空き家ローンとは
空き家ローンとは、空き家に関連するさまざまな費用をサポートするために金融機関が提供する融資制度です。
空き家ローンは、以下のような目的に対応しています。
- 改修
- 解体
- 土地活用
- 購入
日本では、空き家問題が深刻化しており、住宅の有効活用や防犯対策として空き家ローンの需要が高まっています。
例えば、空き家をリフォームして、賃貸物件として活用したい場合に活用できるローン「地域活性化空き家ローン」があります。
参照元:十八親和銀行
土地を再利用するため、空き家の解体資金に活用できる「空き家解体ローン」もあります。提携自治体から解体に関する補助金を受給する場合は、低い金利でローンを組めるようになります。
参照元:福岡銀行
このようなローンは、自治体と金融機関が連携している物もあり、空き家対策の支援が進んでいます。
利用者は事前審査や返済計画を十分に検討し、自身の目的に合ったローンを選ぶことが重要です。
空き家ローンの定義と目的
空き家ローンとは、空き家の購入や改修、解体、土地活用などを目的として金融機関が提供する融資の一種です。
一般的な住宅ローンと異なり、物件の状態や使途に応じて柔軟な条件が設定されることが特徴です。
このローンの主な目的は、空き家の活用を促進し、地域社会の活性化や防犯対策につなげることです。
空き家問題が深刻化する日本では、空き家ローンを活用することで、放置された物件の利活用や地域の景観改善が期待されています。
また、空き家ローンは購入資金やリフォーム費用だけでなく、解体やその後の土地活用にも対応するため、使い勝手が良いとされています。
しかし、空き家の処分や再利用のためにローンを組むと、再利用によって利益が出たとしてもトータルで赤字になってしまうケースもあります。
空き家を処分したいと考えている場合は、売却がおすすめです。
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空き家ローンが増加している背景
空き家ローンが増加している背景には、空き家問題の深刻化や政府の支援政策が挙げられます。
日本では少子高齢化の進行に伴い、空き家が増加し、防犯や景観の面で社会問題化しています。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、空き家の件数、空き家率ともに増加が続いています。
調査年 | 2003年 | 2013年 | 2023年 |
---|---|---|---|
空き家件数 | 659万戸 | 820万戸 | 900万戸 |
空き家率 | 12.2% | 13.5% | 13.8% |
こうした状況を受け、政府は空き家を放置せず、適切な管理をすすめる「空き家対策特別措置法」を施行しました。
法律の施行後、金融機関は空き家の活用を支援するため、専用のローン商品を積極的に提供しています。
住宅金融支援機構の2023年度の調査によると、空き家ローンを取り扱っている金融機関は全体の48.8%を占めています。
参照元:住宅金融支援機構
また、空き家を利活用したいと考える個人や企業が増えたことも背景の一つです。
例えば、空き家をリノベーションして賃貸物件として運用するケースや、解体後の土地を駐車場や商業施設として活用するケースなどがあります。
例えば、宮城県石巻市にあるシェアハウス「Roopt石巻千石町-Eiser-」は木造2階建て一軒家をリノベーションして、シェアハウスにしています。
参照元:株式会社巻組
空き家ローンは、これらのニーズに応える柔軟な融資制度として注目されています。
空き家の利活用を検討している方は、この流れを活かし、自分に合ったローンを選ぶことをおすすめします。
空き家ローンの利用目的
空き家ローンは、空き家に関するさまざまな費用をカバーする目的で利用されています。
それぞれの利用目的について詳しく紹介します。
このローンを利用することで、費用負担を軽減しながら、空き家を有効活用するための計画が実現しやすくなります。
空き家問題が社会的な課題となる中で、こうしたローンは持続可能な対策の一環として重要な役割を果たしています。
空き家の購入資金としての利用
空き家ローンは、空き家を購入するための資金調達手段として広く利用されています。
新しい住宅を建てるよりも費用を抑えられるため、経済的に優れた選択肢とされています。
特に、リモートワークの普及に伴い、都市部から地方への移住を検討する人々の間で人気が高まっています。
さらに、空き家の購入には物件そのものの費用に加えて、不動産登記費用や手数料が必要です。
これらの費用も空き家ローンでカバーできるため、資金計画が立てやすくなります。
購入を検討している場合は、ローンの金利や条件を比較し、負担の少ない商品を選ぶことが大切です。
空き家のリフォーム・改修費用としての利用
空き家ローンは、リフォームや改修費用の調達にも最適です。
特に老朽化が進んだ物件は、壁や屋根の修繕、配管の交換、断熱性能の向上などが必要になることが多く、まとまった資金が必要です。
