数以上の人から票を集めました。
2位「専門家に相談する(28.8%)」、3位「知識を身につける(17.7%)」が続きます。
「家族で話し合う」が圧倒的に多かったことから、実家相続の悩みを解消するためには、まず「家族間で気持ちや情報を整理し、共有すること」が重視されているとわかります。
自分の気持ちを伝えたり、親の理解を得たりすることも大切になります。
相続では気持ちや考え方のすれ違いからトラブルが起き、手続きがスムーズに進まないこともあるからです。
また「専門家への相談」「知識を身につける」といった回答も多く、制度や手続きについて理解したり専門的なサポートを得たりすることで、悩みが解消しやすくなると期待されていました。
「家族と話し合ったうえで、専門家に相談する」など、複数の方法を組み合わせて回答している人も多くなっています。
1位 家族で話し合う
- 親との話し合いです。親が実家に対してどれくらい愛着を抱いているのかや、将来どうしたいのかを聞かないと何も始まらないからです。ただ「死んだ後の話をするのは縁起でもない」と言われそうで、なかなか切り出せないのが現状です(20代 女性)
- 兄弟との話し合いです。揉めないよう、兄弟とも積極的にコミュニケーションを取ることが必要だと考えます(40代 男性)
- 親との話し合いにつきると思います。認知機能が衰える前にやっておく必要があると思います(60代以上 男性)
1位は「家族で話し合う」でした。
実家の相続について家族で話し合うことによって、「被相続人となる親の本音」や「兄弟姉妹など、相続人それぞれの考え」を共有可能です。
考えを共有しておくことで、子どもにとっては「親の希望」という指針が得られます。
また子ども同士が話し合うことで「誰が相続するのか」「相続したあとの費用や労力の分担はどうするのか」について考える機会となり、話し合いを続けることで認識のズレも減らせると期待できます。
ズレが減れば、将来のトラブル予防につながりやすいですね。
一方で相続についての話し合いには、切り出しづらさがあり、感情的な衝突のリスクもあります。
衝突を避けるためには、お互いが冷静に、かつ結論を急がないことが重要。
費用はかからないものの、時間と根気が必要な方法です。
2位 専門家に相談する
- 専門家への相談。一人っ子なので(20代 女性)
- 専門家への相談が一番だと思っています。実際、相談したら難航していた話し合いが前に進みました(50代 女性)
- 弁護士や司法書士のアドバイスに従い、過去の事例を参考にしながら、円滑に進む法的措置を取ることです(60代以上 男性)
2位は「専門家に相談する」でした。
専門家に相談することで得られるメリットは、大きくふたつあります。
ひとつは、感情が絡んで膠着しがちな相続の話を客観的な話し合いにできるという点。
第三者の存在が調整役となるからですね。
もうひとつのメリットは、専門家から専門的なアドバイスを得られるという点です。
相談料や依頼費用はかかるものの、専門家の活用は有効だと考えている人が多くなりました。
なお専門家としては、弁護士、司法書士、税理士、不動産業者などが挙げられています。
3位 知識を身につける
- 相続や不動産に関する知識。知識がないとだまされそうで怖い(30代 男性)
- 感情論だけでなく、費用や手続き面を含めた、現実的な情報を知ることだと思います(30代 女性)
- 家族全員が納得できる解決策を見つけるための情報やアドバイスが必要だと思います(50代 女性)
3位は「知識を身につける」でした。
家族や専門家と相談するにしても、相続放棄をするにしても、専門的な知識が必要だと考えている人が多くなりました。
相続や不動産の知識を身につけることで、費用や手続きといった現実的な面から実家の相続について考えられるようになります。
可能な選択肢や考慮すべき注意点について、十分に知らないままに判断してしまうリスクを減らせるのがメリットです。
ただし相続は制度が複雑で情報も多く、すべてを自力で理解しようとすると時間と労力がかかります。
不動産売却についても、素人が「更地にして売るべきか」「リフォームして売るべきか」などを判断するのは難しいもの。
自分でも知識は得つつも、必要な部分は専門家に相談するのもおすすめです。
4位 自分の希望を伝える
- 頻繁に相続したくないことを両親に伝えてます(30代 女性)
- 親が元気なうちに相続放棄すると伝えておくことです(40代 男性)
- 妹夫婦に住み続けてもらうよう、今から言っておくこと(40代 男性)
4位は「自分の希望を伝える」です。
実家を相続したくないという自分の希望を親や他の相続人に伝えておくことで、「自分が相続する前提」で話が進んでしまうことを防ぎやすくなります。
自分の意思を表明することで、家族の意向を確認する機会にもなると考えられます。
ただ切り出し方によっては親の気持ちを傷つけてしまったり、他の相続人から反発を受ける可能性も。
「絶対相続したくないから!」だけではなく、理由も合わせて説明するなど、伝え方には工夫が必要です。
5位 親の理解を得る
- 両親の理解(40代 女性)
- 第三者からの親への説得(50代 男性)
- すぐに売れると思っていなかったので、長い目で親を説得していくことも大事だった(50代 女性)
5位は「親の理解を得る」でした。
例えば「そもそも実家の相続が発生しないように、生前整理してほしい」と話しても、親の理解が得られないと相続は発生してしまいます。
実際にアンケートでも、「生前整理や相続放棄についてそれとなく親に伝えてはいるが、親にその気はなさそう」といった声がありました。
一方で親の理解を得られると、実務的にも精神的にも話を進めやすくなります。
親自身が納得して決めることで、後悔や感情的なしこりも残りにくくなるからですね。
ただ親の説得に時間がかかることもあり、第三者の助けを借りて進めたいという声もありました。
実家の相続について話し合ったことがある人は73.3%

「実家の相続について話し合ったことがあるか」を聞いたところ、「十分に話し合っている(16.3%)」「軽く話したことがある(57.0%)」を合わせて73.3%にのぼりました。
一方「話し合ったことがない(26.7%)」は3割に届いていません。
実家を相続することに抵抗がある人は、自分が相続するのを避けるために、実家の相続について話し合う意識が高いとわかります。
「実家相続の悩みを解消するために必要なことランキング」で「家族で話し合う」が1位だったこととも、整合しています。
ただ、「十分に話し合っている」という人は2割以下。
相続への問題意識はあるものの、踏み込んだ話し合いにまではなっていないことも伺えます。
アンケート回答でもあったように、実家相続は親の死を連想させる重たい話題です。
そのため親と子で相続という話題に対しての意識や拒否感が異なり、深く話すのが難しいご家庭もあると考えられます。
まとめ
実家を相続したくない理由としては、「自分が住まないので、活用できない」「管理が大変」「お金がかかる」といった現実的な負担が多く挙がりました。
とくに仕事や家庭の都合で実家に住めない状態にある人にとっては、管理やコストの負担感は大きくなります。
実家の相続を避けるための方法としては、最終手段としての相続放棄を視野に入れつつ、「親に生前整理をお願いする」などが挙がりました。
またどのような結論に達するにしても、家族との対話を大切にしている人が多数。
必要に応じて専門家を入れながら、家族それぞれが納得して相続を終えたいという意向が読み取れました。