空き家ローンを活用すれば、これらの改修費用を賄うことが可能です。
最近では、環境に配慮したリフォームが注目されており、省エネ設備や太陽光発電の導入を進める方も増えています。
例えば、トマト銀行の「空き家活用ローン」は空き家の有効活用に向けたローンで、太陽光発電設備、高効率給湯器、オール電化システム等環境配慮型設備工事資金を借りることができます。
参照元:トマト銀行
空き家ローンと、自治体や政府の補助金制度を組み合わせることで、さらにコストを抑えることが可能です。
空き家の解体費用としての利用
解体費用の調達も、空き家ローンの重要な使途の一つです。
特に老朽化が進み、再利用が難しい物件は、安全面や地域景観のために解体が必要になります。
しかし、解体には費用がかかります。解体費用の目安を紹介します。
建物構造 | 1坪あたりの費用 |
---|---|
木造 | 40,000円 |
鉄骨造 | 60,000円 |
鉄筋コンクリート造 | 70,000円 |
浄化槽 | 50~80万円(1個あたり) |
たとえば、40坪の木造建築を解体する費用の目安は160万円となりますが、空き家が建っている立地や解体する季節によって料金は変動し、空き家の中に荷物が残っている場合は追加料金がかかります。
空き家ローンは、こうした解体費用に特化したプランを提供している金融機関も多く、資金調達をサポートします。
例えば、福岡銀行の「空き家解体ローン」は空き家の解体資金に活用できます。提携自治体から解体に関する補助金を受給する場合は、低い金利でローンを組めるようになります。
参照元:福岡銀行
また、自治体によっては解体費用を一部補助する制度があるため、ローンと組み合わせることでさらに負担を軽減できます。
例えば、福岡県北九州市は「老朽空き家等除却促進事業」を行なっており、解体にかかる金額の1/3、最大30万円の補助を行なっています。
参照元:北九州市
解体後の土地をどのように活用するかを考えながら、ローンを活用して安全かつ計画的に進めることが重要です。
空き家の解体には、補助金が出たとしても依頼主の出費は避けられません。
解体後に依頼主自身や家族が住む予定がなく、土地の活用予定が決まっていない場合は売却もおすすめです。
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空き家解体後の土地活用費用としての利用
空き家の解体後は、土地の活用が重要な課題となります。
例えば、土地そのものを売却・賃貸するほか、駐車場や太陽光発電設備の設置など、さまざまな選択肢があります。
こうした土地活用を計画する際、初期投資としての費用を空き家ローンでカバーすることが可能です。
特に、土地活用には土壌の整備や新たな設備の設置が必要であり、まとまった資金が必要になります。
金融機関によっては、土地活用に特化したローンプランを提供しており、これらを活用することで効率的な資金運用が可能です。
例えば、青森みちのく銀行の「青森みちのく空き家利活用ローン」は、空き家利活用の全般に対応するローンです。空き家を賃貸に改修する費用や、駐車場などを造成する費用に利用できます。
参照元:青森みちのく銀行
土地活用は、地域の価値を高めるだけでなく、継続的な収益を生むことも期待できます。
計画を明確にし、適切な資金調達を行うことで、空き家の解体後も資産価値を最大限に引き出すことができるでしょう。
空き家ローンを提供する金融機関
空き家ローンは、様々な金融機関が取り扱っています。
それぞれの金融機関に特色があるため、自分の目的や状況に最適な金融機関を選びましょう。
全国規模の大手銀行の空き家ローン
全国規模で営業する大手銀行では、空き家ローンの取り扱いが進んでいます。
例えば、りそな銀行の「りそな空き家専用ローン」は、無担保で借入ができるローンです。使い道が幅広く、空き家の購入資金、リフォーム資金、解体資金に利用できます。
参照元:りそな銀行
大手銀行は全国に支店や提携ATMがあるので、エリアを問わず利用しやすいことがメリットです。
転勤などで引っ越した後もローン支払いや手続きが便利です。
大手金融機関の空き家ローンを利用する場合は、条件や手数料などを事前に比較し、最も自分に合った商品を選ぶことがポイントです。
地方銀行による地域特化型の空き家ローン
地方銀行は、地域の特性に合わせた空き家ローンを提供しており、地元密着型のサービスが強みです。
空き家率は地域によって異なります。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、最も空き家率が高いのは和歌山県と徳島県で、どちらも21.2%となっています。
参照元:総務省
地方でも、空き家問題への対応は大きな課題となっています。
これを踏まえ、地方銀行では、購入資金とリフォーム費用を一体化したローンや、解体費用に特化したプランなど、ニーズに応じた柔軟な商品を用意しています。
例えば、青森みちのく銀行の「青森みちのく空き家利活用ローン」は、空き家利活用の全般に対応するローンです。空き家を賃貸に改修する費用や、駐車場などを造成する費用に利用できます。
参照元:青森みちのく銀行
さらに、自治体との連携により、補助金制度や税制優遇とセットで利用できるケースも多く、コスト負担を軽減できるのも大きな魅力です。
福岡銀行と北九州市の取り組みを紹介します。
他にも、空き家の解体資金に活用できる「空き家解体ローン」もあります。提携自治体から解体に関する補助金を受給する場合は、低い金利でローンを組めるようになります。
参照元:福岡銀行
福岡県北九州市は「老朽空き家等除却促進事業」を行なっており、解体にかかる金額の1/3、最大30万円の補助を行なっています。
参照元:北九州市
また、地域事情に詳しい担当者が親身に相談に乗ってくれるため、初めて空き家を購入する方や土地活用を検討する方でも安心して利用できます。
地方銀行の空き家ローンを検討する際は、地元ならではの制度や条件を確認し、地域の利点を最大限活用することをおすすめします。
信用金庫・信用組合の空き家ローン
信用金庫や信用組合も、空き家ローンを提供する重要な金融機関です。
例として、埼玉縣信用金庫の「さいしん空き家活用ローン」を紹介します。
こちらは、空き家の改修費用や解体に関わるローンを借りることができます。協力連携する市町村の空き家の場合は、金利が優遇されます。
参照元:埼玉縣信用金庫
信用金庫や信用組合は、地域や組合員の繁栄を重視しているため、地域に住んでいる、または地域で事業をしている人を応援しています。
そのため、空き家ローンの審査基準はオープンにはなっていないものの、書類審査や担保条件が比較的緩やかな場合があります。
また、信用金庫や信用組合では、空き家を地域資源として活用する取り組みを支援しており、融資に加えて活用方法についてのアドバイスを受けられる場合もあります。
例えば、枚方信用金庫は枚方市と空き家に対する事業連携を行なっており、空き家の相談窓口を開設しています。
参照元:枚方市
これらの金融機関は地域密着型で相談しやすく、条件が合えば大手金融機関にはない手厚いサポートを受けることができるため、選択肢の一つとして検討してみてください。
オンライン申請が可能な空き家ローン
近年、オンライン申請が可能な空き家ローンが増えており、手続きの簡便さから注目を集めています。
オンライン申請サービスは、大手銀行やネット銀行などで広まっています。
特に、忙しい世代や、遠方から地方の空き家を購入する人々にとって、このサービスは非常に便利です。
金融機関の専用サイトやアプリから申込を行い、必要な書類をアップロードするだけで手続きが完結するため、金融機関の窓口に行かずに手続きを進められるのがメリットです。
例えば、武蔵野銀行の「むさしの空き家活用ローン」は、仮審査から契約まで、オンラインで手続きが完結します。
参照元:武蔵野銀行
オンライン申請の利便性だけでなく、事前審査のスピードも速く、多くの場合、翌日には結果が通知されることがあります。
ただし、オンライン申請を行う際には、必要書類の準備や入力ミスに注意が必要です。不備があると審査が遅れる可能性があるため、申込前にチェックリストを活用し、正確に進めることを心がけましょう。
ここまで様々な金融機関の空き家ローンを紹介しましたが、長期間にわたるローン返済は家計の負担となってしまうこともあります。
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空き家でローンを組むよりも買取業者へ売却がおすすめ
空き家の処分にローンを利用するよりも、買取業者へ売却がおすすめです。
特に、空き家の状態が悪く修繕や解体に多額の費用がかかる場合、買取業者に売却することで迅速かつ負担を軽減した処分が可能です。
買取業者は、空き家を含む土地を市場価値に基づいて査定し、現金化するまでのプロセスをスムーズに進めてくれます。
また、古い空き家でも「訳あり物件」として専門業者が引き取ってくれる場合があり、地域によっては驚くほど高値で売却できるケースもあります。
売却後の土地をどのように活用するかは、買い手のアイデア次第であり、空き家の維持管理の負担がなくなることで、所有者は新しい資金計画を立てる余裕が生まれます。
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まとめ
この記事では、空き家ローンの基本情報から利用目的、提供する金融機関の特徴、そしてローン以外の選択肢について解説しました。
空き家ローンは購入、リフォーム、解体など多様な用途に対応し、空き家問題の解決策として注目されています。
一方で、ローンを組む前に買取業者への売却という選択肢も検討することが重要です。
空き家を活用するための最適な方法は状況によって異なります。ぜひ、この記事で得た知識を活用して、あなたに最適な選択肢を見つけてください。